僕が僕であること(仮)

ウルトラマンが大好きな9歳の息子とのウルトラ備忘録です。

~気分はロックな文化人~家族と音楽とドライブについて語ってみる

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 日々の生活を改めて振り返ってみたときに、「純粋に音楽だけを楽しめる空間」って案外少なくて。

 レコード世代を鼻で笑っていた僕も、今やダウンロード世代に「えー!」とびっくりされる8cmCD世代。昔に比べると、例えば家族や友人と同じ音楽を共有する時間が本当にぐっと減ったなと感じます。それこそCD世代の僕が中学生くらいの頃は、「今日発売のアルバム、オレんちで一緒に聴かへん?」なんて言いながら、学校の帰りに友達とCDショップに寄って…みたいな光景が割と街中に溢れていました。

 今や音楽はダウンロード&ストリーミング再生の全盛時代。好きな音楽を、好きな時間に、好きな場所で…がほぼほぼ可能になった今、「音楽を聴く」という行為そのものの意味が変わってきた気がします。ゆっくり腰を落ち着けて「鑑賞」するものじゃなくなってきたというか…。

 はてなブログの特別お題。今回は「ドライブと音楽」と聞いて、これはと思いました。多分、僕が今一番音楽をじっくり楽しめているのは車を運転している時だ、と。

 

ルバムを聴こう

 車通勤するときの僕のささやかな楽しみが、好きな音楽を結構な音量でかけることです。

 正直、職場に向かう朝は憂鬱な気持ちのほうが大きいんですよ。でも、車に乗り込んで「今日は何を聴こう」と少し考える時間が、その憂鬱な気持ちを少しだけ前向きに変えてくれていて。

 iPhoneのミュージックアプリには「プレイリスト」という便利な機能もありますが、僕が最近凝っているのは「アルバムを聴き込む」こと。

 音楽を聴く手段がCDやMDからiTunesに変わった頃から、僕は「アルバムで聴く」ということをほとんどしなくなっていました。それこそ昔は、特に思い入れのあるバンドのアルバムなんかだと「曲順通りに聴かないと本当の良さは分からんでしょ」などと講釈をたれつつ、付け焼き刃の知識を恥ずかしげもなく周囲にひけらかしていたものですが。

 それって今思うと凄く「音楽を芸術として楽しんでいた」んだなと思います。シングルカットされないようなマイナーな曲が何故か自分の波長にぴたっと合ったり、曲順から何かエモーショナルなものを感じ取ったりして。あの頃は、いつも音楽から何かしらの発見をもらっていました。

 好きな曲オンリーで作るプレイリストももちろん楽しいけど、アルバム単位の音楽鑑賞は聴く側に選択の余地が無い故の緊張感があって、より「聴いている」感があります。そして誰にも邪魔されずに音楽を聴ける運転席は、まさに「聴き込む」にはうってつけの場所。僕の今の通勤時間は約1時間なので、ちょうどアルバム1枚分聴けるくらいの長さです。最近ヘビーローテーションしているのはフジファブリックの『TEENAGER』というアルバム。

TEENAGER

TEENAGER

  • 発売日: 2016/05/18
  • メディア: MP3 ダウンロード
 

 1曲目の『ペダル』で、車も僕も少しずつエンジンがかかってくる。2曲目の『記念写真』で軌道に乗る。フジファブリックの代表曲『若者のすべて』で意味ありげに黄昏れてみた後、『Sufer King』で「メメメメメリケェェェェン!」と某国をディスりつつ熱唱するのが定番コース。最後の『TEENAGER』で職場に着く頃、気分はすっかりロックな文化人です。

ライブと音楽

 やっぱり、日々仕事に追われて休日は子供と遊んで…ってしてると、音楽を聴くことに時間を費やす余裕が無くなってきます。映画や読書と違って「ながら聴き」出来てしまうからか、なんとなく優先順位が下がっていくんですね。

 だからこそ、耳が音楽だけ(もちろん安全運転が最優先ですが)に集中している状態を保てる車の中は、今の僕にとって最も「音楽を芸術として楽しめる空間」になっています。

 あと、家族で遠出するときにみんながお互いに好きな曲を持ち寄ってワイワイ聴く時間。あれも最高に楽しいですね。

 我が家では嫁さんがモーニング娘。を中心とした女性アイドル方面、息子はウルトラマンソングが大好きで、高速道路なんかに乗った日にゃ車内はなかなかカオスなことになっています。僕もおかげでモーニング娘。大好きですし、息子も僕と一緒にフジファブリックを熱唱してくれるようになりました。ウルトラマンの主題歌は家族3人で。ドライブは、みんなで好きな音楽を共有出来る貴重な機会を作ってくれています。

www.bokuboku12.net

色とセットで

 最後に、僕が子供の頃の話を少し。

 母親がある時期、車を運転するときに必ず聴いていた曲というのがあって。小松未歩さんの『願い事ひとつだけ』という曲です。

願い事ひとつだけ

願い事ひとつだけ

  • アーティスト:小松未歩
  • 出版社/メーカー: AOR
  • 発売日: 1998/01/14
  • メディア: CD
 

 当時の『名探偵コナン』のエンディングテーマだったと思うのですが、僕の母親は本来こういう日本の歌謡曲って全然聴かない人なんですよ。イギリスとかのバリバリのロックしか聴かない。それなのに、この『願い事ひとつだけ』はよく聴いていて。子供ながらに「なんでだろう?」とずっと不思議だったのをよく覚えています。というか、今も不思議なままなのですが。

 もう20年くらい前の話で、本人にしてみれば特別な意味なんて無かったのかもしれません。ただ、当時習い事か何かの送迎で母の運転する車に乗ることの多かった小学生の僕が、初めて車の窓から見る景色とセットで覚えた曲がこの『願い事ひとつだけ』なんですよね。川沿いの道で、今も息子を連れて車で通ることがあります。その度に、この曲のことを思い出すという。

 「なんで?」と母に尋ねてみても良かったんですけどね。なんか、自分の中では割と綺麗な思い出だったりするので、変な答えが返って来たら嫌だなと思って。

 そんなことを考えていると、時代と共に音楽を聴く手段は変化しても「ドライブと音楽」って切っても切れない関係でい続けるのだなと思います。“自動運転”の時代が来たら、ハンドルを握らずにますます音楽に熱中出来るかも…って、それはまだちょっと怖いか(笑)。

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by ホンダアクセス