僕が僕であること(仮)

ウルトラマンが大好きな9歳の息子とのウルトラ備忘録です。

~ウルトラの寂しさはウルトラで埋めよう~親子で楽しむウルトラギャラクシーファイト

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 今日、息子と行く予定だった劇場版タイガの先行上映会が中止になってしまい、このまま何もアクションを起こさずにダラダラ休日を過ごすのは嫌だ…。そう思って、半ば勢いで『ウルトラギャラクシーファイト ニュージェネレーションヒーローズ』のBlu-Rayをポチってしまいました。勢いと言いつつ、ちゃっかり価格はチケットの払い戻し分と同じくらいなんですけど(笑)。

 YouTube配信による完全新作として製作されたこの作品。

 「ニュージェネクライマックス」と謳われている劇場版タイガより一足早く、ギンガからのニュージェネ勢(と、ゼロ)が勢ぞろいする豪華版で、配信時には1回5分程度で区切られていたものがこのBlu-rayでは未公開シーンも加わりつつぶっ通しで見ることが出来ます。本編だけで約58分ですから、それこそ近年のウルトラ映画と変わらないボリューム感。

 一緒に見ていた息子の喜び方を見ていると、イベント中止の寂しさも少しは紛れたのかなと思います。ウルトラでの寂しい思いは、やはり同じウルトラで埋めないとね。

 

本演出、ここにあり

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 ほぼ全編に渡ってウルトラマンと怪獣のバトルシーンで構成されている『ウルトラファイト』シリーズの中でも、アクション畑の坂本浩一監督がメガホンを取った作品に親子で魅了されていることは以前の記事にも書きました。

 今回の『ギャラクシーファイト』はその決定版とも言える内容。グリーンバックを活用した拡がりのある画作りと、巨大特撮には一見不向きにも思えるワイヤーアクションを大胆に取り入れた迫力のバトルシーンは、「これ、坂本監督だ!」と映像を一目見ただけでも分かってしまうほどに超個性的です。

 坂本監督が凄いのは恐らく製作予算もそこまで高くはない中で、完成した作品からは「安っぽさ」をほとんど感じさせないところ。

 撮影技術の進歩に関しては、特典映像のインタビューでも監督本人の口から語られています。宇宙を舞台にした広大な物語のスケールに映像の迫力が全く負けていないのは、『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説』でウルトラにある種の革命を起こした坂本浩一監督がこれまで培ってきたノウハウの蓄積があってこそなのでしょうね。

 実際、「これどうやって撮ったの?」と首をかしげてしまうようなシーンが結構多いんですよ。特撮オタクとしては、メイキングを見ながらその謎解きをするのがまた楽しくて。

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 『ギャラファイ』ではオープンセットを使った煽りのカットを所々に挟み、ウルトラマンや怪獣の巨大感を損なわないような工夫もなされています。まさに「坂本演出、ここにあり!」という感じで、1時間弱の中に数えきれないほど見どころが詰まっている、そんな印象を受けました。

ルトラマン復活の道程

 M78星雲・光の国にニュージェネレーションの面々が揃う場面は、長年のウルトラファンにしてみるとまさに歴史的な瞬間を見ているようで「やっとこれが出来るようになったんだ」という感動がありました。

 相変わらずマイペースでのほほんとしているロッソとブル、初めて目にした光の国の景色に驚くジードなど、それぞれのキャラクター設定もちゃんと踏まえた上で自然なリアクションが描かれているのがファンには嬉しいポイント。ディレクターズカット版では更に踏み込んだ描写も追加されていて、「さすが坂本監督、こういうところは絶対外さないよなあ」と、ソフビ片手に画面を見つめる息子の横で僕がふむふむ頷いてしまいました。

 それと、これまでニュージェネ勢の師匠的存在として度々登場してきたゼロが起点となりクライマックスへなだれ込むラストの展開。これも熱かった。

 改めて振り返ると、ロッソとブルとグリージョ以外のウルトラマンは皆何かしらの形でゼロとの関わりがあったんですね。2009年のゼロの初登場から『ギンガ』のスタート、そしてニュージェネレーションズへ。近年のウルトラの歴史をリアルタイムで追いかけてきた者としては、次世代のウルトラマンたちがゼロとの絆を再確認し奮起するという展開が現実世界におけるウルトラマン復活の道程と重なって感じられ、物語のテンションと自分のテンションの上がり具合が自然とシンクロしていくのが分かりました。ニュージェネの歴史は、同時にゼロの歴史でもある、と。

 そして始まる息子のギャラクシーファイト(笑)。

 まあでも、坂本演出のウルトラマンのバトルシーンを1時間も見ていたらそりゃソフビ触りたくなります。僕も本当はソフビを両手に持ちながら見たかったくらいで。

 もう、今日は特別。いつもみたいにお片付けなんかせず、一緒にソフビでギャラクシーファイトやろうぜ!