僕が僕であること(仮)

ウルトラマンが大好きな9歳の息子とのウルトラ備忘録です。

息子が「ソフビのタグを外さないタイプのオタク」に育っている話

 

 「このタグ、つけときたいねんけど……」

 

 この間、息子(小2)に『シン・ウルトラマン』のメフィラスのソフビを買ってあげたんです。

 映画を見たときからずっとメフィラスのソフビが欲しい欲しいと言ってて、念願だったソフビ化の一報に2人で歓喜していたので、ウルトラマンショップに寄ってすかさず「あったぞ!」って。

 

 店頭に置いてあるソフビに必ずついてあるタグ。息子はこれをすぐに外したがる。店内だろうが何処だろうがお構いなしです。買ったらその場で「これ外してや〜」と僕にお願いしてくるのがソフビ購入時の定番のやり取りになっていました。

 ソフビをぶら下げるためのプラスチック製の輪っか。これを「ブチッ!」と素手でちぎってタグを外す。本当はハサミを使って綺麗に取ってやるのがいいんですけどね。せっかちな息子のおかげでコツを掴みまして、いつの間にか「素手タグ外し」の達人になってましたよ僕。

 このメフィラスも、またタグ外してくれってすぐ言われるんだろうなあと思って、臨戦態勢で構えていたんですけどね。なんと息子、今度は「つけときたいねんけど……」ときた。あまりに意外な一言に一瞬僕のほうが固まってしまいました。どうした、何があった息子よ。

 

 

 

 

 そもそもどうして息子がソフビのタグをすぐに外したがっていたか、という話なんですけどね。それはもう、「ブンドドしたくて仕方ない」からなんですよ。

 家から持ってきたソフビと、新しく買ったソフビをその場ですぐに戦わせたい。

 戦わせることを想定したソフビ(例えば今回ならメフィラスの相手役のシン・ウルトラマン、といった風に)をわざわざセレクトしてきていますからね。ブンドドへのあくなき情熱。そして彼が繰り広げるウルトラマンと怪獣のバトルに、あのタグは邪魔でしかないわけです。タグを外して、初めてそのソフビが自分のものになる。そういう感覚なんだと思いますね。

 

 ちなみに僕も、そんなにホイホイと自分用のソフビを買っているわけではありませんが、「これは……!」というやつは一応確保するようにしていまして。『シン・ウルトラマン』関連のソフビは大体買いました。当然、メフィラスも自分用に1つ買いました。

 僕は息子みたいにブンドド遊びはしないので、ソフビのタグはあえて外さない派です。タグも含めて商品の一部という認識。あれを外しちゃうと、なんとなく物としての価値が下がるんじゃないかと思えてしまう。

 

 こんな風に壁に引っ掛けて飾ってあります。どうです、特撮オタク的になかなかおしゃれなインテリアだと思いません?

 ……で、ですね。息子が急に「タグ、つけときたい」となった理由が、実はこれなんですよね。僕の部屋にタグつきのソフビがズラリと飾ってあるのを見て、自分もあんな風にしたいと。

 いや、全然いいんですよ。パパの真似をしてみたい。だからタグを外さずに綺麗に飾っておきたいっていう。その意思を否定する気は全く無いんですけどね。

 ただ、息子に買ってあげようと思ってメフィラスのソフビを手に取ったときに、彼がこれまでと同じように無邪気にブンドド遊びをする画が僕の頭にはもう浮かんでいたものですから……。「ああ、このメフィラスではこれまでみたいに遊ばないのか」って、ちょっとおセンチな気持ちになってしまったんです。

 

 

 


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 僕としては、「息子のブンドドからしか摂取できない栄養」ってのが確実にあると思ってまして。

 今、円谷の公式YouTubeで『ウルトラソフビワールド』というソフビをテーマにしたミニドラマが配信されてますけど、僕が言いたいのはまさにこういうこと。子供に沢山遊ばれることで無機物であるソフビにも命が宿る、みたいな。

 だから息子が着々と「ソフビのタグを外さないタイプのオタク」に育っているのは、別に嫌というわけではないんだけれども、

 

「こちとら特オタ歴20年以上の筋金入りでい!わちきの真似をしようなんざ、てめえには10年早いわい!」

 

と、言いたくなる気持ちも正直ありましてですね。

 せっかく買ったんだからもっと遊べよ、と。なんなら僕だって綺麗に飾っておくよりカチャカチャやって遊びたいときもあるくらいだ。君のブンドドにはパパの思いも託されていることを忘れるでないぞ……!

 

 と、まあこんな風に息子にお説教をしたところで「パパなに言ってるん?」の一言で片付けられてしまうのは目に見えている。ここは大人しく、息子の言う通りにしておこう。早速、彼の部屋にもソフビを引っ掛けるための柵を設置する準備をしているところです。

 さあ、メフィラスの次に買うソフビの運命や如何に。タグ、外すのか、外さないのか。一緒にウルトラを楽しんでいる父親として、また「素手タグ外し」の達人としても(笑)、彼の言動から目が離せないのであります。

 ああ、息子のソフビが何度も遊ばれてボロボロになっていくのを観察するのが、僕の密かな楽しみだったんですけどねえ……。さてさて、これからどうなりますやら。