30代前半で「ガンプラデビュー」って、やっぱりちょっと遅いですかね…?
僕、どういう訳かこれまで、『ガンダム』というコンテンツに全く触れてこなかった人生だったんです。
特にロボットアニメが苦手というわけでもなく、大学時代には『パトレイバー』にどっぷりハマった時期もあったくらいなのに、日本のロボットアニメの代表的存在とも言えるガンダムシリーズは無意識のうちにすり抜けてしまっていて。
僕の天邪鬼な性格では、そのあまりにもメジャー過ぎるタイトルが受け付けなかったのかもしれません。「別にわざわざ僕がハマる必要も無いか…」的な。本当に、なんてひねくれ者なんだと我が事ながら。
最近Twitterに実装された「スペース」という機能で、今まではタイムライン上の文章でしかやり取りの無かった方たちとスマホ越しにお話させて頂くことが増えまして。そこで多くの方たちにおすすめして頂いたのが『機動戦士ガンダム00(ダブルオー)』でした。
「あらゆる創作の中で『ガンダム00』が一番好きかも」とまで語っていらした虎賀れんとさんの猛プッシュもあり、ちょうどNETFLIXで配信中だったこともあって見始めたのですが…いやはや、見事にハマってしまいました。まさに今、失われた青春時代を取り戻すかのように熱中しています。
(れんとさんのブログ、ウルトラシリーズを中心にボリュームたっぷりの濃厚な語りで読み応えのある記事がたくさん。是非ご一読を!)
僕が「ガンプラ」に触れるまで
『ダブルオー』、まだファーストシーズンを見終えただけなのですが、初心者の僕が勝手に想像していたガンダムのイメージをいい意味で覆す物語がとても刺激的でした。
特に、主人公の刹那・F・セイエイと彼が搭乗するガンダムエクシア。刹那の声優がウルトラマンゼロと同じ宮野真守さんということもあって、今や僕の中では完全に「推し」と言える存在になっています。
正直、見始めた頃はエクシア、キュリオス、ヴァーチェといった各ガンダムの違いが判別出来ず、アニメ的に気合の入った戦闘シーンを見てもあまり気持ちを乗せづらい部分があったんですけどね。後半に近付くにつれて、クールだった刹那の感情が爆発するシーンが増え、「俺が、ガンダムだ」の名台詞と共にエクシアのかっこ良さに気付かされた、という感じです。
ガンプラは、ガンダム音痴だった僕も以前から「いつか一個は作らなきゃな」とずっと思っていて。
でも、肝心の作品を見ていなかった上に、ガンダムの種類ってほぼ無数にあるじゃないですか。息子と行った玩具屋でガンプラコーナーを眺めることは何度もあったのですが、果たしてどのガンダムを買うのがベストなのか決めかねていた部分がありました。
それが、実際に作品を見て、多少なりともガンダムの区別が出来るようになるとこんなに景色が変わるものかと。息子とトリガーダークのソフビを買いに行ったJoshinのガンプラコーナー。エクシアのかっこいいパッケージは、僕の目にすぐ飛び込んで来ました。
悪戦苦闘の末に…
記念すべき“人生初のガンプラ”は、1/144スケールのリアルグレードシリーズ「GUNDAM EXIA」。
プラモ作りに関しては以前にもこんな記事を書いている通り、ドがつく素人の僕。
グリッドマンのミニプラも相当苦戦した記憶があるのですが、やはりガンプラの難易度はもう一段階上のレベルでした。「これ、途中で飽きて投げちゃうんじゃないか俺…」と、パッケージを開けた瞬間は正直楽しみよりも不安な気持ちの方が大きかったです。
この片足を組み立てるのに約2時間(笑)。
でも不思議なもので、説明書をめくっていく内に段々僕の知っているガンダムに近付いていくのが分かると、時間を忘れて組立に没頭してしまう。途中で飽きるどころか、ゾーンに入ったマラソンランナーの如く手が動く、動く!
そして悪戦苦闘の末に…
完成!俺のガンダム!かっけぇーぞ、おい!!
何も手を加えない素組みの状態でこのかっこ良さ。現代のプラモデルの技術は凄いです。本当はスミ入れとかしたかったのですが、失敗すると怖いので今回はここまで。
ファーストガンダムに曲線的なラインを加えて現代風にリファインしたエクシアのデザインは、ウルトラマンで例えるならティガにも通ずる美しさを感じますね。シンプルなフォルムも気に入りました。
組立終わった後のこの達成感。これがガンプラの魅力というわけか…!
父とガンプラ
実を言いますと、このガンプラを組み立てた日はずっと息子と一緒にいまして。
「一緒に遊ぼうぜ」と前の日の夜から約束していたのに僕もまさか完成までに6~7時間もかかるとは思っておらず、彼には悪いことをしました。
せっかくの親子揃っての休日にガンプラに熱中する父と、その横で退屈そうな息子。…あれ、この感じは僕も身に覚えがあるぞ。そうだ、僕も子供の頃、そうだった。
もっとも、僕の父親は筋金入りのファーストガンダム世代。ガンプラに関しては自分で塗装をしたりジオラマを作ったり、かなり本格的に取り組んでいました。父親はプラモ作りに熱中し始めるとまさしくゾーンに入ってしまい、子供の僕としてそれはもちろん退屈ではあったんですけどね。ただ、その時の父の背中がどこか男らしくかっこ良かった、という記憶もはっきりと残っています。
ガンプラは、普段家では寝転がってテレビを見ていることの多かった父親の何かに取り組む真剣な表情が見られる、僕にとってはほとんど唯一の時間だったのかもしれません。で、父親の組み立てたガンダムやゲルググがまた抜群にかっこいいんだな。
僕が必死にエクシアを組み立てている間、時々こっちに来て「出来た~?」と進捗状況を確認する息子。一つ、また一つとパーツが出来上がる度に「うわー!パパ凄いなあ」とこっちが照れてしまうくらいの嬉しい反応を何度もしてくれて。僕も図に乗って「凄いやろ~」って。足一本に2時間もかけておいて何を言うかという話ですが(笑)。
30代前半にしてガンプラデビューを果たした僕が出した一つの結論。
ガンプラを組み立てる親父はかっこいい―。
好きなプラモデルを作って、息子にも尊敬される。僕の父親がしていたことを今度は僕が…と考えると、やはりもう少し組み立てるのに慣れないといけませんね。そしていずれは、僕が息子にガンプラ作りを教えたいなあ、なんて。
あの頃の父親も、今の僕と同じようなことを考えていたのでしょうか。直接訊くのは少し照れくさいので、今度どうしたらそんなにかっこいいガンプラが作れるのか、その秘訣を教えてもらうとしよう。親孝行…と言うほどのことではありませんが、僕もまだ「父を追いかける息子」としての時間が欲しかったりしますから。