僕が僕であること(仮)

ウルトラマンが大好きな9歳の息子とのウルトラ備忘録です。

自称「歯医者マエストロ」の独り言

 突然ですが皆さん、虫歯になったときに行く「歯医者」って決めてますか?

 僕は5歳くらいの頃から今に至るまで虫歯が非常に多く、住む場所が変わるたびにまずしなければならないのは「通える歯医者を探すこと」だと言っても過言ではないほど。これまで通った歯医者の数は軽く10は超えるんじゃないでしょうか。相場が分からないので10という数が多いのか少ないのか、僕には何とも言えないのですが。体感ではめちゃくちゃ多いと思うので、勝手に「歯医者マエストロ」を自称しています(笑)。

 数あるお医者さんの中でも、歯医者ほど当たり外れが激しい医者ってないんじゃないかと僕は思ってます。実は、僕には今も現在進行形で毎週のように通っている歯医者がありまして。そこは何件か回ってやっと辿り着いた僕の理想に近い歯医者なのですが、何故そこがお気に入りなのか。また、「ここは外れだ!」と感じた歴代のもう二度と行かない歯医者を、僕の人生を振り返りながらまとめてみます。自分でもどうしてこのブログで歯医者について語ろうとしているのか全く不明なのですが、ここまででだいたい450文字。せっかくなので記事にします。

 

「歯」に対する情熱を患者に語らないで欲しい

 僕は気が小さいので、虫歯になってもなかなかすぐに歯医者へ足が向きません。一番厄介なのは、「『歯』に対する情熱を熱く語る歯医者」。これです。

 今の家に引っ越してきて、最初に行った歯医者がこのパターンでした。僕が求めていたのは、食べ物を噛むのが辛く感じられるほど進行してしまったある虫歯の治療。それなのにその歯医者は僕の歯を見るなり、歯磨きの回数がどうの歯磨き粉を変えたほうがいいだのと別に求めてもいない歯に関する情報を、ペラペラの冊子と共にしつこくお届けしてくれる。そういうのいらないんです。まずはこの痛い歯をどうにかして欲しい。

 もちろん歯医者の皆さまも、色々なご苦労があって開業されたのでしょう。僕の想像にも及ばない努力をされたのだと思います。でも、その情熱を患者に直接向けるのは止めて欲しい。こっちは虫歯を治してほしいだけなんです。

 この年齢になると、しつこい歯医者は待合室へ入ったときの雰囲気で分かるようになってきました。元気があって、過剰に目が輝いている歯医者さんは要注意です。頼んでもないことをいっぱいしてくれて非常にウザい。「ちゃんと歯磨きしてますか~?」とか半笑いで言われようもんなら、僕はその場を無言で出ていくかもしれないです。お金はきっちり払いますから、黙って虫歯を治して欲しい。

も忘れられないT歯科の一言

 小学校3年生の頃だったか、歯並びが絶望的に悪かった僕は、歯列矯正を勧められたことがありました。当時の僕はあまりピンと来ていませんでしたが、歯列矯正はもの凄く根気が必要な治療です。

 母親に連れられて行ったT歯科。僕が歯列矯正を始めるかどうか、院長と母親の面談を子ども用の待合ルームで眺めていました。そこで院長が僕の母親に言い放った一言が忘れられない。

「あの子に歯列矯正は無理です。あの忍耐力じゃ絶対続きませんよ」

 面談を終えた後の母親がぷりぷり怒っていたのが印象に残ってます。今でも笑い話としてたまに話すくらいで、そのたびに母親は「9歳の子どもに対してあんな言い方あるか?お前に何が分かるねん」と20年前の院長に対してキレてます。

 まあ、確かに忍耐力がない人に歯列矯正は無理でしょうし、専門家からのありがたい忠告に感謝すべきなのかもしれません。ただ、僕はこの「外れ歯医者」特有の上から目線が気に入らない。学校の先生ならまだしも、何故歯を治療することを専門としている人に僕の忍耐力の無さを言われなければならないのか。余計なお世話です。

にかく淡々と治療を

 今通っているS歯科は、僕がこれまで通った歯医者の中で最も淡々と治療を進めてくれています。変にフレンドリーな空気を作ってくることもなく、院長との無駄なやり取りもないのでストレスが少ない。僕の家の周りには歯医者が4つも5つもあるのですが、S歯科は距離的には一番遠いところ。でも居心地が悪くないので通うのも苦になりません。

 正直、僕の中で治療の良し悪しは二の次というところがあります。詰め物なんてどこでつけてもらったものでも取れるときは取れますし。ドリルのあの音と、死ぬまで鼻が受け付けないであろう歯医者の臭いはどこも一緒です。痛くしないでと言っても限界があるでしょう。僕ももう大人ですから、少しくらいの痛みは我慢します。

 歯の治療をしてもらっている最中って、自分の中にあるほんの小さなプライドまで削り取られているような気がしてしまうんですよ。言われるがままにエプロンをかけ、寝転がって、アホみたいな顔で口を大きく開ける。治療中の意思表示は「痛かったら手を挙げる」くらいしかない。屈辱的とまでは言いませんが、ふと頭の中が冷静になり、この状態が苦痛でたまらなくなってくる。だから、例え僕のくだらないプライドでも、治療以外のことで歯医者にガリガリ削られるのは御免なのです。

 これまで書いてきたことを、嫁さんに話してみました。共感してくれるかなと期待していたのですが、「アホちゃう?」とズバリ一言(笑)。僕はまだまだ子どもなのだと思います。