今日は久々、「あなたとトクサツ。」をお送りします。
第18回のゲストは、ブログ「本当の戦いはここからだぜ〜第二幕〜」で『仮面ライダークウガ』の感想記事を連載中のかずひろさん(id:kazurex1215)です。
●「あなたとトクサツ。」とは?
「あなたとトクサツ。」は、読者の「特撮と人生」にスポットライトを当てる企画です。
人生で最初にハマった特撮作品、好きだった特撮を「卒業」または「復帰」することになったきっかけや時期、特撮のおかげでこんなに良い思い / 悪い思いをした等々、「特撮と人生」にまつわるお話をたっぷりと語っていただき、インタビューを通して更に深堀していきます。
かずひろさんとは、TwitterやTwitterのスペース機能で大変仲良くさせていただいています。
また、居住地が同じ関西圏ということもあり、息子共々オフでお会いする機会にも恵まれました。爽やかで気さくで頼りになる、粋な若人でした。
最初は人見知りしていた息子とも、かずひろさんが彼の目線に合わせたコミュニケーションを取り続けてくださったこともあり、今ではすっかりマブダチという感じで(笑)。
今回かずひろさんには、今も尚ご自身の「特撮人生の頂点」に君臨し続けているという、大変思い入れの深い2作品を中心に語っていただきました。
そのうちの一つ、『仮面ライダークウガ』については、先述の通りご自身のブログで感想記事を連載されています。放送当時の世相や流行にも触れながら、西暦2000年のあの頃の空気感を呼び覚ます連載企画で、文面からもリアルタイム世代ならではのかずひろさんの熱い「クウガ愛」がひしひしと伝わってくる。
小学生の頃に『クウガ』をリアルタイム視聴しなかったことを未だに後悔している僕にとって、かずひろさんの極めて密度の高い連載記事を追いかけることは、ある意味20数年越しのリベンジになっている側面もあり。感謝の思いと共に、「完走するまで必ず追いかけます!」という応援の気持ちも込めて拝読しております。
それでは「あなたとトクサツ」第18回。かずひろさんの熱い語りをお楽しみください。
「原点にして頂点」を語る
第18回:かずひろさん
私の「特撮と人生」を紐解いていくと浮かんでくるのは、父親の存在でした。
当時放送されていた『ティガ』『ダイナ』『ガイア』に連なる平成ウルトラマン三部作をきっかけに、空想で描かれるセンス・オブ・ワンダーな世界観に魅了された私は、「特撮」へどっぷりとハマっていました。そんな自分が幼稚園生だった頃、ある二つの作品に出会いました。
一つ目は平成仮面ライダーシリーズ第1作目の『仮面ライダークウガ』です。
これまでのヒーロー番組ではお決まりだったご都合展開や設定の矛盾を徹底的に廃し、人間ドラマを軸に据えた脚本から生み出される緻密な作劇、「もしも『仮面ライダー』を現代に描くなら……」という視点から逆算されたリアルシミュレーション作品ともいえるその全てが、私にとっては「衝撃」の一言でした。
放送当時はファンの間で “『クウガ』は大人向けを意識しすぎて、子供たちは楽しめていない” などの不安もやはりあったらしいのですが、今もあの頃の記憶が鮮明に残っている私にとって、それは杞憂でしかありませんでした。
人を信じる大切さや生きることの難しさ、そしてどんな時でも「笑顔」を絶やさないこと。「仮面ライダー」という題材だからこそ描ける直球で飾らないメッセージを私は『クウガ』から受け取りました。
そして二つ目が『鉄甲機ミカヅキ』です。
地球を襲う怪獣「イドム」に謎の巨大ロボット「ミカヅキ」を操縦して立ち向かう少年の成長譚であり、TVドラマでは破格の制作費が投じられたVFXと豪華なキャスト陣が魅力の特撮作品です。
少年だったあの頃に思いを馳せるノスタルジックな雰囲気が当時の私には新鮮だったのと、全6話だからこそ成し得た濃密なドラマと少年マンガ的な熱い展開が胸をアツくさせてくれました。
しかし、『ミカヅキ』は決して高い評価と認知度を得られた作品ではありませんでした。月イチ放送でありながら放送時間が不定期というスケジュールと、脚本家のクセが強く出過ぎた作劇は視聴者をかなり選んだのでしょう。
それでも、当時のスタッフたちが、自分たちの意志を曲げずに作品を完成させ世に送り出した、その熱量や心意気があったからこそ、私の幼心に『ミカヅキ』が深く刻まれたのだと思います。
映画やドラマなどあらゆる作品に触れていく中で、『クウガ』と『ミカヅキ』が私の大事な指針になっています。
舞台となる世界観の設定は詰められているか、ドラマとアクションのバランス、込められた熱意やメッセージは伝わってくるかなど、自分の中にある「面白い」とは何なのかを、常にこの作品たちを基準として考えている自分がいます。
そんな二作品に共通していることは、父も一緒にハマっていたということです。
父は趣味を持たない仕事人間かつ厳格な性格でしたが、私が熱中しているものに全力を注いでくれました。父は自身の幼少期にあまり良い思い出が無かったようで、子である私にそんな思いをさせたくない一心だったようです。
幼稚園の参観日に紙のお面で『クウガ』のマスクを一緒に作ったこともありましたし、放送されていた当時に「戦慄」「愛憎」の回を一緒に見て互いに絶句したりもしました。
放送時期が不定期だった『ミカヅキ』を一度も逃さずに録画していたのも、普段はそんなことをしない父親が必死で録画してくれていたおかげらしいです。そんな『ミカヅキ』の最終回を親子揃って固唾をのんで見守ったことは、昨日のことのようにハッキリと思い出せます。こうして振り返ってみると、その一つ一つが本当に大切な思い出です。
私が今も「特撮」を好きでいられるのは、子どもの好きなことに全力で向き合ってくれた父親のおかげなのだと思います。
普段から常に厳しい人なのでもちろん反発する気持ちもありましたが、やはり尊敬の念が強いです。私の好きな「特撮」を父親も好きになり、その父親が好きになった「特撮」のおかげで今の自分がある。もし私がこれからの人生で父と同じ立場になったとすれば、同じことが出来る人になっていきたいと思います。
「想い」を受け取り、かたちにする。
―かずひろさんとはTwitterやスペース、そして現実世界においても同じ「関西の民」として息子共々大変仲良くさせていただいております。
この度は「あなたとトクサツ。」へのご参加、誠にありがとうございます。熱のこもった文章を送っていただき、僕もインタビュアーとして身の引き締まる思いです。かずひろさんの「特撮と人生」を更に紐解いていければと思っております。よろしくお願いします!
それではまず、かずひろさんが特撮にハマるきっかけとなった『ティガ』以降の平成ウルトラマン三部作について、リアルタイムでご覧になっていた頃の思い出等をお聞かせください。
よろしくお願いします!
振り返ってみると、自分にとって平成ウルトラマン三部作(以下TDG)は、「憧れ」の象徴でした。
独自の世界観の中に怪獣や宇宙人、地球を守る防衛チームと人間ドラマ、そして現れる光の巨人。自分がまだ空想と現実の違いをハッキリと理解していなかったからこそ、テレビを通してしか見ることの出来ない “特別なモノ” としての認識が強くなっていたのかもしれません。当時、土曜日の午後6時からはテレビの前に陣取り、自分の神経を全集中させて挑んでいた30分間でした。
「ティガのデザインって凄く綺麗だよなあ」「変形機構ならガッツイーグルでしょ」「総じて面白かったのは『ガイア』だったなあ」そんなことをボンヤリと考えながらTDGを追っていた3年間が、自分の中にある「特撮オタク」という土壌を固めてくれた気がしています。
どの作品も同じ熱量で好きなのですが、特に『ダイナ』の主人公、アスカ・シンというキャラクターには親しい気持ちを抱きました。
決してよくできた人間ではないけれど、真っ直ぐに正々堂々と、絶対に諦めない信念を持つ。そこが彼の本当にカッコいい姿なんですよね。そんなアスカのカッコよさが詰まった「最終章Ⅰ 新たなる影」は、今でも毎年必ず見直しているエピソードです。
―なるほど、『ウルトラQ』の石坂浩二さんのナレーションのように、「あなたの目はあなたの体を離れ―」の最初の体験が、かずひろさんにとっては『ティガ』〜『ガイア』の平成ウルトラマン三部作だったんですね。
そんな、ある意味で理想的な特撮への入り口を経験されたかずひろさんが次に出会ったという『仮面ライダークウガ』についてお聞きします。
これまで平成ウルトラマンを中心に特撮に触れてきた当時のかずひろさんが、『クウガ』のアダルトな作風を目の当たりにしたときの率直な感想、印象を教えてください。幼稚園児にはなかなか刺激的だったかと思うのですが…!
仰る通りで、「うわ!!!!なんじゃこりゃ!?!?!?」というのが率直な感想です。
本当に衝撃的で、まさに雷に打たれたような気分とでもいうのでしょうか。TDGのおかげで、“ヒーロー=ウルトラマン" という概念を持っていた私にとって、それを根本から覆すような作品全体の雰囲気やアプローチの全てがまさに新鮮の極みでした。
平成ウルトラマンが、現実世界では得られない空想のワンダーを与えてくれたのに対し、『クウガ』は虚構と現実の境界線を限りなく近づけていく作劇で。
「自分たちの世界にも未確認生命体が紛れているかもしれない」
「どこかで警察とクウガが人々を守るために戦っているのかもしれない」
そんな想像をつい働かせてしまう作りになっていたんですよね。
リアリティ溢れる世界観。主人公の五代雄介と、彼を支える仲間たちが織りなす人間ドラマ。思わず真似したくなってしまうクウガというヒーローの圧倒的な存在感、名シーンを彩る素晴らしい劇伴の数々。自分の中にある「五感」が全て刺激されるような作品でした。
『クウガ』に出会ってかれこれ22年が経ちますが、面白い作品を定める基準に『仮面ライダークウガ』がその尺度として頂点に存在し続けるほど、自分の中では大きな作品になっています。
―かずひろさんがご自身のブログで連載されている『クウガ』の感想記事、毎週楽しみに拝読しております。
最初に仰った「うわ!!!!」というリアルタイム世代ならではの衝撃と、かずひろさんの人生において欠かすことの出来ない『クウガ』という作品への愛には圧倒されるばかりです。
ありがとうございます。嬉しいお言葉をいただき、大変恐縮です。
感想記事の連載は、自分の中で燃やし続けている『クウガ』という作品への思いをなんとか形に残しておきたくて始めました。
日々の生活を送りながら週一で記事を更新していく難しさを肌で感じつつも、あらためて見直すことで得られた発見や、当時の思い出も踏まえて掘り下げることで、自分が『クウガ』に向けている「好き」という感情の解像度が更に上がった感触があります。
完全な自己満足での執筆ですが、Ryoさんも含めて多くの方々に読んで頂けることはモチベーションにも繋がるので、ありがたい限りです。
―『クウガ』の中で、「どこかで警察とクウガが人々を守るために戦っているのかも―」という想像が最も働いたエピソードは何でしたか?
そこをダイレクトに感じたのは、第15話「装甲」ですね。
特に劇中で雄介がクウガへ変身し現場へ駆けつけるシーンがとても印象深いです。
バイクに乗ったクウガが、道路渋滞している車の間をすり抜け、信号待ちの人々の前を颯爽と走り抜ける。驚く人々をよそにまっすぐ現場へ向かっていくクウガの姿、ここに「日常と非日常の融合」を強く感じました。
「自分が目にしていないだけで、こんなことがあるのかもしれない…」そんな空想を抱いてしまいましたね。
―あれはまさに「日常にいきなり飛び込んでくる非日常」をそのまま映像化した実にダイナミックな演出でしたよね。
近年は仮面ライダーの「バイク離れ」が叫ばれていますが(色々と事情はあるのでしょうが)、『クウガ』ではバイクアクションに加えて、「バイクに乗って登場するヒーロー」の意味合いをきちんとドラマに反映させているのがさすがと思わされるポイントの一つです。
主人公の五代雄介は、当時幼稚園児だったかずひろさんの目にはどう映っていましたか?特撮ヒーローの主人公として、当時としてはなかなか異色なキャラクターだったと思うのですが。
五代雄介という人物は、自分にとって理想的な「優しいお兄さん」という印象でした。『クウガ』を見続けていく中で、そのイメージは最後まで変わらなかったですね。
子どもって、身の回りにいる先生や大人のことをよく見ているというか、信頼出来るのかどうかを子どもなりに判断しているんですよね。自分もまさにそんな子どもでした。
そんな中で雄介って、自分の腰を落として、その子の目線に合わせて話をしたり聞いてくれたりするんです。相手が誰であっても、真剣に向き合う姿はとても印象的でした。妹のみのりが働く保育園に雄介はたびたび訪れるのですが、そこで遊んでもらえる園児たちが羨ましかったですね(笑)。
最初は正直、雄介の常に笑顔を絶やさない明るさや、悩んでいる人と同じ場所に寄り添う優しさにすごく驚きました。「こんなにも良い人がいるのか、ありえなさ過ぎないだろうか……」と。
今思えば、そうした彼の持つ善性は、メタ的な視点で考えると物語を進める上で都合のいいキャラとも言えてしまいます。
しかし『クウガ』という作品を通して伝えたいことや、制作陣の想いや熱量を届けるためのキャラクター造形だったとすれば、申し分のない素晴らしい主人公だったなと感じます。
―かずひろさんとは実際にお会いして、息子とも沢山遊んでいただきましたが、小学生相手でも常に目線を合わせて対等に話してくださっている姿は、それこそ五代雄介のような「優しいお兄さん」そのものでしたよ…!『クウガ』のメッセージ、リアタイ世代にきちんと届いてますね。
身に余るお言葉です……!!むしろ自分の方こそ息子さんに遊んで頂いている身なので、感謝の気持ちでいっぱいですね……(笑)。
―さて、かずひろさんにとってもう一つの「語るべき」作品、『鉄甲機ミカヅキ』についてもお聞きしたいと思います。
『ミカヅキ』の濃密なドラマと少年マンガ的な熱い展開に惹かれたとのことですが、それらを象徴するような回がもしあれば教えていただけますか?
そもそも「『鉄甲機ミカヅキ』って何???」という方がほとんどだと思いますが(悲しい…)、この作品は『クウガ』と同時期に月イチペースで半年間放送された特撮ドラマです。
『牙狼』『ゼイラム』を手がけた雨宮慶太監督と『仮面ライダー555』『鳥人戦隊ジェットマン』の井上敏樹脚本という、錚々たるスタッフが招かれた豪華な作品でしたが、諸々の事情が重なり知る人ぞ知る作品になってしまいました。
そんな『鉄甲機ミカヅキ』が作品全体のテーマに据えているのが、誰しもが持つ「想い」。
人が込めた「想い」は言霊という形を成し、時として善にも悪にもなり得る。しかし、その「想い」を結ぶ意志の力=ミカヅキと共に、困難を乗り越えていく主人公の少年、風雄。この設定にまず心惹かれてしまいました。
基本的に1話完結のストーリーの中で、伝えられなかった「想い」や届かなかった「想い」が複雑に交差するドラマ。その中で、主人公の少年がどんな答えを導いていくのか。ここは見た人によって受け取り方が全く違ってくるのではないかと思います。
そんな『ミカヅキ』ならではの濃密な人間ドラマと熱い展開が見事に融合したのは、第3話ですね。
親の反対を押し切って隊員になった青年と借金を苦にして命を絶った父親、主人公の少年と行方不明になった父親。
対称的な二組の親子関係にスポットを当てつつ、なぜミカヅキは少年を守るのか?という根幹に迫るエピソードです。
その答えの先にミカヅキと少年の関係を再定義させながら、ミカヅキが新たな力を得るという盛り上がりも含めて、凄まじいカタルシスで。クライマックスの一連の展開は、今でも胸にこみ上げてくるものがあります。
―『鉄甲機ミカヅキ』は僕も昔レンタルで一度見たことがあります。主要タイトルが続々とリブートされていた2000年代前半の特撮界隈の微妙な緊張感が、この『ミカヅキ』にも確かに漂っていた気がしますね。
TDGもそうでしたが、かずひろさんも仰る「想い」が形になっていくプロセスを描くという部分では、世紀末の決して明るいとは言えなかった世相も反映されていたのかもしれません。最後に誰かが何かを掴みとる、そのカタルシスが欲されていた時代だったのだと思います。
ウルトラやライダーも一度は途絶えたシリーズでしたから、特に2000年近辺の作品群に漂う独特な緊張感は、あの頃の熱狂を復活させるために、制作陣が込めた覚悟や心意気を纏っていたようにも思えますね。
その意味では『ミカヅキ』も次世代の子供たちに向けて強いメッセージ性が込められていたのと同時に、「あの頃の少年」だった父親世代に向けられたノスタルジーを併せ持つ一面もありました。
2000年は世紀の変わり目でもあり、世相も混乱に満ちていた時期があったと聞きます。その苦しい時代にあっても強く生きて欲しい、生き抜いて欲しいという「想い」。
あの時代だったからこそ、親から子へ受け継がれていく絆の物語が『ミカヅキ』の中には確かに輝いていたと思います。
―『クウガ』と『ミカヅキ』に共通する点として、お父様も一緒にハマってご覧になっていたことを語っておられましたよね。
クウガのマスクのお話や、ミカヅキを録画してくれていた話、とても素敵な思い出だと思います。今も、お父様とはその頃の思い出話などはされますか?
父親の中では『クウガ』『ミカヅキ』=息子が凄く夢中だったもの、という認識が今でもあるみたいです。
『クウガ』は子供向けっぽくない番組作りに感銘を受けたのとオダギリジョーが素晴らしかった、『ミカヅキ』は親子の物語に息子である私との関係を重ねてグッときた、ということを思い出話の中で語ったりもしていました。
そしてその都度、「いつ放送するか分からんかったから『ミカヅキ』の録画はホンマに大変やったわ」の話が出てきます(笑)。
―僕も息子がいますから、息子が本気で夢中になったものを記憶に留めておきたいというお父様のお気持ちが凄く分かります。
そして、思い出話のついでにちょっとぶつくさ言いたくなるのも本当に共感します(笑)。
そういう苦労も含めて、父親にとっては大切な思い出の一つなんですよね。そして、『クウガ』や『ミカヅキ』からかずひろさんが受け取った「この時代を強く生き抜いて欲しい」という「想い」は、同時にお父様の想いでもあったと、そう思います。
それでは最後に、かずひろさんにとって「特撮とは?」を一言でお願いします!
ついに最後の質問が……!!
ちょっとカッコつけ過ぎな気もするので気恥ずかしいですが…自分にとっての特撮とは、「父との絆」です。
私の父は自身の経験から趣味は持たず、仕事以外の時間は全て私のために費やしてくれました。幼い頃は特にずっと遊んでくれていましたし、その記憶に強く紐付いているのが「特撮」でした。
私の好きなものに全力で向き合ってくれたこと、その時にハマった「特撮」というコンテンツが、今の自分の礎になってくれています。父のおかげで今の自分があると言っても過言ではないです。
Ryoさんが息子さんと一緒に特撮を楽しまれているように、私の父も同じような気持ちで私に接してくれていたのかと思うと、感謝の気持ちでいっぱいです。
これからも「特撮」とは長く付き合っていくつもりですし、もし自分が父親と同じ立場にある時が来れば、同じことができる人になりたいですね。
―長時間のインタビューお疲れ様でした。『クウガ』の感想記事、また楽しみにしております!ありがとうございました!
お話を伺って感じたこと
4年前にブログを始めた頃から今までずっと、「やってみたいけど結局やってこなかったこと」というのがありましてね。
例えば、今放送されているウルトラマンの感想を毎週ブログに書いていくとか、特に思い入れのある作品の感想や考察を定期的に更新する……いわゆる「連載企画」というやつです。
実は高校生の頃に作っていたホームページで、当時放送されていた『ウルトラマンネクサス』の感想を毎週書いていたこともあったのですが(今じゃとても読めたものではありません)、あの頃から既に「毎週」「決まった曜日に」「感想をまとめる」ことの難しさや苦しさを感じていました。
扱う作品と締め切りを自分で設定していることもあって、回数を重ねていくとどうしても義務的な側面が強くなってしまうんですね。
今回お話を伺ったかずひろさんも、実際にお会いした際に感想記事を書き続ける苦しさを語っておられました。
でも同時に、好きな作品だからこそ絶対に書き切りたいという強い思いも伝わってきて、「このインタビューで、かずひろさんの次の一歩に少しでも貢献出来れば…」と思いながらお話させていただきました。ブログを通した『クウガ』の追体験、特にリアルタイム世代の方には大変刺激的で興味深いものと思います。是非ご一読を。
かずひろさんのお父様とのエピソードも、伺いながら非常にこみ上げてくるものがありました。
僕も現在進行形で息子と特撮を見ている身ですから、彼が作品から受け取ったものを、いつか何かしらの「かたち」にして欲しいなという思いはあります。
かずひろさんが最後に「父親と同じ立場にある時が来れば、同じことができる人になりたい」と仰っているのを聴いて、『クウガ』と『ミカヅキ』、そしてお父様からそれぞれ発せられていた「どんな時代も強く生き抜け」というメッセージは、もう十分過ぎるほどに伝わっているじゃないか、と。
果たして、特撮を「父との絆」と堂々と言い切ってくれるような関係を、僕と息子は将来築くことができるだろうか――。
ついそんなことを考えてしまうほど、作品を語れば語るほどそれがお父様とのストーリーに直結するかずひろさんの「特撮と人生」が、僕は羨ましく思えて仕方がなかったですね。
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▽あなたの「特撮と人生」についてお聞かせください!
当ブログでは、あなたの「特撮と人生」に関するお話を募集しております。募集要項はこちらの記事をご覧くださいませ。