僕が僕であること(仮)

ウルトラマンが大好きな9歳の息子とのウルトラ備忘録です。

遠征先の名古屋で「スズキンブレル」に心を奪われた

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 先月の終わり、GWの初日にナゴヤドームへ行ってきました。

 目的はもちろん大好きな阪神タイガースの応援。いわゆる「遠征」というやつです。社会人になって、球場へ行く回数自体は学生時代に比べると減りましたが、年に数回、虎仲間で集まって行く遠征はたまらなく楽しい。僕の阪神タイガースとプロ野球への思いはこちらのエントリーでも書いています。よろしければ。

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 試合は惜しくもタイガースが敗れ、実はここ何年か続いている遠征連敗記録がまた伸びてしまいました。普通なら肩を落として球場を後にするところなのですが、今回は久しぶりに新しい発見がありまして。お疲れ気味の虎仲間の中で僕ひとりだけがウキウキ気分だったという(笑)。

 その発見とは、今年から中日ドラゴンズの守護神を務める鈴木博志というピッチャー。タイガースにとっては敵なんですけど、見ていてこんなに面白いピッチャーがいるのかと一瞬で心奪われてしまったのです。

 

ロ野球選手のルーティーン

 プロ野球には、試合中に見せる独特のルーティーンを持っている選手がいます。一番有名なのは、今年引退したイチロー選手の打席でバットを立てる仕草ですかね。広島カープからアメリカのロサンゼルス・ドジャースへ移籍した前田健太投手の「マエケン体操」なんてのもありました。

 野球って、こうしたルーティーンも含めて打つフォームや投げるフォームが選手によって全然違うところが魅力的で。特にプロ野球は、その日の結果が選手たちの今後の人生を左右する厳しい世界。綱渡りのような緊張感の漂うグラウンドで、選手たちが自分という存在を誇示するかのように独特の仕草を見せる様は本当に画になります。

 ドラゴンズの鈴木博志投手は、2018年の入団で今年がプロ2年目のシーズン。2年目で抑え投手を任されるくらいですから、相当な実力の持ち主であることが想像できます。そしてその鈴木投手が投球のたびに見せるルーティーンが実に独特で面白い。

の名は「スズキンブレル」

 まずはこちらの動画をご覧ください。

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 投球動作に入る前、キャッチャーのサインを覗き込むときのルーティーン。両肘を上げたこのポーズ、ベースボールの本場アメリカでは「スパイダーアーム」と呼ばれています。

 僕はこのスパイダーアームを初めて見て、鈴木投手には申し訳ないですけど声を出して笑ってしまいました。だって、このポーズが野球のプレーにどういう影響があるのか全然分からないし、第一そんなにかっこいいポーズでもない。ぶっちゃけ最初は「何してんの?」って思ったんです。

 調べてみると、このポーズはメジャーリーグ屈指の抑え投手、クレイグ・キンブレルのオリジナルであることが分かりました。

 鈴木投手のスパイダーアームはキンブレルへの憧れから来ていて、阿波野コーチの「そんなに憧れてるならいっそのこと真似しちゃえば?」という助言を受けて今年から始めたものなんだとか。いやー、なんてファンキーなエピソードなんだろう。プロ野球選手のメジャーへの憧れと言えば、同じ背番号をつけたがるとかはよく聞きますけど(ちなみに鈴木投手もキンブレルと同じ背番号46)、ルーティーンをそのまま完コピなんてあまり聞いたことがない。

 既に名古屋のドラゴンズファンの間では、「スズキンブレル」の愛称が定着しつつあるそうですよ。やってることが完コピなだけに、こちらのネーミングも捻りようがないという(笑)。

「真似をする」という発想の根本

 僕も思わず笑ってしまいましたが冷静に考えると、生きるか死ぬかの勝負をしているプロ野球の場で、憧れの選手の真似を取り入れるって勇気あるなと思います。僕もバッティングセンターで好きな選手の真似したりしますけど、少なくとも発想の根本はそれと変わらないわけですから。

 野球はメンタルのスポーツとも言われていて、鈴木投手のように憧れの選手の真似をすることで自信がつき実力以上のものが出せたりする側面があるのかもしれませんね。

 もう誰に何を言われようと、鈴木投手にはキンブレルの真似を続けて欲しい。こういう一見無意味なことに神経を注いでいる選手が僕はたまらなく好きなんですよ。周りから理解されないような斜め上のこだわりが、唯一無二の選手を形作る。タイガースファンですけど、「スズキンブレル」を見るために球場へ行きたいくらいですよ。

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 ちなみに本家のほうのキンブレルは、スパイダーアームがあまりにも独特なポーズなために敵地のファンから茶化される感じで真似されまくっているとか。アメリカ人のこういう楽しみ方、めちゃくちゃ好きです。僕も一緒にやってみたい(笑)。ひょっとしたら今年のうちに、日本の球場でも同じような光景が見られたりして。