現在放送中のウルトラシリーズ最新作、『ウルトラマンR/B(ルーブ)』。僕は息子と一緒に毎週楽しみにしているのですが、ふとAmazonプライムのレビューを覗いてみたところ、5段階評価の平均が3点でちょっとびっくり(ちなみに前作『ジード』は平均4点、前々作『オーブ』は4.5点)。
自分が好きと思ったものは誰が何と言おうと好き。これは変わりません。ただ、好きな作品について他の人たちがどう感じているのかはやはり気になるところです。『ルーブ』は僕のTwitterのタイムラインでもどちらかと言うと褒めている人のほうが多かったので、Amazonプライムに投稿されている厳しめのレビューには余計に驚かされました。今回は、第16話の放送を終えた現時点での『ルーブ』に関するまとめ記事。皆さんは今年のウルトラマン、どう感じていますか?
朝ドラ風ウルトラマン
独身時代は全く見たことのなかったNHKの朝の連続テレビ小説。僕は結婚してから嫁さんの影響で見るようになりました。結構当たり外れが激しい印象ですが、今やってる安藤サクラ主演の『まんぷく』はヒット。毎朝見るのが楽しみです。
僕の『ルーブ』に対する第一印象はズバリ、「朝ドラみたいなウルトラマン」。
朝ドラで描かれるドラマって、そんなに大きな出来事じゃない場合が多いです。それでも次の展開が気になって仕方がないのは、視聴者が登場人物へ自然に感情移入できる下地を毎回の放送の中で丁寧に積み重ねているから。舞台となる土地の方言が強調されたり、思わずクスッと笑ってしまうような遊び心のある演出を随所に見ることができます。
『ルーブ』はそんな朝ドラのテイストをウルトラマンの世界にミックスさせたような印象があります。綾香市という架空の街を舞台に、突然ウルトラマンをはじめることになった湊兄弟とその家族が繰り広げるホームドラマ。ウルトラマンや怪獣が街に現れたらもちろん一大事なわけですが、それをいい意味で大きく見せていない。だからこそ、画面の中で色々な出来事に翻弄されるカツミとイサミをとても身近に感じることができます。
最初から対怪獣専用の防衛組織が存在していたり、前作『ジード』のように「ベリアルの息子」という主人公の出生を売りにした作品もあるウルトラシリーズの中で、このナチュラルさ加減はかなり珍しいと思います。だって、第1話のロッソとブルの戦いぶりなんて2人の息が合ってなさ過ぎて全然ヒーローって感じがしなかった。でも、初めてだしそんなもんだよねと納得できてしまう独特の空気感。これは『ルーブ』ならではのものだな、と。
特撮ヒーローとしてのカタルシス
一方で、『ルーブ』に厳しいレビューがつく理由も分からないではないです。ホームドラマというコンセプトと、視聴者が特撮ヒーローを見るときに求めるカタルシスが一致していない部分がいくつか見られました。
特に最強形態でもあり番組名でもあるウルトラマンルーブの登場回『まとうは極』は、シリーズ折り返し地点の山場としては少々盛り上がりに欠けたかなと。何故2人がルーブになれたのか、その理由をもっとはっきり示すべきだったと思います。じゃないと、カツミとイサミがウルトラマンとして戦う中で成長したことにはなりませんよね。
カツミ「いいか、お前はみんなに支えられているんだ。それを忘れるな。父さんだって、お前を大学にやるのがどれだけ大変か分かるだろ。そのために俺だって…」
イサミ「進学諦めたっていうんじゃないだろうな?カツ兄は恩着せがましいんだよ。俺に夢を背負わせないでくれ」
カツミ「なんだともういっぺん言ってみろよ!」
このやり取りなんか、兄弟喧嘩としてはとてもリアリティがあっていいなと思ったのですが、2人がルーブに変身出来たことにはあまり効果的につながっていなくて凄く勿体なかった。グルジオキングもゴツい見た目の割にはそこまで強敵には見えなくて…。この辺りは、先述した「大きく見せ過ぎない」ルーブという作品の弱点なのでしょうか。
我が家のルーブな日々
我が家では、昨年の『ジード』に続いて『ルーブ』にもドハマり中。息子は放送前はブルとイサミ派だったのですが最近はロッソとカツ兄派。日替わりで行き来してます(笑)。
僕がいいなと感じるのは、『ルーブ』を見ているときの息子がよく笑っていることです。中でも愛染マコトのキャラクターはツボだったようで、愛染が妙に背筋の伸びたあの変な仕草で登場するなりテレビを指を指して「何してんねんー」とケラケラ。ロッソとブルに倒されても包帯グルグル巻きでなんとか生き残っていたり、タイムボカンシリーズに出てくる悪役のような親しみやすさで子どもに大ウケです。
カツミとイサミの父親、湊ウシオも凄くいい味を出していますね。若いキャストが多い中で、山崎銀之丞さんのメリハリのついた演技が作品のグレードを一段階押し上げています。ちなみに「うちゅ~ん」から始まったUshioMinatoブランドのTシャツシリーズ、僕と息子のお気に入りは「にゃんちゃってー」。これ、2人でよく真似しているんですよ(笑)。
ニュージェネシリーズでは定番となったコレクターズアイテム。今回のウルトラクリスタルも、DXルーブジャイロとの連動が息子のハートをがっちりと掴み着々とコレクション中です。
自室でブログを書いていると、リビングから息子の大きな声が聞こえることがあります。
「まとうは◯◯◯!しれんのしっぷ!」
多分、「まとうは風、紫電の疾風!」と言いたいんだろうなと思うのですが(笑)。ルーブジャイロを高々と掲げて変身ポーズを真似する様子はやっぱり微笑ましい。最近はドラマの中に一人で入り込んで、真剣な表情でカツミやイサミの台詞を真似しているときもあります。成長と共に、ウルトラマンへのなりきり方も多種多様になっているのが面白い。親としては、そんな息子の姿を見られるのもウルトラマンという作品の楽しみの一つです。
折り返し地点を過ぎ、いよいよラストスパートへ向かう『ウルトラマンR/B』。依然謎のままとなっているアサヒの正体、湊家の想いとそれをつなぐ物語に注目です。明るく爽やかな朝ドラ風ウルトラマンの迎える終着点とは。今後の放送がますます楽しみ。願わくば新しいおもちゃは極クリスタルでもう勘弁して欲しいのですが、果たしてどうなることやら…。
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