はてなブログ10周年特別お題「好きな◯◯10選」
せっかくなので、はてなブログ10周年企画に再び乗っかってみようと思います。
今回の特別お題は「好きな○○10選」。
色々と考えてはみたのですが、これはもうね、僕もこうして息子の陰に隠れつつブログでウルトラマンのことを散々語ってきている以上、そろそろ真正面から好きなウルトラシリーズのエピソードを発表してもいい頃かと…!(勝手にしろよという話)
昭和、平成、ニュージェネレーション…全てのウルトラシリーズのエピソードから特に好きな回を10個ピックアップしてみました。子供の頃から一児の父となった今もずっと大好きウルトラマン。途中離れた時期も含めて、僕の人生はウルトラと共にあったと言っても過言ではありません。
それでは、僕の好きなウルトラシリーズのエピソード10選。作品の内容よりも、個人的な思い出話が多くなってしまったことを最初にお詫びしておきます。
「憧れのヒーロー」としてのウルトラマン
『帰ってきたウルトラマン』第18話「ウルトラセブン参上!」
脚本:市川森一 監督:鍛治昇 特技監督:佐川和夫
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僕、子供の頃に一番見ていたウルトラマンが『帰ってきたウルトラマン』だったんですよね。
同じくウルトラシリーズが大好きの父親が大学生だった頃に当時の再放送を録画したビデオテープがあって、それをずっと見ていたんです。
『帰りマン』はとにかく怪獣がかっこ良くて。グドン、ツインテールはもちろん、アーストロン、シーゴラス、キングザウルス三世など、シンプルさの中にも個性の発揮されたキャラクターたちの宝庫でした。その中でも特に好きだったのが第18話に登場する宇宙大怪獣ベムスター。
見た目は結構かわいい奴なんですけど、MATの宇宙ステーションをお腹の口で丸飲みしてしまったり、帰りマンもウルトラブレスレットが無ければ倒せなかったという強敵ぶりが子供心に凄く強烈で。「宇宙怪獣はやっぱり違うな」と(笑)。『メビウス』以降のウルトラにも度々再登場している人気怪獣ですが、近年の着ぐるみはオリジナルのシャープさをいまひとつ再現出来ていないのが惜しいところです。
親友の仇をとろうと自らマットアロー2号で出撃する加藤隊長、主題歌をバックにマットビハイクルで戦地に向かう郷秀樹も素晴らしい。胸にV字があしらわれたMATのシンプルな隊員服は子供の頃の憧れでした。
『ウルトラセブン』第49話「史上最大の侵略(後編)」
脚本:金城哲夫 監督:満田かずほ 特技監督:高野宏一
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もはや説明不要の『ウルトラセブン』最終回。『セブン』も、父親の録画したビデオテープが擦り切れるほど何度も繰り返し見た記憶があります。
「パンドンってそんなに強いの…?」という疑問を子供心に抱きつつも、ボロボロになってでも地球のために戦い続けるセブンの姿は今も目に焼き付いています。倒されても倒されても、ファイティングポーズをとり続けるんですよセブンって。たまにボクシングの試合なんかで劣勢の選手を見ると、僕は未だに最終回のよろよろのセブンを思い出してしまいます。
ダンとアンヌの別れのシーンも、子供の頃から印象に残っていました。「アマギ隊員がピンチなんだよ!」というダンの台詞がいいですよね。地球の危機よりも仲間のピンチが先に来る辺り、子供の憧れるヒーローだなあと。
僕を「オタク」にした平成ウルトラマン
『ウルトラマンティガ』第28話「うたかたの…」
脚本・監督・特技監督:川崎郷太
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一度は卒業したウルトラマンの世界に僕が引き戻されたのは中学1年生の頃。『ウルトラマンティガ』をレンタルビデオで見始めたのがきっかけでした。
中でもこの第28話「うたかたの…」は、怪獣は何故出てくるのか、ウルトラマンはどうして人類のために戦うのか等々…ウルトラマンという作品のフォーマットそのものに挑戦状を叩きつけるようなチャレンジングな内容で、テレビ画面(テレビデオのブラウン管でしたねえ)に一気に引き込まれたことを昨日のことのように覚えています。
「中学生にもなってウルトラマンなんて…」
『ティガ』にハマりだしてから、そんな引け目を一切感じていなかったかと言えば嘘になります。でもだからこそ、この回の重厚なストーリーと川崎郷太監督のシャープな演出の数々は、そんな負の感情を抱えていた当時の僕を救ってくれた気がしていて。「これは今の僕が見たって恥ずかしくないぞ」と確かに思わせてくれるパワーがありました。
「死んじゃうとね、好きな人と会えなくなるんだよ」ほら、台詞もソラで言える。今でも年に何度かは必ず見返す大好きな回です。
『ウルトラマンティガ』第39話「拝啓ウルトラマン様」
脚本:長谷川圭一 監督・特技監督:川崎郷太
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『ティガ』に関しては好きな回が多過ぎて本当に語り尽くせないのですが、「うたかたの…」の次に好きなのがキリノマキオという超能力者が登場するこの回。
予知能力を持つ人間がウルトラマンの変身者を脅迫するという斬新なプロットに加え、そこからダイゴとレナの男女関係…とも素直に言いにくい「人間としての信頼関係」が進んでいく様がとても丁寧に描かれていて見応えがあります。「ティガが来てくれたら…」と、まるで変身を促すようにダイゴに視線を合わせるレナなど、台詞だけではなく、役者さん同士のお芝居で登場人物の微妙な情感が表現されているのも好きです。
『ティガ』のロケ地巡りでゆりかもめに乗った時には、最後列の車両でエンディングのキリノマキオの真似をしてみたかったのですが、満員でそれどころではなかったですね(笑)。
『ウルトラマンダイナ』第29話「運命の光の中で」
脚本:吉田伸 監督・特技監督:北浦嗣巳
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アスカ・シンとその父親、アスカ・カズマの話。
『ダイナ』は大人になってから見返して好きになった回が多く、この「運命の光の中で」もその内の一つです。やっぱり自分に息子が出来ると、親子の話には自然と感情移入してしまいますね。
ダイモン班長にどれだけ叱責されても、「俺は親父と勝負がしたい」と自分の信念を曲げずにプラズマ百式を乗りこなしてしまうアスカのキャラクターは本当に型破りというか、ある意味ヒーローらしからぬ部分があって今見ても新鮮です。
アスカ役のつるの剛士さんは、今でこそバラエティ番組で活躍するマルチタレントという感じですが、ラストシーンの「親父…俺、生きてるぜ」の時の表情なんかを見るともっと俳優としての出番があっても良さそうなものです。
『ウルトラマンサーガ』
脚本:長谷川圭一 監督:おかひでき 特技監督:三池敏夫
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この映画が公開された2012年は、個人的にはウルトラマン熱がかなり落ち着いていた頃でした。正直、「ダイナとアスカが出ているなら見に行くか…あまり期待はしないでおこう」くらいのテンションで。
ところが映画館で実際に作品を鑑賞した後、ウルトラ映画ではこれまでに感じたことが無かった気持ちの高ぶりがありました。「今は特撮と言えば仮面ライダーがブームだけど、これからのウルトラマンには期待していいのかも」と感じたことを思い出します。
まだ3.11の記憶が生々しく残っていたあの時期に、子供たちに未来への可能性を説得力を持って示すことはなかなか高いハードルだったと思うんですね。実際に震災の影響で製作が一時中断もされたようですし、それこそ「ウルトラマンが敵を倒して世界に平和をもたらす」というウルトラシリーズの基本的な枠組みそのものが成立しにくい空気感が当時は漂っていた気がします。
そんな中で、ウルトラマンに変身することを最初は頑なに拒んでいたタイガ・ノゾムが、自身の抱え続けてきたトラウマを克服していくプロセスには、この時代によくぞここまで踏み込んだとその志の高さに感激させられました。戦う決意を固めたタイガの表情がいいんですよ。DAIGOさんの配役はドンピシャでしたよね。
息子もこの映画が大好きで、特にディレクターズカット版のウルトラ兄弟が助太刀に来る場面は何度も繰り返し見ていました。この映画が公開された頃にはまだ生まれていなかった息子がソフビ片手に熱中する姿もまた強く印象に残っています。
父親として見る新しいウルトラ
『ウルトラマンダイナ』第20話「少年宇宙人」
脚本:太田愛 監督・特技監督:原田昌樹
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『ダイナ』の中でも屈指の名作と名高いラセスタ星人回ですが、僕がこの回に心から感動出来たのは、息子が生まれてからのことでした。
自分の中に芽生えた「父親」としての視点が、広い宇宙に飛び立とうと懸命に両手を伸ばす悟の感情をようやっと理解させたのだと思います。
初めてこの回を見た中学生のときの僕は、ラセスタ星人を通して描かれる小学生同士の別れの物語にそこまでエモーショナルなものを感じられず、「悪い回じゃないけどそんなに良いかな?」と何ともひねくれた見方をしていました。お恥ずかしい限り。
うちの息子も、保育園から小学校へ上がるタイミングで会わなくなった友達が何人かいて。
最後の登園日にお互い手紙を渡し合ったり、「学校違ってもまた遊ぼうな!」と約束もしていたようですが、まあよっぽどじゃないと会う機会は無くて。みんなそれぞれの場所で、それぞれ新しい仲間に出会います。だからむしろそれは健全なことなんですよね。人間の成長に、出会いと別れはつきものというわけです。
小さかった息子も、いよいよその「別れ」を経験する段階に来たのかと思うとやはり感慨深いものが…いやまあ、本人は至ってケロッとしているんですけどね。別れの意味を考えるなんてのはまだまだ先の話です。
悟を送り出すたっちゃんとみのっちは、悟がラセスタ星人として宇宙に帰らなければいけない意味を自分たちでちゃんと考える。考えた上で、「この街の名所だって、地球の名所に違いないからな」と自ら行動に移すあの健気さが本当にいい。
放送から20年以上が経った今、たっちゃんとみのっちは悟に会えているかなあと想像するだけで胸の奥がキュッとなります。
『ウルトラマンジード』第17話「キングの奇跡!変えるぜ!運命!!」
脚本:安達寛高 監督:坂本浩一
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「君の笑顔を取り戻す!ヒアウィーゴー」
ドンシャインが、ひとり泣いていた幼少期の朝倉リクに駆け寄る場面。キメラべロスに取り込まれたジードが復活を果たし、ロイヤルメガマスターへ奇跡の変身を遂げるまでの挿入歌・フュージョンライズ。この一連の流れがもう好き過ぎてね…。脚本の乙一さんと坂本監督には、「『ジード』という、宝石みたいな作品を届けてくれてありがとう」と心から感謝なんです。
ちょうど息子と一緒にウルトラマンを見始めた時期。リクと同じオレンジのTシャツを着て、ジードのお面を被ってなりきり遊びに興じていた息子を毎日のように見ていましたから、この回のジード復活の演出にそれはもう目頭が熱くなったものです。「これ、うちの子の話してる…」と思いましたもんね。
この年の息子へのクリスマスプレゼントが「DXキングソード」でした。息子が欲しい欲しいと言っていたのももちろんあるのですが、僕は息子がキングソードでロイヤルメガマスターになりきる姿が見たくて仕方なかった。
一度敵に敗れたウルトラマンが何かしらのエネルギーで復活を果たす展開は数あれど、このロイメガ回ほど、特撮ヒーローに一度は憧れたことのある人間の魂を直に揺さぶってくる物語って無かったと思うんですね。僕にとってニュージェネレーションシリーズが、「息子と一緒に見るウルトラマン」から「自分も本気でのめり込むウルトラマン」へと認識が変わっていくきっかけにもなりました。
小学生になった息子。『ジード』のことを「俺が子供の頃に見てたウルトラマンやろ~」とか言って、ちょっと大人ぶってくるのが可愛い。で、そんなこと言いながら、ジードの柄の肌着がまだ現役バリバリなのもまた可愛いのです(笑)。
『ウルトラマンR/B』第25話「朝日のあたる家」
脚本:中野貴雄 監督:武居正能
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なんだかんだ言いつつも嫌いになれない、むしろ見れば見るほど愛着が湧いてくる。僕にとって『ウルトラマンR/B』は、そんな複雑な感情と共にあるウルトラ作品の一つです。
代表的なエピソードとして最終回をセレクトしましたが、『R/B』に関してはシリーズを通して縦軸を意識した回が多く、特定の回というよりは全体に漂うゆるい空気感が凄く好きで。
ある日突然ウルトラマンに変身することになった湊兄弟を中心とした家族の物語。防衛チームどころか、その世界でウルトラマン以外の誰が怪獣に対処しているかもほとんど描かれず、一方ではカツミとイサミの本当に些細な兄弟間のすれ違いにスポットライトが当たったりする。今思えば、ウルトラシリーズの中でも相当な「オンリーワン」でしたよね。
最終回「朝日のあたる家」は、息子たちがウルトラマンとなって辿る未来を知ってしまった母親の必死の抵抗と、成長した湊兄弟の「未来は俺たちウルトラマンが変えてみせる」という決意が交差する家族愛のドラマでした。
地球規模の危機に対してある種独善的とも言える行動に走る、真鍋かをりさん演じるお母さんの気持ちに僕が自然と感情移入出来たのは、やっぱり自分が父親になっていたからで。地球にどんな運命が待っていようと、「あの子たちが死ぬ未来は耐えられない」という湊ミオの叫びには迫るものがありました。
多分、中学生の頃の「バリバリに尖っていた特撮オタク」だった自分に『R/B』は刺さらなかったと思うんですよね。ルーブジャイロを両手に「まとうはみず!こんぺきのうみ!」とテレビの前で叫んでいた息子と一緒だったからこそ、楽しめたのかなと思っています。思い出のウルトラマンですね。
『ウルトラマンZ』第14話「四次元狂騒曲」
脚本:吹原幸太 監督:田口清隆
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ハルキの深層心理にあった「一番行きたい場所」が、死んでしまったお父さんとの時間だったという展開。
主人公が、自分がウルトラマンであることの意味を思い悩む流れは近年のシリーズにおける鉄板ではあるのですが、そこに四次元怪獣ブルトンを絡めてハルキの親子の物語を描く構成は本当に見事としか言い様が無かったです。この回に限らず、『Z』はニュージェネの流れを汲むエンタメ性を確保しつつ、ちゃんと人間ドラマも見せてくれたシリーズという印象が強いです。
やっぱり、僕も親子の話に弱くなったなあと思いますね(笑)。
ハルキ役の平野宏周さんの「お父さんを見つめる眼差し」が凄くいいんです。幼い頃に一緒にキャッチボールをしていた河川敷で、今は亡き父親との再会を果たす…そんな普通ならあり得ないシチュエーションに、平野さんの熱演が加わることであのシーン全体にとても説得力が出ていて。
また、ハルキは「息子がついに会うことが叶わなかったニュージェネの主人公」としても記憶に残っています。『ジード』から『タイガ』までは、ひらパーのステージやウルフェス等でメインキャストの方たちとお会いできる機会があったのですが、『Z』はコロナ禍真っ只中だったためそういったイベントもほとんど無くなってしまいましたからね。
息子は未だにハルキを見ると「あ~ハルキに会いたかったなあ」と僕にボソッと呟いてくる。でも、ハルキの影響で始めた空手は、こちらもコロナの影響を受けつつしっかり頑張っています。道着姿が様になってきましたよ…!
好きなウルトラシリーズのエピソード10選、これで以上になります。
ブログを始めて以来、最多の7000文字オーバーでした。本当はもっと語りたい作品…『ネクサス』や『メビウス』も取り上げたかったのですが、僕が一番ウルトラにハマっていた時期の作品と、息子との思い出が残っているものをどうしても優先して選んでしまいました。
こうして振り返ってみると、本当に節目節目でウルトラが彩ってくれた人生だったなと感じますね。僕の人生はウルトラと共に―。この10選が、次の10年後にどう変化しているか自分でも楽しみなところです。