僕が僕であること(仮)

ウルトラマンが大好きな9歳の息子とのウルトラ備忘録です。

「ウルトラマン好き」を周りにあえて言わない息子(小3)の生き方が推せる

 

 

 息子(小3)の夏休みの宿題に「夏休み新聞」なるものがありまして。

 

 

 平たく言うと、今年の夏休みの思い出を写真やらイラストやらを交えて新聞風にまとめよ、という宿題。

 僕も小学生の頃に何回かやりました、こういうの。僕は絵を描くのが好きだったので結構張り切って取り組んでいた記憶がありますね。で、先生に提出したら教室の後ろとかにクラス全員分のがバーっと貼り出される。普段は全然喋ったりしないクラスメイトの女の子から「○○くん、絵めっちゃ上手やなあ」なーんて言われるのが嬉しくってねえ。えーっとすいません、僕の淡い思い出話です忘れてください。

 

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 今年の息子の夏休み。こちらの記事にも書いたように、僕と東京へ “ウルトラ遠征” した思い出はもちろん、親戚と京都へ行ったり海に泳ぎに行ったり、新聞の一面をでかでかと飾れそうなネタが盛り沢山でした。

 さてさて、小学3年生の息子の夏休み新聞、一体どんな内容になりますやら。

 

 

 

 

 夏休みも終盤の頃。嫁さんから「○○が夏休み新聞で使うから東京遠征のときの写真送ってくれへん?」とのLINE。

 僕が当然の如くウルサマや『シン・ウルトラマン』の聖地を巡礼したときの写真を大量に送ると、しかし嫁さんからは「あ、いやウルトラマンとかじゃない写真無いかな……?」という返信が。

 一瞬「ん?」と思ったんですけどね。つまりは、教室なんかに貼り出されて友達の目に留まる夏休み新聞に、息子はウルトラマンのことを書きたくないと。嫁さんによると彼は「なんか色々言われるの嫌やから」と言っていたらしい。

 ああ、そうだよなあ、もう言ってもそういう年頃だよなあ。小学3年生にもなると「ウルトラマン好き」を学校で公言するのはそれなりにリスクがある。僕もはっきりとしたことは覚えていないけど、息子の言う「なんか色々」が嫌で、自分の意思とは別のところでウルトラマン、いつの間にか卒業しちゃってたのかもしれない。

 

 普段はそういう素振りを全く見せない息子にも子供なりの「生きにくさ」を感じる瞬間が確かにあるのかと思うと、僕も彼と一緒にウルトラマンを見ていることに若干の後ろめたさを感じなくもないです。そういう「生きにくさ」が、息子のこれからの人生に変な横たわり方をするのだけはやっぱり親としては避けてほしいのでね。

 でも息子、家ではまだまだウルトラマン大好きです。特に今年の『ブレーザー』は大当たりで、我が家のリビングはもう毎日のようにニジカガチのソフビとDXアースガロンの主戦場。毎週繰り広げられる怪獣スペクタクルにすっかり心奪われている。

 小学3年生なんて、僕たち大人よりもずっと狭いコミュニティの中で生きてるわけで、「生きにくさ」なんて簡単に言っちゃいましたけど、子供にとっては相当に重たい問題だと思うんですよ。

 その中で、「なんか色々言われる」ことをきっかけに自分の好きを嫌いにしない彼は立派だよなあ、と。「ウルトラマン好き」を周りにあえて言わずに、でも好きなものは好きでい続ける。嫁さんとも今回のことを色々話しながら最終的には「あの子の生き方、推せる」という結論に自然と行き着きました。

 

 完成した息子の夏休み新聞には、一番目に海へ泳ぎに行ったこと、二番目に僕と東京スカイツリーに行ったことが書いてありました。その紙面を見て、彼も少しずつ大人に近づいてるなと思いましたね。「よそ行き」というものを覚え始めている。

 いやでもね、可笑しかったのはスカイツリーに行ったときの写真なんですよ。

 だって写真の彼、思いっきりウルトラマンゼロのキャップを被ってるんですもん(笑)。これ見る人が見たらフツーに気がつくやつ!いやー、まだまだ子供やねえ。かわいい息子です。