僕が僕であること(仮)

ウルトラマンが大好きな9歳の息子とのウルトラ備忘録です。

「ツッコミ癖」から紐解く、僕とおしゃれとウルトラマンのカンケイについて

 

 「僕も “おしゃれ的なこと” をしてもいいんだ」と気付いたのは、ほんとについ最近のことでしてね。

 

 僕の妹が、結構「おしゃれ」なんですよ。

 会うたびに、おおとりゲン(ウルトラマンレオの主人公、レオリングという指輪で変身する)がつけてそうなゴツい指輪を両手の指に何本もつけている。怪しい占い師がつけていそうなでっかいピアスも堂々と。「どう見ても邪魔やろ!」とツッコミたくなる……というか、既に本人には散々ツッコんでいます。

 これは関西人の性なのか、僕には昔から「ツッコミ癖」というがありまして。思ったことがすぐ口をついて出てしまうんです、とにかくツッコんじゃうんですよ、なんにでも。

 だからそんな妹のことを内心「おしゃれだなあ」と思っていても、実際に出てくる言葉は「いやそのでかいピアスなんやねん!邪魔やろ!」となる。これって、妹に限らず他人とコミュニケーションをとる上でとっても良くないことなんです。

 

 

 

 

分へのツッコミ

 だって、そんな他人のおしゃれにいちいちツッコミを入れてるヤツが、ちょっとペンダントだのネックレスだのを首にかけていたら、それこそ「いやお前も首に邪魔なもんつけとるやないけ!」とツッコまれてしまうこと請け合いじゃないですか。

 僕もそのことには昔から妙に自覚的で、自分が本当に着たいと思ったちょっと挑戦的な服や、身につけたいアクセサリーを見つけても、それらは敢えて避けてきました。選ぶ基準は「極力無難」。僕のツッコミ癖は自分自身にも容赦がないですよ。「他人のことをごちゃごちゃ言うとるけど、お前のセンスはどないやねん」ってね。

 

 それが最近、もうそんなツッコミ癖なんかどうでもよくなるくらい、どうしても身につけたいペンダントを見つけてしまいました。

 『シン・ウルトラマン』で、主人公の神永新二が身につけていたドッグタグを模したペンダント。

 

 こ、これは僕も首にぶら下げたい……!

 

悟を持って……

 映画を見に行った勢いで買ったドッグタグのペンダント。ちょっと勇気を出して、封を開ける前にまずは嫁さんに確認をとります。第一関門。「これ、俺が首にぶら下げたらかっこいいかな?」

 すると嫁さん。「あー、めっちゃいいんちゃう?ちょっと長過ぎるからチェーンだけ短くしたらどう?」と、おしゃれに疎い僕の背中をぐいっと押してくれる的確なセンテンスを連発してくれます。チェーン、確かにそのままだったらタグがおへその上くらいで長い感じはした。いやあ、聞いてみるもんだなあ。

 

 それから妹に会う機会があって、ちょっとドキドキしつつ、そのペンダントをあえてぶら下げて行きました。これが第二関門。

 もうね、今まで妹のやることなすことに散々ツッコミを入れてきた身としては、相当な覚悟が要りました。「いやあんだけ言うといてお前もそういうのつけるんかーい!!」って、シバかれる覚悟です。

 

 

 

 

想外の反応

 そしたら妹、僕の首元を見て、

 

「えー、なにそれー!めっちゃいいじゃーん!」

 

と、予想外過ぎる反応。

 いや、ここでも僕、「なんで急に標準語やねん」と内心ツッコんでいたんですけれども。あ、いいんだ。僕もこういうおしゃれ的なことしていいんだ。妹の変な標準語が凄く自信につながりました。

 

 まあ、言っても大好きな『シン・ウルトラマン』の関連グッズだから、っていうのが大きいんですけど。

 でも、こういうのを身に着けて街に出るとこんなに気分が上がるものなんだなあ。みんながおしゃれに気を遣う理由が少し分かった気がします。

 そして僕の「ツッコミ癖」は、時として人の成長を停滞させることも。学生時代、他人にツッコむ暇があるならもっと自分のおしゃれに気を遣っておけばよかった。

 こんな風に、僕はいろいろなことをウルトラマンを通して気付かされている。それだけウルトラマンが生活に根付いているってことなんでしょう。

 人に胸を張って話すほどのことではないけれど、ブログにならこっそり書いてもいいですよね。僕とおしゃれとウルトラマン。なかなかに奥ゆかしいカンケイです。