僕が僕であること(仮)

ウルトラマンが大好きな5歳の息子とのウルトラ備忘録です。

~最後の昭和ウルトラマン~君は『ウルトラマン80』を見たくないかい?

f:id:ryo_nf3000:20200417204237j:plain

お題「#おうち時間

 『ウルトラマンネクサス』の公式YouTube配信が終わらないうちに、今度は「ウルトラマン先生」こと『ウルトラマン80』の配信が始まりました。

www.youtube.com

 平成以降のシリーズはもちろん、昭和時代の「ウルトラ」と名のつく作品はほぼほぼ制覇している僕も、この『80』は実はまともに見たことがなくて。子供の頃から現在に至るまで見たくても見れない、どこのレンタルビデオ屋に行ってもソフトが1本も置かれていない幻のウルトラマン…それが僕にとっての『ウルトラマン80』でした。

 なので、今回の配信は毎週新作をリアルタイムで追いかけるような、実に新鮮な気分で楽しんでいます。今まで、特撮ファンの間で『80』が色々とネタにされているのは知っていても、みんなの笑いの輪の中に入っていけない歯がゆさみたいなものがずっとあって…これを機に、僕もその輪に入りたい、と(笑)。でも今のところ、結構本気で面白いです。まだ第3話ですが、主人公・矢的猛(やまとたけし)の人間臭いキャラクターに惹かれています。

 はてなブログ、今回のお題は「#おうち時間」。言われなくても基本インドアな僕と、おうちで「最後の昭和ウルトラマン」を一緒に楽しみませんか?

 

1980年のウルトラマン

 まずは作品の基本情報を簡単に説明しておきます。

 『ウルトラマン80』は、1980年の4月2日から1年間、TBS系列で放送されたウルトラシリーズの第9作。アニメ作品として復活した前作の『ザ・ウルトラマン』に続き、ファン待望の実写新作として登場したウルトラマンでした。

 『3年B組金八先生』や『熱中時代』など当時ブームを巻き起こしていた教師ドラマの影響を受け、主人公の矢的猛は中学校の教員という設定。怪獣出現の要因を人々の邪悪な心(マイナスエネルギー)とし、人と人との触れ合いをドラマの中心に置いた80年代の新しいウルトラマン…と、いったところでしょうか。

 第1話のサブタイトルがズバリ「ウルトラマン先生」ですから、この「教師がウルトラマンに変身する」という設定を当時の製作陣がいかにアピールしたかったかが窺えます。ただ、矢的猛の教師としての活動は第12話を最後に一切描かれなくなるなど、番組は度重なるテコ入れで決して順風満帆ではなかったことは周知の通り。テレビのウルトラシリーズも『80』の終了と共に中断し、次の『ティガ』が始まるまで16年もの歳月を要することとなりました。

とウルトラマン80

 正直なところ、子供の頃に怪獣図鑑に載っている80を見て、

「なんてかっこわりぃウルトラマンなんだ…」

と思ってしまったことを、僕は今でもはっきりと覚えています。教師の設定がどうのと言う前に、とさかのてっぺんの赤い部分やウルトラマンらしからぬバックル…80そのもののデザインに絶妙なパチモン臭を感じてしまい、素直にいいと思えなかったです。すみません、好きな人。

 初めに「幻のウルトラマン」などと大袈裟に書いてしまいましたが、第一印象が最悪だったので、子供の頃の僕にとっては別に幻でも全然構わなかったというか、『80』に関しては「何としても見たい」という気持ちに全くなれなかったんですね。そしてそれが今日まで続いてきた、と。

 あと、やっぱり「主人公が金八先生のウルトラマンなんてなぁ」という点。何かこう、いかにも押し付けがましい説教臭さ満点の物語が始まりそうじゃないですか。設定を聞いた時点で、受け入れることを体が拒否していたように思います。

 でも、実際に配信を見てその印象は大きく変わりました。あんなにかっこ悪い印象しか無かった80が、大人になってから見るとなかなか奥ゆかしい。への字に曲がった独特な口元、角度によってはかっこいいじゃないか。

「ウルトラマン先生」が教えてくれるもの

 何より、若き日の長谷川初範さん演じる矢的猛のキャラクターが初期の時点で割と完成されていてとても魅力的。教師という属性のせいか、これまでのウルトラシリーズにも何人かいた「若き熱血漢」としての前のめり加減により説得力が加わっているんですね。

 怪獣の攻撃から体を張って生徒たちを守るところなんか、見ていて凄く応援したくなる。理想の教師であり、理想のヒーローでもある…「平日に教師をして土日はUGM隊員とかブラック過ぎるだろw」というお馴染みのツッコミはさて置いて、少なくともドラマの部分に関しては「先生でありウルトラマンである」ことがちゃんと核となって機能しています。普通に斬新だし、面白いです。

「人のお返しを期待する愛なんて、偽物じゃないかな」

 

(『ウルトラマン80』第3話「泣くな初恋怪獣」より)

 こんなキザなセリフも、「ウルトラマン先生」のフィルターを通すと素直に響いてくる。

 怪獣を倒して人々を守ることと、生徒の心に寄り添い語り掛けること。この2つが同じベクトルで平行して描かれているのが凄くいいです。ウルトラマンに変身した姿よりも、変身する前の矢的猛の姿のほうがむしろヒロイックに見えてくるんですよね。キャラクターの魅力とセリフの力がしっかりと噛み合っていい効果をあげています。

 

 もちろんこれからの配信も凄く楽しみなのですが、途中で何の前触れもなく矢的猛が教師ではなくなったり、作風が急にコミカルになったりして作品自体は迷走していくと聞いています。

 放送から40年が経った今だからこそ、それらを既に知った状態で追いかけていく楽しみというのは確実にあると思っていて。フィルムから漂う1980年という時代の空気と、『80』が最後の昭和ウルトラマンとして何を残したのか。また新しい気付きがあれば記事にしようと思います。

 それにしても、最終回のサブタイトルが「あっ!キリンも像も氷になった!!」ですよ。締めくくる気あるのかという(笑)。最終回の配信は約1年後。今から全力でツッコむ準備をしておかねば。