僕が僕であること(仮)

ウルトラマンが大好きな9歳の息子とのウルトラ備忘録です。

『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』は毎週僕らの期待を上回ってくる、というお話

 

 現在放送中のスーパー戦隊シリーズ第46作『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』に家族でハマっています。

 

 我が家では、僕と息子が「ウルトラシリーズ」の担当者とするならば、「スーパー戦隊シリーズ」の担当は専ら嫁さんの役割で。

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 近年では、令和の新しい価値観を投影させた『キラメイジャー』と、敵対する2つの戦隊を描いた『ルパンレンジャーVSパトレンジャー』が大ヒット。

 特に『ルパパト』へののめり込み具合は凄まじく、未だにBlu-rayBOXを引っ張り出してきて家族で鑑賞会を開いたりしています。

 僕もまさかね、子供の頃に『カクレンジャー』を見ていた頃から、遠い遠いどこか他の国のメルヘンチックなおとぎ話かと思っていた「東京ドームシティ」に、『ルパパト』きっかけで行けるとは思っていませんでしたから、そういう意味でも『ルパパト』はとても思い出深い戦隊なんですね。

 で、現行の『ドンブラザーズ』はどうなのか、というのが今日のお話。

 

 

 

 

『ドンブラザーズ』の第一印象

 ソースも無いのでどこまで踏み込んだ話をしていいのか分かりませんが、兎にも角にも現在のスーパー戦隊シリーズ、全盛期に比べると人気が下落傾向にあるというのは事実のようです。

 長寿シリーズものにおける転換期を迎える中で、東映は初期の平成仮面ライダーシリーズを手掛けた白倉プロデューサーと脚本家・井上敏樹さんの黄金コンビを起用してスーパー戦隊の立て直しを図ろうとしている。そこで誕生したのが『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』という流れですね。

 正直言うと、僕は2月に新番組の予告を見た時点で、「この『ドンブラザーズ』でスーパー戦隊が終わっちゃう未来もあるな…」くらいに感じていました。全然、魅力的に思えなかった。


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 桃太郎をモチーフにした戦隊。イヌ、サル、キジと桃太郎。その中に何故かオニもいる。ピンクが男性で、スーツではなくフルCGで描かれるメンバーもいて、レッドだけは巫に担がれて登場する…と、とにかく「意外性」を沢山盛り込んでフックにすることで「まずは見てもらおう」という作り。

 子供の頃、『ダイレンジャー』や『カクレンジャー』の正統派なヒーローっぷりが大好きだった僕のスタンスとしては、何よりもまず「意外性」をアピールしようという番組のPR方法に少し疑問を抱いてしまって。

 炎上狙いの怪しいYouTuber…とまでは言いませんが、方向性としてはそれとあまり変わらないような気がしたのです。その「意外」に果たしてきちんと意味があるのか、と。

 桃のマークが額にドンとあしらわれたドンモモタロウにしても、ヒーローとしてのストレートなかっこ良さをあえて追求しない姿勢が透けて見えてくる。いやいや、スーパー戦隊はそこを追求してナンボでしょうよという思いがどうしても拭えず、番組が始まる前から大いに落胆していました。

 嫁さんも『ドンブラザーズ』への第一印象は僕とおおむね同じだったようで、テレビで流れる予告を見ながら「今年は見ないかもね〜」と呟いていました。

 

 

 

 

井タロウという人

 しかし、いざ番組が始まると次第にその印象が変わっていきます。

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 何より、主人公・桃井タロウの浮世離れしたキャラクターと、それを演じる樋口幸平さんの「ナチュラルな変人っぷり」が素晴らしい。

 「自分の身近にいたらちょっと嫌だけど、本当に世界を守れるのはこういう人なのかもしれない」という迫力を毎週のように感じています。こんなに変なキャラクターのレッド、今まで誰も見たことがないでしょ?ただ変人というだけならどうも思わないんですけどね、桃井タロウは言うなれば「やみつきになる変人」で。

 我が家では、日曜の朝に桃井タロウがテレビに映ると自然とみんながクスクス笑い出すんです。決して馬鹿にしているとかではなく、「今日はこの人、何をしてくれるんだろう?」という純粋な興味と期待感から生まれる笑い。

 そして桃井タロウは、毎度その期待感を上回る言動を見せてくれる。僕が真に求めるスーパー戦隊像とは確かに少し違うけど、この狂気から目を離すわけにはいかないぞ、と。いつの間にか家族で「桃井タロウ中毒」みたいになっています(笑)。

 僕のお気に入りはドン4話。雉野つよしと桃井タロウの2人で、流行らないおにぎり屋を何とかする、というお話です。

 この回の桃井タロウの台詞が凄くいいんですよね。おにぎり屋の従業員を教育するシーンで飛び出した、「『あざーす』は日本語ではない」は、少なくともここ最近のスーパー戦隊シリーズの中でも断トツで好きな台詞です。なんて切れ味のいい教育の仕方なんだろう。僕も息子が「あざーす」と言い始めたら、こう言ってやりたい。

 

 それにしても、特撮では「ウルトラマン一択」の息子までこの『ドンブラザーズ』を面白がってくれるとは意外でした。さすがにロボットのおもちゃを欲しがったりはしなくなりましたが、主題歌はもう覚えたみたいです。

 なんとなく、『ドンブラザーズ』の奥ゆかしさは大人にしか理解できんだろうと思っていたんですけどね。とんでもない思い違いだったようです。

 果たして、今年は『ルパパト』のときのように「東京ドームシティ」まで足を運ぶことになるのか…嫁さんの動向にも注目しておこうと思います。