僕が僕であること(仮)

ウルトラマンが大好きな7歳の息子とのウルトラ備忘録です。

【あなたとトクサツ。-第2回-】「人生の伴走者」としてのウルトラマン

 先日更新しました「あなたとトクサツ。」第1回。

 大変多くの反響をいただき、半ば勢いで「えいやっ!」と告知記事の更新ボタンを押してしまった身としては(笑)、もっとシャキッと背筋を伸ばして頑張らにゃいかんと自分を奮い立たせているところです。

 皆さまにお送りいただいた、熱い思いのこもった文章にはもちろん全て目を通しております。記事として公開するまでに少し時間がかかるかもしれませんが、必ず形にしたいと考えておりますのでしばらくお待ちくださいませ。

 さて、早速第2回であります。今回お話を伺ったのは、ウルトラマンシリーズのソフビを中心に様々なウルトラグッズをご自身のブログにてアーカイブされているDC超卵さん(@DCultraegg)。

ultraegg.blog.fc2.com

 DCさんのブログには、僕も息子と一緒に大変お世話になっておりまして、「ウルトラマンと怪獣のソフビのことを調べるときはこのブログ!」というのが僕たち親子の定番になっています。

 何と言ってもその情報量。ウルトラソフビに関しては、一般流通されている定番品はもちろん、イベント等でしか手に入らない限定商品も網羅されているというから驚きです。

 息子がチェックするのは随時更新される「生産終了」の情報。自分の持っているソフビが絶版になっているのを確認すると、「世間にはもう出回らんが俺は持ってるぜ」と言わんばかりの得意気な表情を僕に見せてくる。なんとも言えないクソガキっぷりが微笑ましかったり、憎たらしかったりで(笑)。

 そんな“ソフビマニア”の息子に欠かせない情報を提供してくださっているDC超卵さんの、「あなたとトクサツ。」第2回です。

 

 

 

 

生を変えた1本のビデオテープ

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第2回:DC超卵さん

 

 1999年生まれの自分は、2歳まで『アンパンマン』に夢中な平凡な男児生活を送っていました。しかし、母が職場の同僚からもらって来たVHSを見た瞬間、自分の人生は大きく動き始めました。

 

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 そのVHSの名は 1992年発売『ウルトラビッグファイトSP3 ウルトラ戦士VSバルタン星人』。

 

 「フォッフォッフォ」という不気味な鳴き声と共に、蝉のような宇宙人が右から左へ残像を出しながら消える。このVHSをもらった時に自分は2歳半ば。物心付いているかどうかも怪しい時期ですが、初めて見た時の、ブラウン管に映った映像に心奪われた時の記憶は20年経った今も鮮明に覚えています。

 

 それが自分と【宇宙忍者 バルタン星人】との出会い。自分が特撮にハマったキッカケはウルトラヒーローでも怪獣でも無く、バルタン星人でした。 


 さらに、このVHSのもう一つ魅力的だったところは、発売当時に登場していた全てのバルタン星人の戦闘シーンを紹介してくれるという点です。そのため、違うバルタン星人が登場する度に実にバラエティ豊かなウルトラマン達を知る事が出来ました。

 

 『初代マン』と『帰マン』という王道の2人に、少し顔が特徴的過ぎる『80』の登場。さらにはメカバルタンと戦う『アンドロメロス』の雄姿。かと思えば、急にセル画で激闘を繰り広げる『ザ☆ウルトラマン』のバルタン星人…!

 

 自分が初めて「ウルトラマン」の世界に足を踏み入れるとき、『セブン』や『タロウ』よりも先に【未だに異色作扱いされている】ジョーニアスとアンドロメロスという2作品に触れてしまったのです。それは、2歳児の想像力を遥かに超えた独創的な世界観でした。これに酔いしれたことが、特撮沼へ足を踏み入れるきっかけだったのです。


 以降は、当時現役だった『コスモス』で後追いしつつ、昭和・平成関わらずレンタルビデオ屋にあったウルトラシリーズのビデオを片っ端から視聴。2003年の『コスモスVSジャスティス』でレジェンドに一目惚れした後、2004年の『ネクサス』のあまりの暗さに5歳児にして絶望。ただ、翌年の『マックス』は『ネクサス』の反動でドハマりしました。

 

 2007年3月。当時7歳だった自分は『メビウス』の後番組予告が無い事に落胆します。以降のTVシリーズ休止期間中の新作はもちろんチェックするものの、小学校高学年になるにつれて様々な趣味に出会い、勢いの衰えるウルトラマンへの情熱が薄れるばかり。

 

 そんな中、小学校卒業式の翌日に公開された2012年の映画『ウルトラマンサーガ』で、人生初となる【映画鑑賞中の鳥肌】を経験。中学校入学を控え、理解力が高まった状態で見た『サーガ』はウルトラマンの魅力を再度気付かせてくれた忘れられない作品となりました。

 

 そこから、『サーガ』の入場特典冊子に掲載されていた、卵がウルトラ怪獣に変形する玩具「ウルトラエッグ」に一目惚れし、人生初の玩具収集を開始。

 

 そしていつか、全ソフビと当時発売されていた大人向けフィギュア「ULTRA-ACT」シリーズを全て入手し紹介する事を夢見て、中学生ながら稚拙なブログをスタート。当初はお金が無いので、毎月1体発売される「ウルトラエッグ」のレビューが中心でした。

 

 ブログを始めた直後に『ウルトラゼロファイト』や『ウルトラマンギンガ』といったTVシリーズの新作が再開され、ウルトラシリーズの人気は再燃。それに伴って自分のブログ執筆活動にも熱が入り、15年の『X』から21年の『トリガー』まで、毎週全話の感想を書くことが出来ました。

 

 さらには『ギンガ』でソフビがリニューアルされ、それ以降発売された物はコンプリート。可動フィギュアも「ACT」から「フィギュアーツ」へと移り、そちらも全て集めました。そのコンプした2シリーズはどちらもブログで全て紹介しており、ブログを始めようと思ったキッカケ、自分の悲願も達成されました。

 

 ウルトラマンは常に自分の隣に居てくれて、バラエティ豊かな作品群を通して、自分の想像力を育んでくれただけで無く、夢や希望といったメッセージを伝えてくれました。

 

 さらにウルトラマンがキッカケで始めたブログももうすぐ10周年。稚拙な文ながらも続けてきたおかげで、大学の卒論や就職のエントリーシートなど、文章を綴る様々な場面でブログの経験を活かす事が出来ました。ウルトラマンはまさに人生を支えてくれた本当のヒーロー。今の夢は、バルタン星人のVHSをくださった方に自分のブログを見せ、お礼を伝える事です。

「驚き」と「興奮」と「少しの違和感」

―DCさんのブログは、僕たち親子の間で半ば「公式ウルトラソフビ図鑑」として活用しております。「ウルトラ玩具博士」を地で行くDCさんに今回はお話を伺っていこうと思います。よろしくお願いします!

まず最初に、特撮にハマったきっかけがウルトラマンでも怪獣でもなく「バルタン星人」とのことですが、数あるバルタン星人の中で特にお気に入りの個体はありますか?

 よろしくお願いします。

 ウルトラシリーズには、「伝説の初代」「ウルトラマンに勝てそうだった二代目」「ビルガモが可愛いJr」と様々なバルタン星人が登場してきましたが、子供心に一番響いたのは、映画『ウルトラマン 怪獣大決戦』のバルタンでした。

 こちらは1979年に公開された、初代ウルトラマンの編集映画ながら、初代バルタンとウルトラマンの戦闘シーンが新規撮影されています。

 その戦闘シーンが、先程紹介したVHSに収録されているのですが…。いかにも79年らしい、スタイルが微妙な黄色い目のウルトラマンと、映画公開の翌年に放送された『ウルトラマン80』に登場する五代目・六代目に流用される初代に全く似ていない新造のバルタン。オリジナルにまったく寄せる気が無い2人のバトルがとにかく大好きで。

 正直、今見ると違和感バリバリなのですが、子どもにはどちらも初代に見えるんですよね(笑)。

 

―なるほど、2歳の頃に衝撃を受けたあのビデオに映っていた初代ウルトラマンとバルタン星人こそが、DCさんにとってのオリジンだったというわけですね。編集映画ながら新規撮影されたバトルというのも特別感を際立たせますね。

さて、80に関して「顔が特徴的過ぎる」ということでしたが、確かに他のウルトラマンに比べるとかなり変わったマスクをしています。2歳児だったDCさんの目には率直にどう映りましたか?

 当時現役だったコスモスや、初代ウルトラマンを認知していく中で、突如として現れた80のマスクのインパクトたるや!率直な感想としては本当に【目玉焼き】だと思いました(笑)。頭部のトサカが他のウルトラマンと比べて曲線的になっていて、【うずらの卵】っぽく見えるのもそう思えた要因かもしれません。

 

―「目玉焼き」…言い得て妙かもしれません(笑)。

 子どもというのは正直なもので、幼少期に80のグッズを何一つ持っていなかったことが、当時自分が80に抱いていた感情の答えだと思います。『80』のVHSが近所のレンタルビデオ屋さんに全く無かったことも原因な気がしますが…。

 ただ、自分は肉弾戦を繰り広げてくれるバルタンが大好きだったので、80VSバルタン五代目・六代目のアクロバティックな戦いは手に汗握って見ていたのを覚えています。

 

―『80』のバルタン星人回、僕は噂でしか聞いたことがなかったのでDCさんのお話を聞いてちょっと見たくなってきましたよ(笑)。アクロバティックなバルタン星人というのは確かに一般的なイメージには無いですよね。

『ザ☆ウルトラマン』や『アンドロメロス』も直接見たことがなく勉強不足で大変申し訳ないのですが、2作品の独創的な世界観の中で、特にこの要素が独特…という例があれば教えてください。

 アンドロメロスは、2歳児の中に朧気ながらあった【ウルトラマンは赤or青×銀である】というイメージを大きく払拭する、緑×銀というそのカラーリングにとにかく痺れました。

 また、全身タイツ感がどうしても拭えないウルトラマン達とは対照的に、装甲を纏った硬質感の漂うデザインも最高に格好良くて!昨年の『ウルトラギャラクシーファイト 大いなる陰謀』でも、初登場から約40年経っているにも関わらず、全身の情報量がニュージェネのウルトラマン達に匹敵していました。何年経っても色褪せない、前衛的で格好良いデザインが2歳児の自分には強烈でしたね。

 ジョーニアスはもうどこから語るべきなのか…(笑)。

 初めて見たウルトラマンの総集編の中に、いきなり何の説明も無くアニメがぶち込まれてきた事のショックですよ。

 思い返せば、2歳児ながら「ウルトラマンってアニメもあるの!?」と驚いた事で他の作品に興味を抱き、ウルトラマンの世界にのめり込んでいったのかもしれません。【実写では無い】という事がジョーニアス、『ザ☆ウルトラマン』の何よりの魅力、何よりのインパクトでした。

 余談になりますが、ビデオの中で大活躍するジョーニアスとアンドロメロスが自分の中では特に思い出のヒーローでした。ただ、2歳で2人に出会ってから近年に至るまで、新規に撮影された2人の映像作品は無かったんですよね。

 あれから約20年経ち、先述した『大いなる陰謀』で、2人とも最高の見せ場と共に全世界同時配信作品で復活を果たしたことは、幼少期の思い出と共に心の底から嬉しい出来事でした。

 

―ジョーニアスもアンドロメロスも、王道のウルトラ戦士たちとは少し離れた位置にいるヒーローで、確かにマイナーな存在ではありますが、だからこそ幼少期のDCさんの目には特別な輝きを放つヒーローとして映ったのでしょうね。そんな「自分にとっての特別なヒーロー」が何十年の時を経て、大人になった自分の目の前にもう一度現れる…歴史の深いウルトラシリーズならではの素敵なお話を聞かせてもらいました。

ちなみに、5歳の頃にネクサスの暗さに絶望したとのことですが(僕も当時リアタイしていたので凄くよく分かる 笑)、怖かったビースト、トラウマになっているエピソードはありますか?

 『ネクサス』は暗かった、怖かったを通り越して、第1話と第2話で戦闘シーンが無かった事にとにかく【ガッカリ】しましたね。 『ネクサス』がウルトラマンにハマってから初めてのTV新作で本当に楽しみだったので…。

 一方で翌年の『マックス』は『ネクサス』に足りなかった【ウルトラマンらしさ】が詰まった作品でした。ウルトラマンに飢えていた男児を救ってくれたヒーローなので、自分が一番思い入れが深くて好きなウルトラマンは『マックス』だったりします。

 

―『ネクサス』~『マックス』への流れを高校生のときにリアルタイムで見ていた僕としては非常に貴重な意見ですね。当時のちびっ子たちと時間を越えて会話が出来るなんて嬉しいです(笑)。

特撮熱復活のきっかけとなったという『ウルトラマンサーガ』への思いについてもお聞かせください。

 自分は幼少期、ウルトラマンの主題歌が収録されたカセットテープを車の中で聞くのが大好きでした。しかし『メビウス』でTVシリーズが終了し、小学校に進級するにつれそのカセットを聞く機会が無くなっていたんですよね。

君だけを守りたい(カバー)

 そんな中、たまたま父と車に乗った際に、父が聞いていたつるの剛士さんのカバーアルバムにあの「君だけを守りたい」が収録されていました。そのカバーを聞いた瞬間、幼少期から聞き込んできた主題歌の思い出が一気に蘇り、主題歌の魅力を再度確かめるべくCDをレンタルしまくったんですよ(笑)。

 そこでウルトラマン熱がやや再燃し、間髪入れずに『サーガ』を見に行きました。当時は小学生でしたから、前情報も一切入っていなかった状態で、自分をウルトラマンに引き戻してくれた「君だけを守りたい」が最高のタイミングで流れたサプライズに身体の震えが止まらず…この瞬間、歴代ウルトラマン主題歌で1番好きな曲は「君だけを守りたい」だと確信しましたね。 

 

―『サーガ』は、ウルトラが冬の時代から徐々に上向きになる過程にあった作品ですが、何かこうそれ以前から「ウルトラの浮き沈みの歴史」とDCさんの特撮史が絶妙にリンクしているのも運命的なものを感じます。

そして、まさかDCさんの「ウルトラ・グッズ道」があのウルトラエッグから始まっていたとは驚きでした。 人生の節目に常に寄り添ってくれたヒーローとしてのウルトラマンが、DCさんにとっていかに特別な存在であるかも凄く伝わってきました。ビデオのお礼を伝える夢も、是非叶えて欲しいと思います!

それでは最後に、DCさんにとって「特撮とは?」を一言で教えてください!

 自分にとって特撮はそんなに高尚なものではなくて、幼少期からずっと自分に寄り添って来てくれたとても身近な存在です。だからこれはもう単純に「生きがい」ですね。

 バイトをしたり通学をしたり…そんな日常生活に無くてはならない、ある意味で人生の相棒とも呼べる存在です。これからも、そんな人生の相棒を生きがいにして、4月から社会人として生き抜いていこうと思います。

 

―長時間のインタビューお疲れさまでした。新しい社会人生活、頑張ってください!ありがとうございました!

話を伺って感じたこと

 一回りほど年齢の離れた方と「ウルトラマン」という作品を通して、こうしてお話をさせていただけることが僕はとても嬉しくてですね…。

 それこそ、『ネクサス』や『マックス』の時に僕は高校生でいわゆるバリバリの特撮オタク(笑)だったので、番組を見ながら「今のちびっ子たちはウルトラマンをどう見ているんだろう?」と不思議だったんです。あの時の疑問が15年以上経った今、このインタビューを通して解かれていくのはある意味快感でした。

 『ウルトラマンサーガ』にしても、本当に今とは比べ物にならないくらいコンテンツとしてのウルトラマンの存在感が薄い時代でしたからね。「大人の僕は面白かったけど…」という思いがずっと残っていたので、DCさんがつるのさんのカバー曲を通してウルトラマンに再びのめり込んでいったエピソードを聞いて10年越しにほっとしたような気分でしたよ(笑)。

 ウルトラマンと怪獣・宇宙人のバトルシーンで再編集されたビデオからどんどんウルトラにハマっていく感覚は、今放送されているクロニクル系の番組をリアルタイムで見ているちびっ子たちにも共通しているのかもしれません。

 結論、ハマるきっかけは何でもいいんですよね。黄色い目の初代マンと豚鼻のバルタンでも、初めて見る人にとってはオリジンになり得る。DCさんの体験はとても素朴なものだと思いました。

 DCさんは今年の4月から社会人になられるということで、これまでとは全く違う楽しいこと、逆に苦しいこと、色々なことに直面されていくことと思います。その中で、これからもウルトラマンがDCさんにとって「人生の伴走者」であり続けるのだろうという確信を、お話を聞きながら感じた次第です。

 

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