僕が僕であること(仮)

ウルトラマンが大好きな9歳の息子とのウルトラ備忘録です。

DXベーターカプセルを買いました / おもちゃは本来「これくらいでいい」という話

 

 この間行ったウルトラヒーローズEXPOの物販コーナーで息子(小2)に買ってあげたDXベーターカプセル。これが色々な意味で「ちょうど良く」て、凄くいいおもちゃだったんですよね。

 

 真ん中の丸く凹んでいる部分がボタンになっていて、そこを押すと先端の赤いクリアパーツが光って劇中と同じ変身音が鳴る。ギミックは本当にただそれだけです。

 ボタンを2回押すと違う音声が鳴ったり、劇中のようにスイッチがポップアップする仕掛けなんかもありません。正直、3,000円前後という値段を考えると遊び甲斐という意味ではちょっと物足りないかもしれない。ボディの銀色も塗装ではなく成型色で、銀色というよりはグレーに近いです。チャチさは否めない。

 でもなんか、今の僕にはこの「シンプルさ」が逆に新鮮で。

 ボタンを押すと音が鳴るだけだから、まず説明書とにらめっこする必要がない。パッケージから取り出して、スッと上に掲げてボタンを押せば誰でもウルトラマンになれちゃう。究極のシンプルイズベスト。

 

 

 

 

 息子が毎年遊んでいる最新ウルトラマンの変身アイテムはメダルを順番に入れたりカードをスキャンしたりと、それなりに複雑な手順を踏んで変身するものばかりです。時代の流れなのか進歩なのか、とにかく年々やることが多くなっている気がします。もちろんそれはそれで、一つひとつの工程をこなしていく楽しみがあるんですけども。

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 僕が集めている大きなお友達向けの「ウルトラレプリカ」シリーズは、レプリカの名の通り限りなく本物に近いビジュアルを再現するためにダイキャストパーツが使われたり細かい塗装が施されていたりする。

 当然通常のおもちゃに比べると高額な上に、そういった「本物に近づける試み」がデリケートさに直結してしまっているケースも多くて。端的に言うと「手に取ってガシガシ遊びにくい」んです。

 傷つけるのが怖くて、いざ箱から出すときも手袋でもしたほうがいいんじゃないかとか色々考えてしまう。せっかく買ったのに箱からほとんど出してないやつ、ぶっちゃけいっぱいありますもん。果たしてそれは本当に「おもちゃを買った」と言えるのか、という問題。ガシガシ遊んでナンボやろ、というチャイルディッシュな気持ちとの葛藤。

 

 ここではあえて「煩わしさ」と表現しますが、DXベーターカプセルにはそういう引っかかりが全く無くて。複雑なギミックも高級感のある塗装も、やりたかったけど出来なかったのか、それとも最初からやるつもりが無かったのかは分かりませんが、その簡素な作りは結果的にある種の潔さを際立たせています。そう、おもちゃは本来これくらいでいい。

 息子はこのDXベーターカプセルを毎日のように触っていて、まるで親父がテレビのチャンネルをザッピングするみたいに、何の脈絡もないタイミングで変身ボタンをポンと押すんです。その度にリビングに鳴り響くウルトラマンのあの変身音が、傍から見ていると段々癖になってくるんですよね。で、僕も嫁さんもなんとなくベーターカプセルのボタンを押したくなってきて、気が付いたら息子の後ろで順番待ちをしているという。ね、家族で100点満点の遊び方してるでしょ(笑)。

 

 僕があんまりベタベタ触っているとさすがに息子も怒るので、彼が寝た後にこっそり一人で遊ばせてもらったり……って、いや僕、ウルトラレプリカのベーターカプセルもちゃっかり注文してあるんですけどね。ただあれもギミックもりもりの高級品だから、いざ届いてもこんなに無邪気には遊べなさそうな気がしていて。

 家で『シン・ウルトラマン』を見ながら手元に置いておきたいのは、多分ウルトラレプリカじゃなくてこっちのDXなんだろうなと思います。今こうしてブログを書いている間にも、「ベーターカプセルのボタンを押したい……あの変身音を聴きたい……」ってなっちゃってますから。滅多に触らない高級品で所有欲を満たすのもいいけど、こうやってガシガシ触れて遊び方も簡単な「ちょうど良い」おもちゃ、やっぱり最高なんだよなあ。