僕が僕であること(仮)

ウルトラマンが大好きな9歳の息子とのウルトラ備忘録です。

【あなたとトクサツ。-第3回-】~大切な思い出と共に~現在進行形でハマる『牙狼<GARO>』

 読者の方の「特撮と人生」を覗き見する企画「あなたとトクサツ。」第3回です。

 

●「あなたとトクサツ。」とは?

「あなたとトクサツ。」は、読者の「特撮と人生」にスポットライトを当てる企画です。

人生で最初にハマった特撮作品、好きだった特撮を「卒業」または「復帰」することになったきっかけや時期、特撮のおかげでこんなに良い思い / 悪い思いをした等々、「特撮と人生」にまつわるお話をたっぷりと語っていただき、インタビューを通して更に深堀していきます。

 

 実は、僕がこの企画を思いついたときにまず考えたことは、「わざわざ募集したのに、誰からも反応が無かったらどうしよう…」という超ネガティブ思考でした。

 自分のブログならまだしも、他人のブログに載せるための文章をしかも1500字前後でしたためるというのはそれなりに労力がいるものです。僕が主導していくのではなく、「まずはあなたの文章を読ませてください」という他力本願に果たして付き合ってくれる人がいるのかどうか…そんな不安もありました。

 結果は、企画を立ち上げて約一週間ほどで早第3回。今は色々な方たちの「特撮と人生」を覗き見しつつ、「この素敵なエピソードをなんとかブログに出力して皆さんにお見せしなければ!」と日々パソコンとにらめっこ…という感じです。非常にありがたく思います。

 さて、第3回のゲストは、この企画を通じて知り合うことができたナサリシチさん(@nasariiiiii)。

 「家族とのコミュニケーションを作ってくれたジャンル」としての特撮をたっぷりと語っていただきました。

 

 

 

 

「特撮」が作ってくれたコミュニケーション

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第3回:ナサリシチさん

 

 私は、幼い頃から姉と一緒に『セーラームーン』や『おジャ魔女どれみ』などと同じように、ライダーや戦隊物、ウルトラマンなどの特撮作品を見ていました。

 

 人生で初めて見た特撮は、『未来戦隊タイムレンジャー』と『仮面ライダークウガ』からです。それ以降、小学生になってからも毎週欠かさず見てきました。 ですが、高学年に上がり中学生になろうとしてきた時期(2009年くらい)を境にライダーと戦隊は一度卒業しました。何故かと言うと、その時期に「ONE PIECE」にハマり、日曜はそれを見るようになったからです。 


 とはいえ、姉は現在進行形で特撮が大好きだったので「何となく知っている」状態は続いていました。そこから5年が経ったある日のこと。父が見ていた特撮作品"牙狼"をきっかけに、再びこの界隈に足を踏み入れることになりました。

 

 私の父は根っからのオタク気質で、大好きなジャンルも沢山あり、その影響を私は受けていたんですね。『牙狼』は、ライダーや戦隊とはまた一味違った作品で、ダークヒーローな風格ではあるものの、人々に希望を与えるヒーローでした。作品内容は子供には少し早いかな?という要素もありますが、アクションシーンや仲間たちとの絆などがしっかりと描かれておりとても面白く、結果的には父より私の方がのめり込んでしまったくらいでした。 

 

 『牙狼』をきっかけに、父ともそれまで以上に話す機会が増え、自分にとっての特撮は、家族とのコミュニケーションを作ってくれたジャンルとも言えます。そんな父も昨年病気で亡くなりましたが、今でも大好きなのは変わらず、何かあれば仏前に話しかけています。
 
 長々と失礼しましたが、これが私にとっての"アナタと特撮"です。

「大人向け」特撮の魅力と思い出

―まずは企画へのご参加ありがとうございます。お父様との「特撮」を通じたコミュニケーションと思い出…まさに「特撮と人生」という感じでグッときました。 

まず最初に、『タイムレンジャー』と『仮面ライダークウガ』がナサリシチさんにとっての特撮のスタートとのことですが、この2作品で印象に残っている回またはシーン等はありますか?作品全体の印象なども教えていただけると嬉しいです。

 こちらこそありがとうございます。よろしくお願いします。

 本当に、そう言って貰えて私も、きっと父も喜んでいると思います。

 『タイムレンジャー』では最終話、少女が逃がした小鳥を滝沢直人が捕まえに行ったのち、CGCの襲撃にあってしまうと言うシーンです。子供ながら衝撃すぎて、未だに忘れられない話です。

 『クウガ』に関しては、本当に残っているシーンと言うか、未確認生命体のグロンギ語の印象が強烈でした。

 この2作品の印象としては、大人向け?かなと思わせるようなテイストの作品という印象があります。幼い子にはちょっと難しいかなぁ、って思いました。

 

―『タイムレンジャー』と『クウガ』は、シリーズの中でも大人向けの作品として今でも特撮ファンの間では語り草になっていますもんね。僕もタイムレンジャーは少し見ていた記憶があるのですが、戦隊シリーズっぽくない主題歌にテレビの前で「おぉ…」となった記憶があります(笑)。

特撮を一度離れた後に、ハマり直すきっかけが「牙狼」だったとのことですが、所謂3大特撮とは別のベクトルで作られた作品ですよね。子供の頃に見ていた作品と比較したときに「牙狼」だけにあった魅力的なポイント等はありましたか?

 そうなんですよね。今でもそう言われるくらいの作品なんですよね。

 分かります!タイムレンジャーのOPは確かに、今のような○○レンジャーと、歌詞には入ったりしてませんでしたらね(笑)。

 『牙狼』の魅力的なポイントは、まずは世界観や設定ですね。太古から現代に至るまで"魔戒騎士"と"魔戒法師"と呼ばれる、特殊な力を持った人達が、人の邪心や陰我と呼ばれる物から生まれる"ホラー"と戦い続けてきました。

 と、ここまでなら普通の特撮にもありそうな内容なのかもしれませんが、牙狼に出てくる魔戒騎士達は、男性のみ魔界から力を借り作られた鎧を纏い、騎士として戦うことができる。しかし女性は騎士にはなれないと言う掟があったかと思えば、魔戒法師としてサポートや戦闘をすることが出来る。

 そして代々、一子相伝で受け継がれている騎士の家庭があったり、またその騎士の最高位が"牙狼"といった称号があったりと、彼らの中でも人間の縦社会のような要素があるんです。そして彼らの活動が、基本的に夜を中心としていると言うのが初めに惹かれたポイントですね。

 

―主題歌なり演出なり、「ん?」という引っかかりがある作品は大人になっても記憶に残りやすいですよね。

『牙狼』も特撮の中では比較的大人向けというイメージがありましたが、お話を聞いているとファンタジックな世界観の中にも縦社会の要素が含まれていたり、人間のシビアな面に迫るという意味では『タイムレンジャー』、『クウガ』に繋がるものを感じます。

お父様と一緒に『牙狼』にのめり込んでらしたとのことですが、そこから生まれた親子のコミュニケーションで印象に残っている出来事などはありますか?

 そうなんです。Ryoさんが言うように『牙狼』はファンタジー要素もあって、映像も摩訶不思議で綺麗なんですよね。 そういった要素プラス、キャラクター達の友情や恋愛要素も含まれてくるので、これがまたハマってしまうんです。

 父との思い出で言うと、『牙狼』の主題歌が入っているアルバム集を買って、よく車で流して一緒に歌ったり、主人公達のその後を考えたりしてたのが印象に残っています。あと、グッズも一緒に沢山集めましたね。

 

―色々な記憶の中でも、特に歌を聴いた記憶は「どこで誰と」聴いたかをはっきり覚えているケースが僕も多い気がします。特撮というジャンルを通したコミュニケーションのおかげで、亡くなられたお父様との記憶がナサリシチさんの中で素晴らしい思い出になっているんですね。

ちなみに、ナサリシチさんが今、現在進行形でハマっている特撮作品はありますでしょうか?

 そうですね。今私が趣味としていることは、ほとんどが父の影響なので、素晴らしい作品たちに出会わせてくれた父には、本当に感謝しかありませんでしたし、亡くしたくない大切な友人のような感じでしたね。

 現在進行形でハマっているのは、『牙狼』は勿論ですが、ウルトラマン作品にハマっています。『オーブ』『ジード』『Z』『トリガー』が特に大好きですね。後、大怪獣バトルシリーズやゼロ関連も好きです。

 

―おぉ!ニュージェネレーションヒーローズがお好きなんですね。『タイムレンジャー』『クウガ』『牙狼』と、大人向けと言われる特撮作品を指向されてきたナサリシチさんが、現在放送されているウルトラマンシリーズについて率直にどんな印象を持たれたかを教えてください。

 はい!!!!見始めたきっかけは『オーブ』からなんですけどね。石黒英雄さんがウルトラマンになるという理由で。

 率直に言うと、王道の子供向けな印象もありますが、大人が見てもハマる。そして沼に落ちやすい傾向がある作品だなと思いました。作品の枠や年代を越えてキャラクターを掘り下げる…みたいなことをやったりするので、それもまた人気の秘訣なのかなと印象がありますね。

 

―僕も『ジード』を息子と一緒に見るようになってからニュージェネ・ウルトラマンにハマりました。それこそ『ジード』の劇場版にクレナイ・ガイやジャグラーがゲストとして登場したり、近年のウルトラマンは作品毎の壁を無くして、人気になったキャラはどんどんプッシュしていこうという雰囲気がありますよね。生粋の円谷ファンとしては、ナサリシチさんのニュージェネ評は非常に心強いものがあります(笑)。

 そうなんですよね(笑)。まさかジードの劇場版にガイさんとジャグさんが出てきてくれるとは思ってませんでした。(ジャグさんに至っては、序盤からずっっと出てくれてて、みんなの引率者のように感じていました)

 そこがまた良いとこで推しどころなんですよね。知らない世代にも知ってもらおうと言う心意気が凄いです。

 

―さて、「特撮というジャンルを通したコミュニケーション」ということで言うと、このインタビューもまさにその通りで今回お話させていただけこと、とても嬉しく思います。それでは最後に、ナサリシチさんの今後の特撮との付き合い方と、ナサリシチさんにとって「特撮とは?」を一言で教えてください!

 そう言って貰えて嬉しいです!!!!こちらこそ、インタビューありがとうございました。話していて楽しかったです!!

 特撮との付き合い方ですか...今まで通りにこのジャンルを通して色んな方と出会ったり、談義出来たらいいなと思っていますし、推せる物をどんどん増やして、少しでも特撮界隈の賑わいに貢献していけたらなと、思っています。特撮とは…「生きる糧」ですね!!!!

 

―長時間のインタビューお疲れさまでした。これからも、『牙狼』と共にニュージェネレーション・ウルトラマンたちをよろしくお願いしますね(笑)。ありがとうございました!

話を伺って感じたこと

 『牙狼<GARO>』は、これまで見る機会が無かったわけではないのですが、ちょうど個人的に特撮から離れていた時期とも重なっておりまして未見でした。今回ナサリシチさんからお話を伺って「これは視聴せねば…!」と使命感に駆られています。今でも根強い人気を誇る作品の魅力の一端を知ることができました。

 『タイムレンジャー』や『仮面ライダークウガ』も、『牙狼』と同じく特撮というジャンルの中では「大人向け」と評されることが多い作品ですが、設定やディテールの細かさはあくまで作品を構成する一要素でしかなく(もちろん大切な要素でもありますが)、しっかりとしたメッセージ性を持つ作品であれば例え外側が大人向けでも子供たちにはきちんと届く…そんな風に思わされました。

 ちなみに僕は『クウガ』の前年に放送されていた『燃えろ!ロボコン』が大好きだったんです。だから『クウガ』が始まって「なんか急に暗くて怖いの始まったな…」と引いてしまい、一度ニチアサから離れてしまったんですよね。今更ながらもの凄く後悔しています。

 ナサリシチさんが特撮というジャンルに対して「家族とのコミュニケーションを作ってくれた」と感謝の念を持ちつつ、お父様との大切な思い出がつまった『牙狼』という作品を今も現在進行形で楽しまれているというお話はとても素敵でした。僕が今、息子と一緒にウルトラマンを楽しんでいるこの時間も、後からそんな風に振り返ることができたら良いなあ、と。

 そんな風に自分や息子と重ね合わせながらお話を聞かせてもらったからこそ、ナサリシチさんの仰った「生きる糧」という一言が、より一層の説得力を持った力強いものに感じられたことを最後に記しておこうと思います。

 

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