僕が僕であること(仮)

ウルトラマンが大好きな5歳の息子とのウルトラ備忘録です。

~明るく楽しい「ひらめキーング!」がささくれ立った心を癒す~『魔進戦隊キラメイジャー』のこれから

魔進戦隊キラメイジャー主題歌【通常盤】

 3月から始まったスーパー戦隊シリーズの最新作『魔進戦隊キラメイジャー』が面白いです。

 我が家では僕と息子がウルトラマン派なのに対して、『マジレンジャー』と『ルパパト』推しの嫁さんが主にスーパー戦隊担当。約1年間に渡る“ルパパトロス”からようやく復活を果たし、どことなくマジレン風味もある衣装のキラメイジャーにハマりつつあります。

 僕も、この『キラメイジャー』が今最も楽しみにしているテレビ番組と言っても過言ではありません。現在第7話まで放送が終了していますが、既に5人の主要メンバーのキャラクターには強烈な親近感を覚え始めています。

 5人それぞれに戦隊とは別の「本業」が設定されているのが大きなポイント。人気役者、名医、陸上界のスーパースター、eスポーツのトッププレイヤーが、同時に地球を守るヒーローでもある。

 主人公のキラメイレッドこと熱田充瑠(あつたじゅうる)はイラストが得意な高校生。だいたいこういう美術系の人間って、ヒーロー番組においては隅っこで時折独特な存在感を示す…みたいな役割をあてがわれることが常だったと思うのですが、今回は堂々のレッドでリーダーです。僕も、どちらかと言うと体育より美術が好きな学生だったので、なんだか自分の属性を肯定されたような気分。「こんな僕にもレッドになれる可能性あるんだ」的な(笑)。

 この「肯定」という単語が、実は『キラメイジャー』を語る上で重要なキーワード。何かと暗いニュースが多い中、キラメイジャーの明るく楽しい「ひらめキーング!」が皆のささくれ立った心を癒してくれるかも?

 

ラキラ輝くために

 まず僕が心を掴まれたのは、敵(邪面師)の出現が「本業」のリレー大会のスケジュールに被ってしまったキラメイグリーン・速水瀬奈と、充瑠のリーダーとしての葛藤を描いた第2話「リーダーの証明」。

 陸上界のトップスターである瀬奈に代役はいない。大会の出場を優先し戦闘に参加できなかった瀬奈を、「そんなことで来られなかったの?」と責めるリーダーの充瑠。「地球を守るヒーローに自己犠牲はつきもの」というある意味では当然とも思える従来の価値観に対し、ここで『キラメイジャー』は文字通り「キラメキ」をテーマに新しいヒーロー像を提示します。

「俺がもし、絵なんか描くのやめて戦えって言われたら、絶対に無理だなと思って。だから、瀬奈さんにも大切なことは貫き通して欲しいんです」

 

(『魔進戦隊キラメイジャー』第2話「リーダーの証明」より)

 充瑠は、キラメイストーンの特殊能力・代役ン(だいやくん)の力で瀬奈のレプリカを作り、本物の瀬奈にはリレー大会への出場を優先させるよう説得。キラメイジャーは「一人ひとりが輝くために支え合うから5人必要」であり、「そんな5人なら居場所がバラバラだって、いつだってチームとして一つ」なのだという考えに至ります。

 結果、リレー大会に出場してから駆けつけた本物の瀬奈の活躍もあり邪面師を倒すことに成功。「私をキラキラさせてくれてありがとね」と充瑠へ感謝を伝える瀬奈の笑顔からは、キラメイジャーがこれから新しい時代を作るヒーローになっていく大きな可能性を感じました。

ラメイジャーのメッセージ

 更に興味深かったのはその後で、例えば俳優が本業のブルーは「俺は撮影が…」とか言ってその場を離れていっちゃうんですよ。で、新たな敵が出現しても残りのメンバーでなんとか対処する。キラメイジャーとしての戦いは、あくまで「一人ひとりがキラキラ輝く」ことの上に成り立っている、というわけです。

 昨今何かと叫ばれている「働き方改革」ではないですが、一見美しく見える自己犠牲よりもまずは一人ひとりの人生の在り方を考えようという発想は凄く今っぽいですよね。

 僕が勤めている会社でも、最近になって急に「プライベートも充実させよう」的な標語が出来たりして、そういう時代になってきたんだなと感じます。キラメイジャーからのメッセージ、実は現代社会に疲れた大人にこそ刺さる内容なのかも。

 番組全体に漂う温かい空気感も見過ごせません。第7話「トレーニングを君に」は、戦闘能力の劣る充瑠を他の4人がそれぞれの得意分野でちょっとオーバー気味に鍛えていくというストーリー。こちらは2話構成になっていて次回の放送が待ち遠しいのですが、リーダーでありながら末っ子感たっぷりの充瑠の愛され具合が見ていてなんとも微笑ましかった。リーダーとしてはまだ頼りなさのある彼が、終盤にどんな表情を見せてくれるのか今から楽しみです。

るい未来へ

魔進戦隊キラメイジャー

魔進戦隊キラメイジャー

  • 大西洋平
  • サウンドトラック
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

 ちなみに普段はウルトラ派の息子も、キラメイジャーの特に歌がお気に入りのようで毎週日曜の朝はリビングが騒がしいことになっています。

じつは もっと 周りの目は気にせずに

叫び出したい 走り出したい

 オープニングテーマ、一人ひとりの未来を前向きに肯定していく歌詞が素晴らしい。これ、子供が意味も分からないまま歌っているのを聴くと何故か感動が2割増し。

 僕は30過ぎた大人なので、『キラメイジャー』の描く世界にはどうしても「今っぽさ」を感じてしまいます。自分の持つ価値観のアップデートを迫られている感覚があって。でも、5歳の息子にとっては全然そんなことはないのでしょうね。むしろこれからは、「一人ひとりがキラキラ輝くためにみんなで支え合う」ことが当たり前という価値観になっていく。決して子供騙しではなく、『キラメイジャー』は子供たちに明るい未来の可能性を示してくれている気がします。

natalie.mu

 既にワイドショー等でも大きく報道されている通り、主人公の熱田充瑠を演じる俳優の小宮璃央さんが新型コロナウイルスに感染していたことが明らかになり(現在は退院)、『キラメイジャー』の撮影は休止中とのこと。

 まずは、出演者や撮影スタッフの方々の命と健康が第一です。ここでもまた、「一人ひとりが輝くために―」という番組のメッセージがズシリと響いてきて何とも言えないのですが…。休止前に撮影したストックが尽きるのも恐らく時間の問題かと思われます。その時に、ちゃんと『キラメイジャー』が完全な形で復活できる場所を是非残しておいて欲しい。総集編や再放送でなんとか繋いでいく形になるのでしょうか。まさかこんなことになるとは…。

 先の見えない状況ではありますが、また充瑠の「ひらめキーング!」を聞ける日を願いつつ、家族で応援しています。がんばれキラメイジャー!