僕が僕であること(仮)

ウルトラマンが大好きな9歳の息子とのウルトラ備忘録です。

今こそ、YouTubeでニュージェネレーション・ウルトラマンを見よう!

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 長ーい春休み。家の中で退屈している子供たちへ!…という趣旨なのか、はたまた劇場版タイガの公開に合わせた連動企画だったのか、現在YouTubeの円谷プロ公式チャンネルではニュージェネウルトラマンの第1話~第3話を毎日順番に配信していく企画が進行中です。

 YouTubeが大好きなうちの息子。僕がTwitterでこの企画を知る前から、既に自分で『ギンガ』の第1話の動画を見つけていました。この辺りの嗅覚はさすが鋭い。

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 ニュージェネと呼ばれる現行のウルトラシリーズに関しては、ブログの中で何度も触れてきた通りです。『ジード』からハマった息子のエピソードと共に、「とにかくこの新しいウルトラマンたちを出来るだけ多くの方たちに知って欲しい、見て欲しい」の思いでキーボードを叩いてきました。YouTubeの公式チャンネルによる配信はまさにその絶好の機会。今日はいつもとは違う雰囲気でちょっとプレゼンしてみます。今こそ、YouTubeでニュージェネを見よう!

 

玉のファーストエピソード

 「ウルトラマン、何となく知ってはいるけど、まだ本気で見たことはなくて…」

 そんな方に是非おすすめしたいのが、ニュージェネ3作目『ウルトラマンX』の第1話『星空の声』です。

 ニュージェネの中でも一般的なウルトラマンのイメージに最も近い作風なのがこの『X』。一話完結型のフォーマット、防衛チームを中心とした物語など、まさに「ウルトラマンの王道」を行く作品でファンの人気もかなり高い印象です。

 『星空の声』では、こちらも「怪獣の王道」を行くフォルムの溶鉄怪獣デマーガが登場。田口清隆監督渾身の特撮演出で描かれる怪獣出現のパニックから、防衛チームのかっこいい出撃、そしてウルトラマンの降臨と、特撮ファンのツボを抑えたスピーディな展開は何度見ても素晴らしい。光線を発射する衝撃でウルトラマンの足元の道路がめくれ上がる場面や、オープンセットを活用したデマーガの煽りのカットなど、その絶妙なリアリティと巨大感はさしずめ「怪獣映画の勝利の方程式」といったところでしょうか。

 『X』がフルスイングを誘うド真ん中の直球だとしたら、視聴者の予測を見事なまでに外してくる変化球が兄弟ウルトラマンの『R/B(ルーブ)』ですね。第1話のサブタイトルは『ウルトラマンはじめます』。どうです、ツッコまずにはいられないでしょ(笑)。

 『R/B』の特徴としては、物語が常に一般人の目線で描かれていることです。第2話『兄弟の絆』では、ウルトラマンの力を得たことに対するカツミとイサミのスタンスの違いが如実に現れていて、この2人の口論はなかなかに見応えあり。防衛チームの存在しない世界におけるウルトラマンや怪獣の異物感も見ていく内に癖になってきます。

 『R/B(ルーブ)』は縦軸を意識したストーリー展開も特徴で、湊兄弟の成長ぶりと少しずつ明らかになっていく謎が見どころ。全体的にコメディタッチで重たい展開も少なく、我が家では毎週土曜日の朝に息子のケラケラ笑う顔を見て夫婦で和むのが恒例になっていました。

ルトラマン・サーガに決着を

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 『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』からスタートした、ウルトラマンゼロとウルトラマンベリアルのライバル関係を中心とした新たなるウルトラマン・サーガ。ここに一つの決着をつけたのが、ニュージェネ5作目の『ウルトラマンジード』です。

 主人公のジードは、悪のウルトラマンであるベリアルの息子という衝撃的な設定。全編を通してウルトラ初心者の方でも楽しめる作りにはなっていますが、ゼロやベリアルの歴史を少しでも頭に入れておくと物語により深みを感じられると思います。

 何を隠そう、しばらく特撮から離れていた僕が再びウルトラにハマるきっかけとなったのがこの『ジード』で。

 ウルトラマンゼロが、サラリーマンの伊賀栗レイトと一体化し地球に留まることとなった経緯が描かれた第3話の『サラリーマンゼロ』。もしかしたら、僕はニュージェネ全体の中でもこの回がベストかもしれません。市街地で戦うゼロの圧倒的なかっこ良さ、レイトを演じる小澤雄太さんのキレキレのアクションとその後のお芝居のギャップがもう抜群で。キャラクターの魅力に一気に引き込まれていったのを今でも覚えています。ちなみにこの第3話は来週の火曜日(24日)に配信予定。おすすめです。

 『ジード』に関しては、小説家の乙一さん(クレジットの名義は安達寛高)がメインで脚本を書かれていることもあり、独特の心地いい台詞回しや各種設定から溢れるSF色も魅力ですね。

知なる世界へ

 ウルトラファンの間で度々繰り広げられる「防衛チームあるなし論争」。

 ニュージェネ4作目の『ウルトラマンオーブ』には、「ビートル隊」という防衛チームが一応は登場するものの、基本的に物語を動かすのは怪奇現象追跡サイトを運営するサムシングサーチピープル・通称「SSP」の3人でした。

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 第1話『夕陽の風来坊』では、風の魔王獣マガバッサーの襲来とウルトラマンオーブの出現をSSPの3人が臨場感たっぷりに伝えてくれます。ウルトラシリーズの原点である『ウルトラQ』を思わせる人物構成と「怪奇現象を扱うサイトの運営」といういかにも今風な要素がミックスされ、視聴者をアンバランスゾーンへ誘う案内役としての機能を見事に果たしていました。

 防衛チームを中心としないウルトラシリーズの在り方、ウルトラマンのパワーアップ回をどこに配置するかといったシリーズ構成、敵側のドラマにも重点を置く基本スタンスなど、『タイガ』まで続くニュージェネの基礎を作ったのが『オーブ』だったように思います。

 そして、忘れてはならないのがニュージェネレーションの始まりである『ウルトラマンギンガ』です。

 今でこそこうして「ニュージェネ」という括りでファンにも認知されていますが、『ギンガ』が始まった頃はそれこそ来年もウルトラマンをテレビで見られるかどうかは全く分からない状況でした。それを知っているから余計に、『ウルトラギャラクシーファイト』でニュージェネのリーダーとしてチームをまとめるギンガの姿にはつい目頭が熱くなってしまって。

 ウルトラシリーズを取り巻く状況や時代の変化の中で、人間が怪獣にも変身できる「ウルトライブ」の設定を導入したことは大きな発明だったと思います。既に名の知れた歴代の怪獣たちに新たな性格が加わることで、ウルトラマンや怪獣を再び「未知なるもの」として定義し直すことに成功していました。

 続く『ギンガS』では、2人目のヒーロー・ウルトラマンビクトリーが登場。目に見えて豪華になったミニチュアセットで躍動するウルトラマンの姿に、ウルトラシリーズの完全復活を印象付けられたファンも多かったのではないでしょうか。

人たちからのメッセージ

 僕の場合、ニュージェネはほとんど息子と一緒に見ているので、どうしても「息子が喜ぶかどうか」で印象が大きく変わってきます。僕自身は「いまひとつかな」と思った回でも、隣で息子が大喜びしているのを見て「いい話だったな」と感想が変わったりして(笑)。

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 現在、劇場版の公開が延期になっている『タイガ』は特にその傾向が強く、「子供に見せるもの」という視点で見たときに、今の時代にこれほど明確なメッセージを打ち出せる子供番組はなかなか無いという結論に至ります。

 おもちゃを沢山売らなきゃいけない、視聴率や再生回数を沢山稼がなきゃいけない…そういったいわゆる“大人の事情”をかいくぐって、大人が本気で子供たちにメッセージを伝えようとする。僕がニュージェネでウルトラマンにハマり直したのは、そういう大人たちの必死さを無意識のうちに作品から感じ取っていたからなのだと思います。

 YouTubeのニュージェネ配信、第1話~第3話とは言わずに傑作選みたいな形で今後もどんどんやって欲しい。やっぱり今の時代、まず知ってもらうことが何よりも大事だと思うので。「なんか知ってる怪獣出てる!」とか「このジャグラーとかいうやつ変じゃね?」とか、きっかけは何でもいい。入口にさえ立ってもらえたら…と。

 僕も一ファンとして、こんな小さなブログではありますが「面白いよー」とじゃんじゃん宣伝して、少しでも力になっていけたらと思います。がんばれ、ウルトラマン!