僕が僕であること(仮)

ウルトラマンが大好きな7歳の息子とのウルトラ備忘録です。

〜インターネット・ミーム。私の好きな言葉です〜「メフィラス構文」の功罪について考える

 

 「アイスクリーム。私の好きな言葉です」

 

 この間行ったひらかたパークで、どうしてもお腹が空いたと言って僕にアイスクリームをねだってきた息子の言葉。お昼ご飯の前にアイスとは……私の苦手な言葉です。

 

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 『シン・ウルトラマン』に登場した、山本耕史さん演じるメフィラスの影響力がエラいことになっていますね。

 もう、大河ドラマで山本耕史がどんな恰好をしていても、メフィラスにしか見えなくて困っています。まさかこういう形でメフィラス星人が現代に蘇るとは。改めて、ウルトラ怪獣のポテンシャルの高さを感じている次第です。

 特にこの「メフィラス構文」と呼ばれる一連の決め台詞は、その汎用性の高さからネット上で各々が自分の好きな言葉や苦手な言葉を紹介する際の一種の通過儀礼のようになりつつあります(いわゆる「ネットミーム化」というやつ)。そして、いよいよ我が息子までもが日常生活にこの構文をバンバン取り入れて「メフィラス化」している。

 世はまさに、「1億総メフィラス時代」。「ひょっとして、メフィラスの本当の侵略計画ってこういうことだったのでは?」などというひねた想像まで膨らませてしまう。なんて楽しい映画なんだ、『シン・ウルトラマン』。

 

 

 

 

本耕史=メフィラスの迫力

 語りたいポイントが満載の『シン・ウルトラマン』の中でも、斎藤工演じる神永新二=ウルトラマンと、山本耕史のメフィラスが居酒屋で酒を酌み交わすあのシーンは特に引き込まれるものがありました。今思い出すだけでも背中がゾクッとする。

 お互い、姿形は人間で言語も日本語なのに、2人の佇まいや空気感がまさに「外星人」のそれだったんですよね。

 映画を見ながら、本当に宇宙のどこかで交わされている外星人同士の会話を盗み聞きしているような、妙な背徳感を覚えてしまって。しかもそれが地球の、いかにも日本風な居酒屋で繰り広げられているというこのシュールさ。モロボシ・ダンとメトロン星人がちゃぶ台をはさんで対決したあの名シーンを思わせる迫力がありました。

 しかも最後にさらっと、「割り勘でいいか?ウルトラマン」と我々をクスッと笑わせてくれる辺り、人心の掴み方を熟知したメフィラスの賢さがにじみ出ている(しかしウルトラマンにそれは通じない)。いや、自分だけパクパク食べておいて割り勘とは?って感じなんですけど。

 「私は好きな言葉です」と対になっているのが、「私の苦手な言葉です」と、「嫌い」じゃなくて「苦手」とわざわざ表現しているのも、何となくいいなあと思うんです。

 「嫌い」というと、とても自分には受け入れられないという否定の意味合いが強くなりますよね。でもそれが「苦手」となるとそのニュアンスが少し薄まり、懐の深い人物を演出できる。メフィラス本人にそんな算段があったのかは不明ですが、少なくとも地球人より地球の言語について深く考えている外星人の言葉の選び方には、底知れぬ魅力と掴みどころのない恐怖を感じました。

「善は急げ」

 このメフィラスの魅力が、子供にまできちんと伝わっているのが『シン・ウルトラマン』という映画の凄いところで。

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 小学2年生、『シン・ウルトラマン』をたっぷり楽しんだ息子が、「私の好きな言葉です」に代表される「メフィラス構文」を日常生活のあらゆるシーンで乱発してくるようになったのです。

 最初の方は真似するのも照れくさそうにしていて、可愛げがあって良かったんですけどね。最近はもう調子に乗って、例えば学校の宿題で分からない問題があったりすると、そのページを指差してわざわざ僕の方を見ながら

 

「これは後回し。私の好きな言葉です」

 

とか言って本当に後回しにしている。おいおい、そこは「苦手な言葉」にしてくれや、と(笑)。

 

 せっかくだから、円谷プロの公式サブスク「ツブイマ」に山本耕史を呼んで、映画の中でメフィラスが口にしていた「善は急げ」や「捲土重来」といった慣用句、もしくは四字熟語について解説するミニ番組でも作ってくれたらいいのに。息子、絶対食いつくと思いますもん。小2の男子が急に「郷に入っては郷に従う」とか言い出すところ見たい。

 それか、松岡修造やなかやまきんに君がやってるような、メフィラスの好きな言葉と苦手な言葉を毎日楽しめる日めくりカレンダーなんてどうでしょう?特撮オタクにも、山本耕史オタクにも確実に刺さるヒット商品になると思うのですが…!

 これぞまさしく、善は急げ。私の好きな言葉です。