僕が僕であること(仮)

ウルトラマンが大好きな7歳の息子とのウルトラ備忘録です。

『シン・ウルトラマン』の後に見た「初代メフィラス星人」がそんなに紳士ではなかった話

 

 息子と(おそらく最後の)『シン・ウルトラマン』を見に行ってきました。

 

 『シン・ウルトラマン』を映画館で見るのは僕がもう7回目、息子も4回目でした。小学2年生にして同じ映画を映画館で4回も見るなんて特異な経験、なかなか出来ることではないでしょう。

 彼が特撮オタクの僕の息子として生まれてきたことが、果たして良かったのか悪かったのか…(笑)。

 今回は『シン・ウルトラマン』の後に、初代『ウルトラマン』の第33話、メフィラス星人が登場する「禁じられた言葉」をスクリーンで見られるという特別上映。

 テレビシリーズの作品を映画館で見られる機会は貴重ですし、何より息子が「『シン・ウルトラマン』、あと1回は絶対行くで!」と言って聞かなかったので「よし行くか!」と。

 5月13日の公開以降、『シン・ウルトラマン』のおかげで色々なメディアや場所でウルトラマン・ムーブメントを感じられたことは長年の円谷ファンとして至福の限りでした。同時に、『シン―』を通して息子と多くのコミュニケーションの機会が得られたことはこれまで記事にも書いてきた通りです。

 ありがとう、ウルトラマン―。感謝の気持ちを胸に、息子と鑑賞したメフィラス回。

 でも…あれ?紳士のイメージが強かった初代メフィラス星人、改めて見ると結構乱暴でめちゃくちゃやつだな…?!さっきまで見ていた山本耕史メフィラスと全然違うぞ…!

 

 

 

 

フィラスは常に紳士たれ

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 地球人の言語や文化への理解を深め、「あなたたちへの生活に支障はない」と前置きをしつつも「私を常に上位概念として存在させて欲しい」と日本政府に迫った『シン・ウルトラマン』のメフィラス。

 わざわざ自分の名刺を持って出現したり、ネットに出回った巨大・浅見弘子の画像や動画を一斉に削除し音声メールで謝罪をしたりと、その振る舞いはまさに「紳士」と言って差し支えなのないものでした。

 山本耕史さんの怪演も手伝い、「私の好きな言葉です / 苦手な言葉です」といった決めゼリフがネットミーム化しブームを巻き起こしたのも記憶に新しいところですよね。

 そして例の居酒屋のシーン。最後の「割り勘でいいか、ウルトラマン」は、もう何度もこの映画を見ているであろう映画館にいた人たちには既にお約束の名場面になっているようでした。

 映画館の空気が少し変わったかと思えば、山本耕史が喋る前に周りからクスクスと笑い声が聞こえてきましたもんね。息子も「例のシーンがきたで」と言わんばかりに、僕の方を見てニコッと笑っていました。

フィラスの遊戯

 『シン・ウルトラマン』以前から「紳士的な宇宙人」の代名詞的存在だったメフィラス星人。

 さぞオリジナルも、『シン―』で見せた紳士的な振る舞いを見せてくれるのだろうと思っていたら、これが意外とそうでもなくて。

 山本耕史を見た後だからでしょうか、結構短気で感情的な宇宙人だったことは驚きでした。

 物語の冒頭。フジ隊員の弟・サトルくんにテレパシーで呼びかけ、「面白いものを見せてやろう」と飛行機や船を遠隔操作し次々に爆破。子供1人を脅すためにここまでやるかというレベルですよ。これで「私は暴力が嫌いでね」ってのはさすがに無理がある。それに「驚くことはない」って、こんなもん驚かないヤツいねーよ!

 そして「地球をあげます」となかなか言ってくれないサトルくんを「聞き分けのない子だ!ほざくな!」とか言って宇宙船の別室に監禁。挙げ句の果てにとうとうキレちゃって巨大・フジ隊員に「暴れろ〜」と命令。これのどこが紳士やねん!

 

 

 

 

『ウルトラマン』の凄み

 サトルくん1人に「地球をあげます」と言わせたところで、地球人からしたら「それが?」って話もあるんですけど、まあ確かに、地球を侵略する手段として人の心を試そうという宇宙人、なかなか興味深いヤツではありました。

 それに、今から56年も前の作品に、2022年のいわば “未来人” の僕が真っ向からツッコミを入れようというのもちょっと卑怯な話です。まだ侵略宇宙人なんてものの存在自体が確立されていなかったであろう時代に、こんな風変わりな宇宙人を思いついた脚本家・金城哲夫さんの凄みは確かに感じました。

 最後にメフィラス星人がウルトラマンと対峙するシーンも、子供の頃にビデオか何かで見た記憶がずっと残っていて。

 『シン・ウルトラマン』の後に見ても全く見劣りしない、真の「正義と悪の戦い」を目の当たりにしているような緊張感にぐっと引き込まれる。映像も、映画館の大きなスクリーンで見ても、何て言うんでしょう…「がっかり感」が全然無いんですよ。ショボくない。むしろ全てが新しくてカッコいいという。

 戦う前にまず「自分の星へ帰れ」と諭すウルトラマンもいいし、メフィラスも「私が欲しいのは、地球の心だった」と一旦は負けを認める。人間には聞こえない宇宙人同士の会話。ここでも金城さんの書く台詞のセンスが光っていますね。

 

 なんだ、「昔のメフィラス、全然紳士じゃないよ!」って笑い飛ばしたかったのに、最後は結局、初代『ウルトラマン』の凄みに圧倒されている。温故知新、ですね。私の好きな言葉です。

 ちなみにメフィラス回の上映は今日までで、明日からはゼットンが登場する第39話「さらばウルトラマン」に切り替わるとのこと。『シン・ウルトラマン』上映終了まで、いよいよラストスパートといったところでしょうか。

 ゼットン回もいいんですよね。『シン・ウルトラマン』、あともう1回見に行かなくちゃなあ。