僕が僕であること(仮)

ジードとルーブが大好きな4歳の息子とのウルトラ備忘録です。

てれびくんのDVDを見ながら考える『ルパパト』の現在地

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 小学館が発行している児童向けのテレビ雑誌『てれびくん』にて発売されたルパパトDVD『ガールフレンズアーミー』。

 届いた商品を見て「あれ、こんなの頼んだっけ?」と僕が呆気に取られていたら、ちょうど帰ってきた妻が「あー!やっと届いた」と喜んでおりました。あんたかいな、と(笑)。今回は、長年『マジレンジャー』推しだった妻のハートをがっちりと掴んだ『ルパパト』についてです。

 一応ご存知でない方のために。『ルパパト』とは、スーパー戦隊シリーズの42作目にして最新作『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』の略称です。2つの戦隊が主人公として描かれるのはTVシリーズ史上初。怪盗と警察という、敵対する立場の戦隊が見せるドラマと、ポイントポイントで描かれるW戦隊の熱い共闘が見どころ。

 

見事なキャラクター造形

 昨年2月の番組開始時から特撮ファンの間で比較的好評だった『ルパパト』。特にパトレン1号・朝加圭一郎を中心に両戦隊の個性的なキャラクター造形が見事で、いつものスーパー戦隊のお約束をなぞるだけではないトリッキーな展開の数々には何度も驚かされました。また、戦隊シリーズ恒例の追加戦士は怪盗と警察両方に変身できる能力を持ち、時には両戦隊の潤滑油として、時には物語を引っ掻き回す謎の戦士として独特な立ち位置を維持しています。彼らが関わり合うたびに起こる化学反応もまた、ルパパトの大きな魅力となっています。

 しかし、番組も中盤に差し掛かろうとしていた頃。ルパパトの、特にパトレン関連の玩具の売上不振が伝えられると物語上でも強化アイテムが明らかにルパン側に偏るなど、テコ入れと思われる動きに開始当初の盛り上がりがややトーンダウンしてしまった感があります。

 この手の特撮ヒーロー番組にとって、関連玩具の売り上げというのは死活問題。過去にも、そういったいわゆる大人の事情で作品の内容が大きく変更された例は決して少なくありませんし、そういった路線変更によって結果的に視聴率や売り上げが上向き、番組の存続に繋がったことだって珍しくないのです。最終回に向けてラストスパートをかけようとしている『ルパパト』が、これからどういった展開を見せてくれるのか。特撮の中でも特にスーパー戦隊を応援している人たちにとっては最大の関心事ではないでしょうか。

関わり合いを描くドラマ

 で、てれびくんから届いたDVD『ガールフレンズアーミー』の感想です。

 15分程度のミニドラマで、登場するのは怪盗と警察の女性メンバーとゲストの女の子のみ。僕はてれびくんから発売されているDVDを買うのは初めてなのですが、過去の戦隊でもこんな思い切った内容のDVDを出したりしていたのでしょうか。それくらい、視聴ターゲットを絞りに絞った内容という印象を受けました。

 元モー娘。のくどぅーこと工藤遥さんが演じる早見初美花を推している妻と、つかさ先輩を猛烈に推している(笑)僕にとっては、なかなか満足度の高い作品でした。ストーリーは、国際警察に学級新聞の取材でやってきた少女・優の大切にしていたぬいぐるみがギャングラーに奪われてしまい、困ったつかさに初美花が協力を申し出るが…というもの。夏に公開された劇場版では、魁利と圭一郎のレッド同士のコンビが物語の肝になっていましたが、今回はそのヒロイン版といった趣です。

 警察官としての使命と、敵対する怪盗の協力を受けなければ事態を解決できないもどかしさの間で葛藤するつかさ。そんなつかさに自分の正体を明かせない中で、何とか協力する方法を探る初美花。たった15分で、立場の違う2人の極めて正しい関わり合い方がしっかりと描かれておりTVシリーズと変わらぬ安定感でした。そして大して可愛くもないぬいぐるみにほっぺたすりすりしちゃう相変わらずのつかさ先輩、ギャップ萌えがヤバいです(笑)。

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 また、このDVDには劇中に登場する2人の書いた手紙が特典として封入されています。この特典お目当てに購入した方も多いのでは。DVDを見た後、この手紙がそのまま思い出の品になる。ファン心理をくすぐる上手いやり方です。

複雑な構図が誤解を生む?

  さて。僕と妻と息子の家族3人で見たこのDVD。先述した通り僕と妻は大満足だったのですが、息子には不満どころか「面白くない」とはっきり言い放たれてしまいました。

 そもそもこのDVD、『ルパパト』の本来のターゲットである子ども、特に男の子に対しては作られていない。レッドやグリーンといった他の男性メンバーも一切出て来ず、とにかくこのヒロイン2人が好きな人向け、ぶっちゃけて言うと大きなお友達に向けた作品と言えます。付録が2人の字で書かれた手紙という点からもそのことが分かるかと。

 別にそこを批判しようというわけではありません。むしろ正しい判断だったとすら思います。個性的なキャラクター同士の関わり合いから生まれる化学反応を楽しむ『ルパパト』の魅力を更に引き出すことに成功していますから。問題は、その化学反応を果たして子どもが楽しめるのかということ。

 「怪盗と警察、君はどっちを応援する?」

TVシリーズのOPで毎回入るナレーション。番組開始当初は、この問いかけに「ルパンレンジャー!」と大きな声で答えていた息子が、最近は『ルパパト』を見ながらこんなことを言うようになりました。

「パトレンジャーはルパンレンジャー怒るから嫌い!」

息子のこの一言を聞いて、僕は寂しいと同時になるほどなと妙に納得させられてしまいました。大人の視聴者には面白い化学反応だと感じるW戦隊の絡みが、息子にとってはパトレンジャーがルパンレンジャーを邪魔しているように見える。ヒーローが悪者を倒すという従来の構図から脱却したことが、子どもに(少なくとも僕の息子には)誤解を生じさせる結果になっていました。

 パトレンの玩具が売れていない原因ってひょっとしてこの辺りにあるのかも、と。もちろん、玩具が売れればそれがいい作品だと断言できるわけでもないですし、あくまで作品の人気度を示すひとつの物差しでしかないのですが。

 恐らくこれから最終回までに、パトレンジャーの3人がルパンレンジャーの正体を知り、ギャングラーのラスボスとの戦いの中でまた新しいドラマが生まれるのだろうと思います。僕は番組の一ファンとして今後の『ルパパト』を楽しみにしていますが、同時に父親として、息子のパトレンジャーへの誤解が解かれるような展開を期待しています。

 

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