僕が僕であること(仮)

ウルトラマンが大好きな9歳の息子とのウルトラ備忘録です。

新番組『ウルトラマンデッカー』が担う、「『シン―』以後のウルトラマン」としての役割について

 

 来月9日の放送スタートが迫っている新番組『ウルトラマンデッカー』。

 

 6月16日には、メインキャスト総出演の「新番組ウルトラマンデッカーオンライン発表会」なるものがYouTubeとツブイマで生配信されていて、ちょうど学校から帰ってきた息子と一緒に見ておりました。


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 で、発表会の率直な印象……新生GUTS-SELECTの皆さん、ちょっと初々し過ぎませんか?(笑)

 

 メインのお若い御三方がそうなのは仕方ないにしても、ムラホシ隊長役の黄川田雅哉さんまで終始どこかフワフワされていた気が……あ、いや、これは割と良い意味で、ですけど。隊員にも敬語の隊長ってどんな感じなんだろう。

 旧GUTS-SELECTの、「みんな違ってみんないい」的な強烈な個性を効かせたメンバー構成ではないっぽいのがミソ。隊員たちそれぞれに足りない部分があっても、5人が揃うことでそれがきちっと補完されるチーム感みたいなものが見られたら嬉しい。

 そして今回は、いわゆる「ヴィラン枠」に該当するキャラクターが(少なくとも現時点では)いません。この辺りも、恐らく企画の段階から防衛チームが設定されていたであろう『デッカー』が、GUTS-SELECTという組織をより緻密に描いていくという意志の表れなのでしょうか。

 

 

 

 

「TPUサーガ」の誕生

 『ウルトラマンダイナ』のエッセンスを散りばめた『デッカー』は、『ティガ』に対する『ダイナ』がそうであったように、前作『トリガー』の流れを汲むいわゆる「TPUサーガ」を引き継ぐ世界観。

 防衛チームも制服はシックにモデルチェンジされていますが、GUTS-SELECTの名は『トリガー』からそのまま受け継がれています(そしてそこに「スーパー」は付かない)。

 ナースデッセイ号やガッツファルコンといったお馴染みのライドメカも登場しつつ、『デッカー』独自の要素として、ガッツファルコンと合体可能の新型機「ガッツホーク」が地球の守りに新しく加わるとのこと。ヴィランの不在も含めて、基本設定をシンプルにまとめつつライドメカで目新しさを出していくというのは、ウルトラから防衛チームが無くなっていた時期のことを考えると隔世の感があります。


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 先行ダイジェスト動画の、格納庫の扉がゆっくり開いて出てくるナースデッセイの出撃シーンとかもなかなか良いですよねえ。やっぱりウルトラメカにはね、こうやって多少時間を取ってでもじっくりと出撃してもらいたいもんです。

載一遇のチャンス

 さて、ここで『デッカー』がこれまでのニュージェネレーションと圧倒的に異なるポイントを一つ。

 『デッカー』って実は、公開から1ヶ月以上が経っても尚熱気冷めやらぬ『シン・ウルトラマン』の後の、初めてのウルトラマンなんですよね。

 『シン・ウルトラマン』を見てウルトラシリーズそのものに興味を持ったという非特撮オタクの方、相当いたと思うんです。

 YouTubeでは『シン・ウル』きっかけで初代『ウルトラマン』を見たという人の感想動画なんかを幾つか発見しましたし、僕の嫁さんも、「庵野秀明セレクション・ウルトラマン4K特別上映」にわざわざ着いてきてくれました。普通に面白かったと言ってましたよ。前編しか上映されなかったゴモラ回の続きを家に帰ってから一緒に見たくらいです。

 なので、そういう人たちが「じゃあ今やってるウルトラマンもちょっと見てみるか」と『デッカー』に注目するケースはかなりありそうな気がしていて。

 少なくとも昨年までに比べたら、「ウルトラマン」というジャンルへの注目度は格段に高くなっていることでしょう。ウルトラシリーズのファン層を拡げる千載一遇のチャンスというわけです。

 

 

 

 

撮の「凄み」が伝わるか

 そこで「なーんだ、この程度か」と思われてしまうのか、「テレビでやってるウルトラマンも凄いじゃん!」となるのか……

 『デッカー』が担う「『シン―』以後のウルトラマン」としての役割は、それこそウルトラマンの今後を左右しかねない、かなり重要なものだと僕は思っています。

 『ティガ』をリブートした『トリガー』…個人的には結構好きでしたけど、好きの種類としてはかなり特殊な部類で、他人に胸を張っておすすめ出来るような作品では正直ありませんでした。『シン―』を経て、今度は『ダイナ』をリブートするであろう『デッカー』に、その失敗(敢えてこう表現しますが)はおそらく許されない。

 オンライン発表会の最後には、これはツブイマでの配信限定だったそうなのですが、完成したばかりの第1話をメインキャストが揃って鑑賞するパートも設けられていました。

 「1話なのに最終回みたい」と、キャストの皆さんが揃ってそんな感想を口にされていたのが凄く印象的で。文脈から想像するに、かなり豪華な特撮を見せてくれそうな予感がしています。

 もう遠慮なく、非特撮オタクの方々の度肝を抜くような映像を『デッカー』にはバンバン見せてもらいたい。特撮ならではの「凄み」は、CGよりもむしろミニチュアのほうが一般層には伝わりやすい気もしています。ドラマもなるべく、一般に広く行き渡りそうな感じになっていて欲しいですね。武居監督、頼みますよ…!

 

 ちなみに息子、オンライン発表会で僕ら視聴者には1話の映像が見られなかったことが大いに不満だったようで。一緒に配信を見ながら、

 

「こっちにも見せてや〜、ズルいわこの人ら」

 

と、テレビの前で悪態をついておりました。いや、ズルいとかじゃないから、キャストだから(笑)。

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 まあ何にせよ、今年のウルトラマンも親子共々楽しませていただきます。息子がダッシュして買ったデッカーのソフビも、活躍のときを今か今かと待っていますよ。