僕が僕であること(仮)

ウルトラマンが大好きな9歳の息子とのウルトラ備忘録です。

冷蔵庫の扉を開けるとそこは… 母親が作る「薄いむぎ茶」の話

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今週のお題「好きなお茶」

 このお題を見たときに僕の頭にパッと浮かんだのが、子供の頃に毎日飲んでいた「むぎ茶」です。

 昔、母親が冷蔵庫に必ずむぎ茶をストックしてくれていたんですよ。ガラスで出来た専用のクールポットに、キンキンに冷えたむぎ茶が満タンに補充されていると、それだけでどんな夏の暑さも簡単に乗り切れるような気がしたものです。

 クールポットは確かカルピスの景品か何かで、「それゆけスコヤカーズ」と書かれたロゴがでかでかとあしらわれていた記憶が…。ネットで検索して探してみたのですが、らしい物は見つかりませんでした。実家にまだ残っているかなあ。

 うちの母親は健康志向なのか貧乏性なのか、何を作るにしても取りあえず「薄め」が基本な人でして。むぎ茶も、容器の向こうの景色が見渡せるんじゃないかってくらいに薄めに作っていました。でも僕は物心ついた頃からその薄いむぎ茶で育っていて、「むぎ茶と言えばこれくらいの薄さ」がスタンダードだったので、コンビニで初めて自分で買ったお茶とか濃すぎて飲めなかったですもんね。

 

親が作る「薄い」飲み物

 これは完全に余談なのですが、雪印が出している雪印コーヒーってあるじゃないですか。

 子供の頃から飲んでいる大好きなドリンクなんですけど、取りあえず何でも「薄く」する母親は、必ずこれを牛乳と50:50の割合で混ぜてでしか出してくれなかったんです。今思えば栄養の面とか、母親も色々考えてのことだったのでしょうが、こっちは甘くて濃いカフェオレが飲みたいのに「もうほとんど牛乳じゃんこれ」という時もあったりして、子供の僕はそれが嫌で嫌でたまらなかった。

 僕、大人になって一人暮らしをし始めた頃に最初に何をしたかって、この雪印コーヒーを牛乳と混ぜずに一気飲み!ですよ(笑)。いやぁ、あれは僕の人生で5本の指に入る贅沢な体験でした。夢にまで見た天然の雪印コーヒーがダイレクトに喉を通っていくあの爽快感。人生における一つの目標を達成したような感覚すらありました。

 そう言えば、うちのお茶があまりにも薄かったせいか、当時友達の家で飲ませてもらった色んなお茶が全然口に合わなくて困ったという記憶もありますね。

 味が濃く感じるのはもちろんのこと、同じお茶でも子供の頃はウーロン茶の苦みが耐えられなかったし、どくだみ茶は名前からして苦そうで敬遠していました(実際はそうでもないんですけど、どくだみ茶)。やっぱり何だかんだで、うちの「薄いむぎ茶」が一番だったなあ。

が家とお茶

 最近嫁さんの影響でよく飲んでいるのは「綾鷹 茶葉のあまみ」。

 通常の綾鷹に比べて凄くさっぱりとした味わいでくせも無く、「THE・誰もが美味しく飲めるお茶」という感じ。ダイエット目的もありますが、「美味しいから」という理由で積極的に手を伸ばすお茶にこれまでなかなか巡り合えていなかった僕にとって、嫁さんの味覚センスの鋭さはとてもありがたい。

 息子も昔の僕みたいに学校から帰って来たらまず冷蔵庫を開けてお茶をぐいっと一杯、がルーティン。大好きなカルピスやコーラはおやつの時間限定(嫁さんルール)なので、それ以外は自然とお茶を飲むことになります。

 もしかしたら、大人になった息子にとってはこの「茶葉のあまみ」が「本当はカルピスやコーラが飲みたかったのに仕方なく飲んでいた思い出のお茶」になってしまうのでしょうか。彼が初めての一人暮らしでカルピスの一気飲みなんかしていたら大笑いしてやろう。

の「薄いむぎ茶」をもう一度

 僕、実家には息子や嫁さんを連れてしょっちゅう帰っているんですけどね。両親は嬉しそうな顔をしつつも、僕に対しては「今日は何を漁りに来た?!」とか言って警戒を強めてきます。

 多分、家に上がるなり僕がすぐ冷蔵庫を開けるからでしょうね。残り1個のプリンを勝手に食べたり、美味しいお菓子を漁ったりも確かにしているので警戒されるのは仕方がないのですが、あの家に上がったらまず冷蔵庫を開けてしまうのはもう条件反射なんですよ。挨拶代わりみたいなものです。

 未だにちょっと、あの「それゆけスコヤカーズ」のクールポットを探している自分がいたりして。実家の冷蔵庫の扉を開けると、僕も一家の主からあの家の息子に戻っちゃうんですよねぇ。

 あぁ、こんな話をしていると今度母親に「あの『薄いむぎ茶』をまた作ってくれ」とお願いの一つでもしたくなってきました。いきなり「薄いむぎ茶」とか言っても、母親には何の話か伝わらない可能性が大いにあるのですが…(笑)。