
「おっ、これは『中村さん』のティガやな!俺は『中村さん』のほうが好きやな~」
ある日の息子(小5)がテレビを見ながら一言。彼の言う「中村さん」とは、平成ウルトラマンでスーツアクターを務めていた中村浩二さんのことです。
2026年――。地球から憎しみや争いごとは減り、自然は美しさを取り戻そうと……は、残念ながら全然していないですね、悲しい。今年はなんとあの『ウルトラマンティガ』の放送開始から30周年のメモリアルイヤーだそうで。
1996年をしっかりと記憶に残る状態で生きていた特撮オタクの脳内では、ティガって未だに「新しいウルトラマン」のフォルダに自動的に分類されていたりするのですが……。まあ、1996に30足したら確かに2026なので(小学生の計算)、我々がどれだけ抗おうとティガは「30年前の昔の作品」ということになるんだそうです。時の流れって怖いですね。
で、その『ウルトラマンティガ』を2014年生まれのうちの息子(小5)がツブイマで現在履修しておりますというのが今日のお話。きっかけはこのブログでもずーっと話題にしているウルトラマンカードゲーム(以下UCG)です。
UCGでは現状80以前の昭和ウルトラマン勢がまだ未参戦の状態で、一番の古参が平成ウルトラマン第1作のティガなんですね。ティガってやっぱり超人気のウルトラマンなので、カードのスペックもかなり高めに設定されています。僕も平成ウルトラマンの中ではティガが一番好きで、UCGを始めてからずっとティガを使っていますし、息子も大会でこそ別のウルトラマンを使っていますが家では「ティガやっぱ強いな~」とノリノリでティガデッキを回していたりする。

カードに描かれている美しいイラストを指差して、「これは何話のシーンなん?」と息子から質問が飛んでくることもしばしばで。「これは25話やな。キリエロイドⅡの回でティガが復活するシーンやわ」と、カードを通じた親と子のやり取りの中で自然とウルトラマンの知識を共有できる瞬間があります。これがとっても楽しくて。
「キリエロイドはただの侵略者じゃなくてな、ティガがヒーローとして人間から賞賛されているのに嫉妬して、ティガに合わせてパワータイプになったりスカイタイプになったり進化するんやで。これまでの宇宙人とは一味違うやろ~!(早口)」
と、まあこんな具合に、僕もティガは特に大好きなウルトラマンなので息子へのプレゼンに力が入るってもんで(笑)。
そんなやり取りを続けていたら、息子の口から「『ティガ』面白そうやからちゃんと見てみようかな」と嬉しい一言が。おお、父がツブイマプレミアム会員である恩恵を存分に受けるがよい……!
30年目の『ティガ』
でね、これは僕がいちいち考えなくてもいいことかもしれないんですけど、息子と一緒にティガを見るにあたってちょっとした懸念がありまして。
それは何かと言うと「ティガってちゃんと見てみると思ってたよりショボいね」とか「昔のウルトラマンってこんなもんか」みたいなマイナスな感想が出てきっちゃったら世代の人間としてちょっと嫌かもっていう部分。
息子が初めてリアルタイムで見たウルトラマンは『ジード』で、それからずっとニュージェネレーションシリーズを見続けています。先日最終回を迎えた『オメガ』も毎週欠かさず見ておりました。
ウルトラマン以外にも『チェンソーマン』や『怪獣8号』といった流行りの漫画・アニメを見たりとか、最先端のCGでバリバリ暴れるゴジラやキングコングみたいなハリウッドの特撮映画もたくさん浴びてきていて。30年前のキッズたち(あの頃の僕らのことですね)と比較して圧倒的に目が肥えているわけです。
ミニチュア特撮にせよCGにせよ、ティガの頃の技術と今のニュージェネを比べるだけでも映像のクオリティって全然違いますよね。特にCGに関しては、ウルトラマンや怪獣そのものをナチュラルにフルCGで描ける時代にちょっとまだカクカク具合も感じるガッツウイングのCGとか2026年の小学5年生にはどういう風に見えるんだろうって。1996年から30年後の未来の映像技術を知る息子が『ティガ』を見て何を感じるのだろうと。
これまでにも息子が『ティガ』を見る機会は全く無かったわけではないのですが、まだ5歳とか6歳の頃でした。今は小学5年生です。小5って言ったらなんでも生意気言いたがりなお年頃じゃないですか(実際に普段の息子はクソがつくほど生意気です)。それくらいの年齢の子供の感想って本当に正直でストレートでてらいがありません。だからこそ妙に的を得ていたりもするからまた怖い。ひょっとしたら僕の大切な『ティガ』に思いもよらぬ鋭利な言葉が飛んできやしないかという不安が少なからずあって。
君は「光」になれるか
今、1話から順番に見進めておりまして、ちょうどジョバリエの回(第28話「うたかたの…」)を見終わったところです。
僕が「1話から順番に見たほうがいいよ」とアドバイスしたら「全部で52話やろ?長いな~、別に見んでもいい回とかある?」って早速生意気な発言が飛び出したのでそこは「見るならちゃんと見ろ」と釘を刺しながらね(笑)。
レギュラン星人の回(第7話「地球に降りてきた男」)で、その辺の風車を引っこ抜いて武器にしようとする星人の挙動にはクスクス笑っておりましたが、他は特に文句も言わずに見続けています。なんならジョバリエ回の主題歌インストが流れるバトルシーンで「この演出めっちゃかっこいいな!」であったりとか、記事の冒頭でも紹介したようなタイプごとのスーツアクターの違いを楽しんだり、すっかり「オタクの味わい方」を心得ているようなのが血は争えんと言いますか……
これから控えているのが実相寺回、イーヴィルティガの登場、初代ウルトラマンの客演回、ゾイガー、ガタノゾーアと続く最終決戦ですか。僕ももうこれまでの人生で何度繰り返し見たか分からないような傑作揃いの『ティガ』を、小学5年生という物語を一番吸収できる時期に接種しようとしている息子、心底羨ましい。
懸念していた「令和の小5男子に30年前の『ティガ』がどう見えるのか問題」も、今のところは特に変な感想が出てくることもなく。むしろ怪獣好きの息子からは、
「毎週毎週新しい怪獣が出てくるし、総集編も無いしで贅沢やな~」
と、これまた「理解っている」感想がバンバン飛び出してきていて嬉しい限りだったりします。うん、この頃は怪獣ソフビも細部までちゃんと塗装されていたしな、ウルトラマンのソフビなんてわざわざ箱に入って売られていたりとか今考えたら贅沢なことがいっぱいあったんだぜ……ってこの辺の話はあんまりしないほうがいいですか(ノ∀`)
ちなみに僕はティガのスーツアクターは権藤さん派なので、フィギュアの類は息子ときれいに分け分けできそうです。
君が初めてウルトラマンを見始めた『ジード』の頃、まさか権藤ティガと中村ティガのそれぞれの魅力について語らえる日が来るとは思っていなかったぞ。これから最終回まで怒涛の展開が待っているから楽しみにしておけな。最終回まで見終えて「光」になれたら、UCGも今よりもっと楽しくなるぜ。