僕が僕であること(仮)

ウルトラマンが大好きな9歳の息子とのウルトラ備忘録です。

~思い出は山吹色~ 令和によみがえったガッツウイング1号を語る。

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 ウルトラマントリガー第9話『あの日の翼』を見ました。

 第1話から登場しているセミレギュラーのシズマ・ミツクニ会長が、実はかつてウルトラマンティガのいた別次元の地球からやってきた人物であることがようやく明らかになりましたね。トリガー世界とティガ世界のつながりがここで明確となり、今後の物語により一層期待を持たせる内容になっていました。

 サブタイトルにもある通り、ミツクニ会長がTPCの情報局員だった30年前に搭乗していた「あの日の翼」。ガッツウイング1号の山吹色の機体が隠しドッグの中に格納されているシーンには、隣で一緒に見ていた息子のことも忘れてティガ好きの僕が一人で感激してしまいました。

 ティガファンにとって、また平成に入ってからのウルトラマンシリーズを愛好する者にとって、新生ウルトラメカの第1号機であるガッツウイングにはやはり特別な思いがあって。しかもあれ、ティガの時と同じようにちゃんとミニチュアを使って撮影されていましたよね。

 もはや実写と見間違うようなクオリティのスーパーフルCGで颯爽と飛び回る「ファルコンちゃん」もいいんですけどね。今日は、「やっぱり俺ら世代にとってさ、ウルトラメカはミニチュアじゃねぇとな…」ということで、老害に片足突っ込んだ一ウルトラファンの独り言を書き残しておこうと思います。

 

ンダーバードの記憶

 僕を特撮の世界に引きずり込んだルーツとなった作品についてこのブログでは色々と語ってきたのですが、『サンダーバード』については全く触れずに来ていました。

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 子供の頃、大好きだったんですよサンダーバード。

 初代ウルトラマンとほぼ同時期にイギリスで制作された人形劇による特撮番組で、あの円谷英二が、『ウルトラセブン』や『マイティジャック』のメカニック描写を撮影するにあたって「『サンダーバード』に追いつけ」と当時のスタッフに号令をかけたというのは有名な話。

 今見返しても、『サンダーバード』におけるメカニックの実在感・重量感は全く色褪せていません。僕は子供の頃、テレビに映るサンダーバードが作り物だとは全く信じられませんでしたから。外国では本当に、どこかの島のプールがスライドしてその下からシルバーとブルーのロケットが飛び立っているものだと…。

 「ちゃっちゃららー♪」とあの有名なBGMを口ずさみながら、公園の滑り台で2号への搭乗シーンを再現したりもしました。劇中のサンダーバードがあまりにもかっこ良いので、人形劇の人形まで本物の人間に見えていましたもんね。これを母親に話すと未だに大笑いされるのですが…ほんと、失礼しちゃうわ(笑)。

色じゃなくて「山吹色」

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 で、どうしてここで『サンダーバード』なのかと言うとですね、僕の一番のお気に入りがサンダーバード4号なんです。この4号、ガッツウイング1号に少し似ていませんか?

 サンダバード4号は潜水艇で、戦闘機としての役割を持つ1号や2号に比べるとその活躍を見られる機会はあまり多くなかったのですが、この山吹色のボディとコンパクトなフォルムが何とも愛らしくて。たまに出てくると大喜びしていた記憶があります。

 黄色じゃないんですよ、山吹色。この濃いイエローは子供心に凄く特別感があったんです。ほら、昔、お金持ちの家の子とかが36色の色鉛筆を学校に持って来たりしていたでしょ。山吹色なんて特殊な色の色鉛筆はそこにしか入っていませんでしたから。僕が持っていた12色の色鉛筆セットでは、あの山吹色がどうしても再現出来なかったというわけです。

 ガッツウイング1号も、黄色は黄色でも山吹色に近い濃いめのカラーリングのボディが特徴的で、初めて見たときに「あ、サンダーバード4号に似てる!」と、子供の頃の記憶が呼び起こされて嬉しくなったことを覚えています。

ルトラメカが主役になる時間

 トリガー第9話では、それこそサンダーバードやウルトラホークを彷彿とさせるような発進シークエンスを、昔と同じミニチュアという手法を使ってガッツウイング1号でたっぷりと見せてくれました。

 意外と『ティガ』本編でも、ガッツウイングのちゃんとした発進シークエンスって無いんですよ。メカ好きにとって『ティガ』で唯一残念だったポイントです。だから余計に、長年のウルトラファンとして今回のメカ演出には凄く充実感がありました。

 ウルトラホークやマットアローの魅力は、「あのかっこいい発進シークエンスがあってこそ」という部分が僕には昔からあって。

 サンダーバードは元々メカニックが主役ですが、ウルトラのライドメカはウルトラマンと怪獣のバトルが始まってしまうとどうしても主役にはなりきれない。ドラマを一旦止めてまで描かれるあの発進シークエンス、「せめて発進する時くらいは…」と空想のメカニックをその時間だけ主役のステージへ引き上げてくれるある種のボーナスタイムなんですよね。

 岩山が2つに分かれて出現した滑走路からガッツウイング1号の山吹色の機体が飛び立つところなんて、もう最高としか言い様が無かったですよ。日常の風景から突如として非日常が顔を出す瞬間。テレビの前で息子と「おぉー!!」って叫んじゃいましたもんね。

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 実際に撮影で使用されたプロップを、「これがあのシーンの!」という興奮と共にウルフェス等のイベントで間近で見ることが出来るのもミニチュアという撮影手法の大きな魅力の一つ。「あの日の翼」は、やっぱりこの目で確かめてこそ。実物を目の前にすることで、自分の中にある思い出が「体験」へと昇華するあの瞬間がたまらないんです。

 

 他にも、ガーゴルゴンの攻撃で傷ついた片翼を湖の水しぶきを利用して消火するトリッキーな場面や、ミツクニ会長が遠隔操作用のゴーグルをかなぐり捨てて「あの日の翼」に命を吹き込む一連の流れ、主題歌「Trigger」がかかるタイミングもばっちりで、本当にいいものを見せてもらいました。

 この9話でテンションが最高潮に上がっていただけに、次の10話の出来には色々と言いたいことがあり過ぎるのですが…気持ち良く終わりたいのでまた次の機会にしておきます(笑)。