僕が僕であること(仮)

ウルトラマンが大好きな9歳の息子とのウルトラ備忘録です。

息子、「DXテラフェイザー」のために頑張るがんばる。

 

「俺らがさ、子供んときにロボットが落っこちてきたことあったじゃん?えーっと、キングジョーだっけ……うわもうあのニュースのとき超ワクワクしたもん!」

 

(『ウルトラマンデッカー』第11話「機神出撃」より)

 

 GUTS-SELECTに新しく配備されたAIロボット、テラフェイザーを見て子供みたいに胸をワクワクさせる主人公のカナタくん。『デッカー』は、こうやって視聴者の気持ちをキャラクターに代弁させるのが毎回上手いなあと思います。ちゃんと『トリガー』の頃の事件を絡めているのもいい。

 テラフェイザー。『ウルトラマンダイナ』に思い入れのある人間にとって、この姿形をしたロボットが味方として登場するというのは単純に込み上げてくるものがある。熱い。もう十中八九、なんやかんやトラブルが起きてデッカーと対決しちゃったりするんでしょうが……!それでも、いやだからこそ熱い。変形する最強ロボットは男のロマン。

 そしてまた、そのロマンに魅入られた男がひとり。そう、ウルトラマン大好き、うちの息子(小2)です。

 

 

 

 

ルトラマンショップの罠

 例によって例の如く、息子と一緒に梅田のウルトラマンショップへ出かけたときのこと。

 店の入り口にドドンとディスプレイされたウルトラマンデッカー特設コーナー。そこに陳列してあった「光る!鳴る!DXテラフェイザー」に息子の目も当然光る。「あっ!今日テレビで見たばっかりのテラフェイザーがもうおもちゃになってるやん!」そう言わんばかりにタタッと走ってパッケージを持ち上げ、僕の方をプッと向いて一言。

 

「ねえ!これ欲しい~!!」

 

 あちゃ~、僕も全然リサーチしていなかった。カナタや、いつもクールなあのリュウモン隊員までもがニッコニコで見守っていたあのかっちょいいテラフェイザー、既に発売日を迎えていたのか。迂闊だった。こんな日に何故ホイホイとウルトラマンショップに息子を連れてきてしまったんだ……!

「デカブツ」を掴み取れ

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 我が家では現在息子にはお小遣い制を適用しておりまして、毎日のお風呂掃除を中心に、とにかく彼が家のお手伝いをしてくれたら、その都度お小遣いを渡すようにしています。

 渡す額はお手伝いの出来栄えや内容によってまちまちですが、息子はまあ僕が小2の頃に比べたら本当によく家のお手伝いをしてくれている。時々彼の財布をこっそり覗くと、僕も驚くくらいのそこそこの金額が入っていたりするんですよ。

 

 しかし、これはある意味仕方がないことなのかもしれませんが、やっぱりどうしても「ちょっと貯めては使う」を繰り返してしまうところがあって。

 ウルトラマンや怪獣のソフビ、アーケードゲームのポケモンメザスタ、おまけ付きのお菓子等々……。何千円もするような大きな目標を一度は設定するものの、結局目先の誘惑に負けてしまうんですね。僕も子供の頃そうだったし、気持ちは十分わかるんですけれども。やっぱり親としては、せっかくこんなにお手伝いを頑張ってくれているんだから、少額のお小遣いをちょっとずつ貯めて、普段なら絶対買えないようなデカブツを自分の手で掴み取る。そういう経験をしてほしいなあと思うんです。

 

 

 

 

んばる息子

 ウルトラマンショップで「DXテラフェイザー」を見つけた息子。こちらが首を横に振る気配を感じ取ったのか、僕が何も言ってないのにうるうる涙目で何かを訴えかけてくる。

 そりゃあ僕も特撮オタクの端くれとしては、ここで「よーし、今日は特別に買ってやろう!」と親子2人で意気揚々とテラフェイザーをレジに持っていきたい。この間の活躍、一緒にテレビで見てたもんなあ。早く遊びたいよな。

 しかしここは心を鬼にして、息子の要求を突っぱねました。ショップから少し離れたところに2人で座り込んで説得タイム。

 

「今、○○はおうちのお手伝いめっちゃ頑張ってくれてるやろ?それをちゃんと続けて、自分でお小遣い貯めて、テラフェイザー買えるまで貯めたらええねん。お手伝いちゃんとしてくれたら、パパもお小遣いは絶対渡すから。な?」

「……絶対?」

「うん、絶対や。だから泣くな。頼りにしてるんやから、頑張れ!な!」

 

……と、まあこんな感じでその場はなんとか収めました。

 

 それから少し経って、息子とお散歩がてら近所のスーパーへ買い物に行ったんです。そしたらね、帰りの荷物を「俺が持つわ!」って言い出したんですよ彼。それも大きいジュースが2本入った重~いやつ。大人の僕でも持って帰るのキツいのに、大丈夫?

 序盤。エコバッグのひもを肩にかけて余裕の表情。「こんなん軽い軽い!いけるいける!」と自信満々でスタスタ歩く。お、いいぞ、その調子だ。

 中盤。早くもバッグの重さに耐えかねて持ち方がおかしなことに(笑)。「気合で持って帰んねん」と言うがなかなか前に進まない。というか、絶対その持ち方のほうが重いだろ。

 前に進むのもままならず、その場でふらふら~っと(笑)。酔拳みたいになってました。

 結局そのままなんとか気合で家に辿り着き、今日のお手伝いはひとつ完了。あんまりキツかったのか、息子は「お小遣いちょうだ~い」みたいなこともなんにも言ってこず、しばらくリビングで大の字になってゼェゼェ言っておりました。その時の写真、取り損ねちゃってましたよ。くっそー。

 でも、元々はおもちゃのためのお手伝いだったのに、最後のほうは「気合でやるぞ!」って、純粋に目の前のことをがんばる気持ちになれてたのは偉かったぞ。その意気だ。

 

 彼が自分のお小遣いで「DXテラフェイザー」を買える日は、この調子だとそう遠くはなさそうです。何より、こっちが頼んでもいないお手伝いを自分から率先してやろうとしてくれたことには、我が息子ながら感心いたしました。「わざわざこんな重たい荷物の日に言わんでも……」とは思ったんですけどね(笑)。いやいや、よくがんばりました。

 このまま目先の誘惑に負けず、目標にしているデカブツに手が届くといいのですが。次はどんなお手伝いをがんばってくれるんだろう。今日も息子の声を、ドキドキしながら待っている自分がいます。