僕が僕であること(仮)

ウルトラマンが大好きな9歳の息子とのウルトラ備忘録です。

【あなたとトクサツ。-第5回-】再燃を繰り返す区切りの“ディケイド”

 「あなたとトクサツ。」第5回のゲストは、Twitterや同じ「はてなブロガー」としても普段から大変仲良くさせていただいてる柚樹ログさん(@exloyrog)です。

exloyks.hatenablog.com

 

●「あなたとトクサツ。」とは?

「あなたとトクサツ。」は、読者の「特撮と人生」にスポットライトを当てる企画です。

人生で最初にハマった特撮作品、好きだった特撮を「卒業」または「復帰」することになったきっかけや時期、特撮のおかげでこんなに良い思い / 悪い思いをした等々、「特撮と人生」にまつわるお話をたっぷりと語っていただき、インタビューを通して更に深堀していきます。

 

 ブログ「零れ落ちる前に。」では、ログさんが現在進行形で熱中されているハロープロジェクトのアイドルを中心に、様々なカルチャーを独自の角度から取り上げられています。

 まず最初に、「零れ落ちる前に。」というブログ名のセンスが本当に良いなあと思うんですよ。何故ブログを書くのか、その意味や目的がタイトルにしっかりと落とし込まれている。ログさんの記事は、シニカルな視点で日常の気付きを綴るエッセイがあったかと思えば、ご本人によるあまりにも濃密なバースデーイベントが突然始まっちゃったりもして、あの流れにはいわゆる「ギャップ萌え」みたいなものを凄く感じてしまいました(笑)。

 液晶画面に映る文章そのものに「赤、青、黄…」といった色彩は当然無いわけですが、ログさんのブログには何処かカラフルな印象があります。「好きなもの」に対するアンテナの張り方を、僕も見習わねばと思いますね。

 今回のログさんの文章も、幼少期の記憶から、思春期に差し掛かる頃の複雑な心境と大人になった現在に至るまでがとても丁寧に描写されており読み応えがありました。それでは、「あなたとトクサツ。」第5回です。

 

 

 

 

業、復帰からの「並走」

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第5回:柚樹ログさん

 

 『忍風戦隊ハリケンジャー』が人生で最初にハマった特撮作品です。 


 私と特撮ヒーローの出会いは、ハリケンジャーよりもっと前…親に連れていってもらった謎のヒーローショーでした。「謎の」、といいますのは、2歳くらい(1999年頃?)に見たヒーローショーなのに、出演ヒーローがオーレンジャーとロボコンだったからです(笑)。幼き私とオーレッドとロボコンの3ショットが実家のアルバムに残っています。あまり覚えていませんが、物心つく前から父が英才教育してくれていたのでしょう。 


 次の記憶は近所の床屋さんで『タイムレンジャー』のOPを観た時。訳の分からないOPテーマがトラウマで、『タイムレンジャー』をリアタイすることは一切ありませんでした。曲だけでなく映像もなかなか怖かったので…。

 

 そしてその翌年に始まったポップでにぎやかなヒーロー、『ガオレンジャー』が私のニチアサデビューです。保育園時代の将来の夢は「ガオブルーになること」で、卒園時のアルバム?にデカデカと掲げていました。

 

 そんな幼少期を過ごした後、小学校入学直前に始まった『ハリケンジャー』が人生で最初にハマった特撮作品になりました。

 

 多くの男児が憧れを抱く「忍者」をモチーフにし「善vs悪」だけでなく、「疾風流vs迅雷流」というヒーロー同士の対立構造が序盤から敷かれていたのが新鮮で、ケレン味たっぷりな名乗りや魅力的な玩具、勢いのあるストーリー展開など、惹かれる要素が盛り沢山。父に連れていってもらった劇場版も大満足で、小学校入学直前の私の人生を鮮やかに彩ってくれました。

 

 ただ、同時にトラウマを植え付けられた作品でもあります(ゴウライジャーvsマンマルバは園児にはキツイ...)。同時期に放送されていた『仮面ライダー龍騎』も怖かったですね。あの頃はトラウマ製造機ばかりでした...。

 

 ハリケンジャー以降は戦隊、ライダー共に毎週視聴するようになりますが、保育園時代終盤から小学校時代序盤にかけて特撮熱が過熱したクチなので、周りに語れる友達はおらず、唯一の友達が父でした。ごっこ遊びの記憶が少ないのもそのせいです。学校では隠れキリシタンのようにふるまっており、縦割り班活動で上級生から「この中で今でも仮面ライダーとか見てるやつおる?(笑)」と嘲笑われても、唇を噛みしめていました。

 

 日曜朝は決まって父が隣にいてくれて、戦隊もライダーも付き合ってくれました。ただ、戦隊は進級するにつれて恥ずかしくなり、『マジレンジャー』を最後にライダー一本に絞ります。その同年に放送されていた『響鬼』は渋い作風だったからか、父も熱心に見てくれていました。しかし、『響鬼』を最後に父は付き合ってくれなくなり、『カブト』以降はひとりで早起きして鑑賞し、見終わる頃に両親がのそのそと起きてきてニュースに切り替える…という流れが日曜日の恒例となりました。

 

 いわゆる「卒業」したきっかけは、母の一言です。

 

 『仮面ライダー電王』という最高傑作に出逢った私は、間もなく小6になろうとしている頃でしたが、まだまだ仮面ライダーへの熱は冷めず、後番組の情報も商標登録の時期から熱心に追っていました。しかし一方で、「高学年になってもライダー好き」ということに少し恥ずかしさも覚えていました。例の上級生の言葉が長らくトラウマだったのです。そんな風に心が揺れ動いていた私にトドメを刺したのが、『キバ』の1話を観ていた私に向かって母が言った「まだ仮面ライダーなんて見とるん?もう小6やろ?」という一言でした。本人にとっては何気ない一言だったのでしょうが、私にとってはあまりにも鋭利な刃でした。その一言で、私は特撮を「卒業」することになりました。

 

 ...しかし、その1年後、まんまと「復帰」することになります(笑)。

 

 小学校時代の多くを特撮ヒーローに費やしたため、冬場になると新ライダーの情報が出回るという季節感が身体に染みついており、『キバ』未試聴でも次作の情報はすぐにキャッチしました。そしたらなんと、全平成ライダーが登場する作品が始まるというではありませんか…!

 

 小学校卒業間近に始まった『ディケイド』は、羞恥心なんかどうでもよくなるほど魅力的な作品で、第1話冒頭の「ライダー大戦」を観た瞬間、ああ、俺は一生仮面ライダーを追いかけることになるのだな...と確信するくらい心を奪われました。そして、『ディケイド』でまた「卒業」しようと思っていた矢先の『ダブル』。もう、おしまいですよね(笑) 。

 

 こうして私の仮面ライダー愛は再燃どころか更に燃え上がり、その熱は『ジオウ』まで続きます。なお、戦隊は『ディケイド』と同じように『ゴーカイジャー』で出戻りしました。記念作品のパワーは桁違い。その後、平成ライダーの完結と、ハロプロへの目覚めをもって、再びニチアサに別れを告げて今に至ります。

 

 と言っても、習慣がなくなっただけで、「卒業」したとは思っていません。時々交わったり、離れたりしながら、一生並走していくことになるのではないかな、と思います。

との思い出と、羞恥心と。

―ログさんとは普段から仲良くさせてもらっているのですが、僕がかなり中途半端なハロプロファンということもあって(笑)、これまで意外とお話する機会が少なかったですよね。この企画を通して、是非ログさんの「特撮のルーツ」をお聞かせいただければと思います。よろしくお願いします。

さて、冒頭のオーレンジャーとロボコンが登場した「謎のヒーローショー」に既に興味津々なのですが、ログさんが物心つく前から英才教育を施していらっしゃったというお父様の存在。お父様は、ログさんと一緒にご覧になるとき以外にも普段から特撮を楽しまれていたのでしょうか?

 はい、こちらこそよろしくお願いします。

 そうですね、あの回答を書きながら「何故父はあんなに付き合ってくれたのだろう...?」と不思議に思っていたのですが、投稿した後に父が熱狂的な初代ウルトラマンファンだったことを思い出しました。

 今はもう捨てられてしまいましたが、小学生の頃、父の本棚に初代ウルトラマン全39話を録画したVHSが並んでいました。詳しく聞いたことはないのですが、最近還暦を迎えたくらいの年齢なので、初代ウルトラ直撃世代だったのではないかと。その後のシリーズを追っているようには見えなかったので、単純に「男の子ならヒーローを見せて育てよう!」という考えだったのではないかな?と思います。

 なので『ウルトラマンマックス』と『ウルトラマンメビウス』は物凄く熱心に付き合ってくれましたね(笑)。『響鬼』を一緒に見てくれたのは、作風だけでなく、『マックス』と同時期だったからなのかもしれません。

 

―なるほど、お父様の「初代マン」体験が後のログさんの趣向にもつながる一つの原点なんですね。僕も父親が昭和35年生まれの元祖・ウルトラ世代で、それこそ同じようにVHSで英才教育を受けてきたクチなので「男の子ならヒーローを…」という発想がナチュラルに出てきたものというのはとても共感します。

 書きながら更に思い出したのですが、父はゴジラシリーズも大好きで、『ゴジラ FINAL WARS』は劇場に連れて行ってくれましたね。ソフビを息子以上に熱心に集めてコンプリートしたりとか(笑)。

 ピクサーの『Mr.インクレディブル』もドハマりしていましたし、本来はヒーローや怪獣が好きなんでしょうね...。 

 

―『ガオレンジャー』でのデビューに始まり、ログさんが人生で初めてハマったという『忍風戦隊ハリケンジャー』もお父様と一緒に映画をご覧になられているんですね。特撮にハマっていく年齢として、小学校入学直前というのは確かにやや遅めな気がします。「唯一の友達」としてのお父様と、特撮について何か語り合った記憶などはありますか?

 そうですね...正直言うとあまり覚えていません(笑)。

 ハリケンジャイロやダイノブレス、アバレンジャーの爆竜シリーズ、ソフビ等々たくさんおもちゃを買い与えてもらいましたが、たくさん語り合った記憶や、ごっこ遊びをしてもらった記憶はあまりないです。

 父との記憶でいうと、ドライブに連れていってもらうことが多かったので、「ハリケンジャー参上!/いま風のなかで」の8cmCDをひたすらかけてもらった記憶はあります。北陸出身だからか、家での会話や遊びよりも、とにかく外のイベントや劇場に連れ出してもらっていた印象です。それこそ手取フィッシュランドのウルトラマンスタジアムに行ったりとか。

 

―ウルトラマンスタジアム!僕も2年前に息子と遊びに行きました。あのウルトラマン好きにとっては夢のような施設が、お父様との思い出の場所になっているというのは羨ましいですね。学校で「隠れキリシタン」のように振舞われていたログさんにとって、色々なところへ遊びに連れて行ってくれたり、日曜の朝に必ず隣にいてくれたお父様は心強い存在だったことと思います。

 口数が少なく、子供付き合いも決して上手とはいえない父でしたが、映画やイベント、テーマパークへ積極的に連れて行ってくれたり、一緒にニチアサを見てくれたりしたことは、確実に私の財産ですし、もし自分が子を持つことになったとしたら、同じように隣にいてあげたいですね。 

 

―そしてお母様の一言により迎えた「卒業」の時…あまりにも鋭利な言葉に大人の僕まで一瞬ウッとなってしまいました(笑)。ログさんは特撮を卒業した代わりに、何か熱中されたものはありましたか?

 いやあ、鋭かったです(笑)。

 当時少年誌系のアニメもリビングで見ていたのですが、たびたび「まだそんなの見とるん?」と心無い言葉を投げられ、YouTube等の配信コンテンツも未発達だった当時は隠れて視聴することも難しく、諸々「卒業」せざるを得ませんでした。 

 代わりに熱中したのはテレビドラマですね。当時クラスの皆がドラマの話をしても付いていけなかったのですが、「LIAR GAME」や「ごくせん」等、徐々にドラマの面白さに気付いていきます。ドラマならリビングで見ていても何も言われないんですよね...。

 

―なるほど、今と当時では映像作品の楽しみ方が大きく変化していますもんね。お母様にとっては特に悪気の無い自然な言葉だったのかもしれませんが、子供には親の言葉はある意味「絶対」という部分もあり、ログさんが特撮を卒業せざるを得なかった環境はすぐに想像がつきました。今の子はタブレットで一人で視聴する環境が整っているケースも多く、僕も息子が何にハマっているかを後から知らされることも多くなっています。

「リビングで見ていても何も言われない」ドラマに熱中された後、「復帰」の足掛かりとなったという『仮面ライダーディケイド』。「羞恥心などどうでもよくなるほど魅力的な作品」とのことですが、それはもうリビングでも堂々と…?(笑)

 当時仮面ライダーは朝8時半からの放送だったので、親が起きてくるかどうか微妙な時間帯だったのですが、たまたま『ディケイド』1話は起きてこなくて。

 起こさないよう、部屋の電気をつけずにこっそり見た「ライダー大戦」がそれはそれは衝撃的でした。

「こんなの見ないわけにはいかないじゃん!」と興奮を抑えられず、翌週視聴がバレて、視聴中に野次が飛んできてもガン無視でテレビに釘付けになりました(笑)。龍騎回や555回は幼少期の記憶が刺激されて、もう大変でしたね。知ってるライダーが出てくると父も反応してくれたので、大人達が紡いでくれた歴史に感謝しました。

 

―「ライダー大戦」の画的なインパクトは確かに凄かったですよね。幼少期に『龍騎』や『555』を楽しまれていた方なら「見ないわけには」となるのも納得です。他のご家族からの野次(笑)の中、お父様の反応等で親子間の貴重なコミュニケーションが生まれていたことは記念作品に大きな存在意義があることを思い知らされます。

その後の『ジオウ』までの平成仮面ライダーへのハマり具合についても教えてください。

 のめり込んだタイミングが3回あって、1回目が『ダブル』『オーズ』『フォーゼ』です。どれも魅力的な作品ばかりで、思春期に見るライダーは幼少期とはまた違った味わいがありました。第1回で木本さんが紹介されていた『AtoZ/運命のガイアメモリ』は中学でできたライダー仲間と初めて観に行った劇場作品で、私にとっても大切な一作ですね。先行登場したオーズの変身音について、友達と爆笑しながら話した記憶があります。

 2回目が『鎧武』『ドライブ』。高校生になりスマホを与えられ、Twitterも始めていたので、オタクの実況やキャスト同士のリアルタイムでの交流等、楽しみ方の幅が広がった印象があります。作風とSNSの相性も抜群でしたしね。某有名ブロガーさんを認知したのもこの辺りです(笑) 。

 3回目が『エグゼイド』『ビルド』『ジオウ』。大学時代なのでもう特撮を見ることに対して恥ずかしさもなく、世間のオタクへの風当たりも弱まっていたので、素直に毎週の放送を楽しんでいました。『エグゼイド』はスピード感のある作風が心を鷲掴みにされ、個人的に歴代トップ3に入ります。『ジオウ』なんかはやっぱり歴史の厚みを見て感慨深くなりましたね。こうして振り返ると、どの作品も自分の人生と切り離して考えることはできないくらい、各時代の記憶とリンクしているなと思います。

 

―『ディケイド』から『ジオウ』の期間は、ログさんにとってもまさに「平成ライダーと共に歩んだ」10年間だったわけですね。

平成ライダーの完結と共にニチアサから再び離れた後の「ハロプロへの目覚め」について、特撮とハロプロとの共通点や、それぞれの魅力を並べて見たときにログさんなりに感じるところは何かありますでしょうか?

 ひとつは「成長物語」ですね。

 未熟な少女たちが各々の理想のアイドルを目指して日々鍛錬する姿や、未熟な青年たちが仲間と共に悪と戦う中で真のヒーローへ成長していく姿を見ていると、自分も頑張ろう、と思わせてくれます。特撮に関しては作中と演者の二つの観点で「成長物語」があると思っていて、デビューしたてで演技も拙い役者が終盤にかけて凛々しくなっていく姿は、毎年見ていても涙腺に来ます。戦隊やライダーの「ファイナルライブツアー」はハロプロの「卒コン」と近い感動がありますね。

 あとは、「ファンタジーを笑わない」点です。

 特撮もハロプロもある種「ファンタジー」ですが、後ろで関わる大人達が誰よりも真剣だからこそ、感動を呼ぶのだと思います。ただ、どちらも様々な問題を孕む現場なので批判的なまなざしを抜きにして全肯定するのは難しいですが...。それを理解した上で、「ファンタジー」を笑わずに真摯に向き合う姿勢はリスペクトしたいです。

 

―「ファンタジーを笑わない」大人たちの真剣さが呼ぶ感動、そして若者たちの「成長物語」を追いかける醍醐味。特撮からハロプロへとジャンルの移り変わりこそあるものの、ログさんの「好きなもの」への関わり方やスタンスには一貫したものが感じられます。ログさんの次の10年に、果たして仮面ライダーやスーパー戦隊が返り咲く日が来るのか。お節介ですが、個人的にとても気になるところです。

さて、それでは最後に恒例の質問を…。ログさんにとって「特撮とは?」を一言でお願いします!

 私にとって特撮は「アルバム」ですね。

 特撮は私が歩んだ過去と密接に結びつくもので、今回のインタビューでその時収めた正や負の感情が露わになったことから、きっかけさえばいつでも開ける場所にあるんだなあと気が付きました。ハロプロも似たようなものといえばそうですが、特撮は年単位で変化するシリーズだからこそ、より記憶に紐づいているのだと思いました。

 これから先の未来で新たな作品に出会う際も、その時の生活や経験と共に、記憶のアルバムに大切にしまっていきたいです。

 

―長時間のインタビューお疲れさまでした。ブログの更新も楽しみにしております。ありがとうございました!

話を伺って感じたこと

 小学校も高学年くらいになってくると、例えば同じ教室の中でも縄張り意識みたいなものが生まれてきますよね。それに伴って、趣味嗜好の面で少数派に属するとどうしても肩身が狭く感じられたりする。

 ログさんは小学生の頃の自分を「隠れキリシタン」と表現されていましたが、ここに関して共感された特撮ファンの方は多かったのではないでしょうか。だからこそ、そんな時にいつも隣にいてくれた優しいお父様の記憶がログさんの胸に今もずっと残り続けているのだと思います。

 お母様の一言も、確かに相当な鋭さを感じる言葉ではありましたが(笑)、きっとそこに明確な悪意は無くて。むしろそれは愛情の裏返しだったりもするわけです。でも受け手にしてみれば、何の前触れもなく飛び出してきた刃物のほうがびっくりもするしショックが大きいし…というこの難しさ。

 そんな思春期に差し掛かる時期の「卒業」を経て、ログさんが真っ暗な部屋でこっそり見たという『仮面ライダーディケイド』の「ライダー大戦」の衝撃。羞恥心を捨て去るほどのめり込むまでに至った経緯は、当時の平成ライダーがどれほど勢いのあるコンテンツだったかを知らしめる貴重な証言でした。

 アイドルと特撮の共通項という点においても、ログさんらしい冷静かつ真摯な趣味への向き合い方を伺い知ることが出来ました。特に「ファンタジーを笑わない」という共通点に関しては、まさにログさんが小学校の頃に唇を噛み締めたあの苦い経験がご自身にとっての血となり肉となっている。今回お話を伺いながら、これはログさんという一人の人間がアイデンティティを得るまでの、ひとつの立派な物語でもあるという印象を強く受けた次第です。

 今回、こうしてログさんとお話をさせてもらえたことで、僕はこれから成長していく息子にどう寄り添っていくべきかを考えさせられました。そしてログさんにとっても、このインタビューが記憶のアルバムを開く良い機会になったのだとしたら、企画を立ち上げた者としてこんなに嬉しいことはありません。改めて、ありがとうございました。

 

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