僕が僕であること(仮)

ウルトラマンが大好きな9歳の息子とのウルトラ備忘録です。

半世紀を超えて響く「チルソナイト」 / 『ウルトラマンブレーザー』が受け継ぐもの

今週のお題「マイ流行語」

 

 

 「チルソナイトソードはな、誕生日にばあばに買ってもらうねん!」

 

 

 早いもので、2023年ももうあと1ヶ月で終わろうとしています。

 

 12月――。我が息子(小3)にとって年に一度のお祭りの季節がやってきました。

 彼ね、誕生日なんですよ12月が。そんでもって12月はクリスマスもあるでしょ。もう何日も前から「コレは誰々に買ってもらって〜、アレは誰々に買ってもらうねん!」って、大富豪にでもなったかのように贅沢ばっかり言ってます。

 何年か前まではどさくさに紛れて誕生日とクリスマスのプレゼントを一緒くたにしたりもしてたんですけどねえ。来年から小学校も高学年になろうとしている男子にその手のごまかしはもはや通用しません。

 

toy.bandai.co.jp

 中でも、『ウルトラマンブレーザー』に登場した新しい武器「チルソナイトソード」は何が何でも手に入れたいおもちゃの一つだそうで。DXチルソナイトソードが発売されたの、確か今から2ヶ月くらい前なんですけど、それから事あるごとにずーっと言ってますもんね、チルソナイトチルソナイトって。

 で、家にある鬼滅のおもちゃの剣とか、公園で拾ってきた大きめの木の枝なんかをチルソナイトソードに見立ててブレーザーと同じポーズをとるわけです。気配を感じた僕がパッと振り返ったとき、息子は既にチルソナイトソードを構えるウルトラマンブレーザーになりきっている。

 「はいはい、チルソナイトソードやろ」とあしらうと息子、ニコッとして「そうやで、ばあば(僕の母親)に買ってもらうねん〜」と嬉しそうに笑顔。どうしてDXチルソナイトソードの担当がばあばになったのかは不明ですが、彼の中で「普段はそんなにおねだりしていないばあばに頼めば高額なおもちゃも買ってくれるはず」という男の勘でも働いているのでしょうか。

 というわけで、僕と息子の間でこの2ヶ月の間に最も流行った言葉、「チルソナイト」で間違いありません。

 

 

 

 

 それにしても『ブレーザー』、本当に毎週クオリティが高くて素晴らしいです。

 

 ここ数年で確立された「ニュージェネ」のフォーマット(インナースペース、ヴィラン枠、歴代ウルトラマンの力をお借りするアイテム等々)を意識的に縮小させ、毎回登場する怪獣や宇宙人がドラマの中心にいながら1話1話が独立して面白い、というウルトラの原点回帰を見事に実現させている。

 番組の商業的な成功が義務付けられているであろう中で、シリーズとしてとても勇気の要るスクラップアンドビルドをやってのけているなあ、という印象です。この勢いのまま最終回まで駆け抜けてほしい。

 

 

 現時点で発売済のブレーザー関連のソフビは全部買ってる……はず。

 

www.bokuboku12.net

 息子が自分のお小遣いで買ったのもありますが、ウルトラ怪獣の、しかも新規となると僕もつい財布の紐が緩んでしまい……。結構、無条件で買い与えちゃってますね。ゲバルガ、ズグガン、ザンギル、デルタンダル……個性的なブレーザー怪獣たちにはどれも「ウルトラ怪獣み」が感じられてとても良いなあと思います。そして何よりドラマの中で「怪獣現出」が一貫して「ハプニング」として描かれているのが良いですね。

 

 

 

 しかしまあ、よくよく考えてみたら、息子の憧れるチルソナイトソードの「チルソナイト」って、1965年に放送された『ウルトラQ』に登場する架空の物質の名前なんですよね。

 毎年恒例だった客演回も無くし、過去のウルトラとのつながりを可能な範囲で廃した『ブレーザー』において、番外編的にガラモンが登場した第9話「オトノホシ」をきっかけにヒーローが新たな武器を手にし、それを見た息子が、それが『ウルトラQ』由来であることも知らずにチルソナイトチルソナイト言ってる令和5年。

 一風変わった響きの「チルソナイト」という造語が半世紀も経ってこんな風に未来の子供たちに伝わっているなんて、当時『ウルトラQ』を作っていた人たちは思ってもみなかったんじゃないですか。なかなかに奥ゆかしさを感じる事象です。

 

 だから僕も、息子がDXチルソナイトソードを手にする日を密かに楽しみに待っていたりして。ウルトラシリーズの一ファンとして『ウルトラマンブレーザー』が受け継ぐ「ウルトラの魂」のようなものを、彼の遊ぶ様子を見ながら噛み締められるような気がしているのでね。

 ただまあ、『ジード』のDXキングソード以来、『タイガ』でも炎の剣があったし『鬼滅』の日輪刀もあるしで……「我が家には剣の形したおもちゃが多すぎでは?」とも思ってしまうんですけど。小3の男子が家で剣振り回してると割と本気で危険を感じるたりもしますから。家の壁に傷でもつけられたらたまらんですし。

 さあこれからチルソナイトソードを手にするであろう息子が果たしてどうなるか。それこそブレーザーのように「ルロァァァァァ!」と野性味たっぷりに暴れ出したらどうしましょうね(笑)。

 ちなみにチルソナイト、調べてみたところグラインダーによる分解も全く受け付けないほど頑丈で、その上、非常に軽い物質とのこと。ああ、家の壁はある程度覚悟しておいたほうがいいのかも。