僕が僕であること(仮)

ウルトラマンが大好きな9歳の息子とのウルトラ備忘録です。

東京タワーを『シン・ウルトラマン』と同じアングルで撮る自分がおそらく不審者だった話

 

 ここで一句。 「東京は 行きたい場所が 多すぎる」

 

 一泊二日、家族3人で東京旅行に行ってきました。

 「旅行は計画を立てているときが一番楽しい」なんてことをよく言いますが、特撮オタクの僕にとって、しかも行き先が東京となるとそれは全く当てはまらない。楽しいどころか苦しいくらい。それは何故か。行きたい場所が、あまりにも多すぎるから。

 怪獣が破壊した建造物、ある名シーンの舞台となった場所。東京にはそういった特撮のロケ地、いわゆる「聖地」が山ほど存在します。

 この間の『シン・ウルトラマン』でも、随分とたくさんの「聖地」が生まれました。

 例えば、巨大・浅見弘子が登場した丸の内のビル街。

 映画を見たときから「死ぬまでに一回はここに行くぞ」と決意させられた場所です。今回の旅行では残念ながら時間的な制約もあって諦めましたが。嫁さんと息子(小2)、3人で行っても、楽しいの多分僕だけですしね。

 

 

 

 

京タワーを「あのアングル」で

 

 そこで考えたのは、東京タワーなら家族3人で行っても楽しめるんじゃないかと。

 

 東京タワーで『シン・ウルトラマン』と言えば、こちらの公式ツイートにも貼ってある、上空のゼットンをタワー越しに見上げるカットが凄く印象に残っていて。

 これも映画館で、「僕もいつか同じアングルで東京タワーを撮るぞ」と意気込んでしまったやつです。

 嫁さんに本来の目的を言うと笑われそうなので、「あえてスカイツリーじゃなくて東京タワーに行ってみるっていうのはどう?」と、さり気なく、いかにもそれっぽく提案。するとこれが案外するっと通りましてね。「最近行ってないから行ってみたい!」と、嫁さんもむしろ前向きな感じで。しめしめ、と。

 

 赤羽橋駅を降りて、どんどん近づいてくる赤い東京タワー。うん、まだまだ東京のシンボルとしての輝きを失っていない。

 『シン・ウルトラマン』公式アカウントの画像を確認しつつ、できれば寸分違わぬアングルで写真を撮りたいという野望を胸にタワーに到着。さあ、撮るぞ!

西からやってきた不審者

 しかし,普通にしゃがんで撮るだけでは、やはりあのアングルは完全には再現できません。

 タワーの真下に潜り込む。寝転がる、まではいかずとも、肘をついたりスマホを出来るだけ地面に近い位置まで下げたりして、なんとか煽って撮れる体勢を試行錯誤する。

 劇中と全く同じアングルというのは、やっぱりなかなか難しい。スマホを傾ける、顔を傾ける、体をできる限り反らしてみる。その場でやれることはだいたいやりました。

 1枚撮って、本物と比較してはまた撮り直し……を繰り返しているうちに15〜20分くらいはゆうに経過していましたかね。

 気付いたときには、嫁さんも息子もちょっと離れたベンチに腰掛けて完全に他人のフリ。呆れ果てた嫁さんの声がこっちにまで聞こえてくるようでした、あはは。

 

 東京タワーの下の広場には、「恐怖の小便小僧」という水が四方八方に流れる噴水が設置されていて、そこに何人かのお子さんとご婦人方が集まっていらっしゃいました。

 『シン・ウル』のアングルを再現しようと東京タワーの真下で体をくねくねさせていた僕は、さぞかし冷たい視線を浴びていたことでしょう。

 戻ってきたときの嫁さとん息子の表情を見ても、その辺はまあ、察して知るべしと言ったところで。

 はっきり言って不審者だったと思います、僕。クスクス笑ってる高校生くらいの女の子もいましたし。

 

 

 

 

撮のDNA

 でも、でもですよ。

 特撮でもアニメでも、いわゆる「聖地」を目の前にしたときの感情の高ぶりってあるじゃないですか。「ここがあの!」という感動が。

 東京タワーの写真、天気も良くなかったし、さすがに本物を完コピというわけにはいかなかったけど、自分にしてはそこそこ再現度の高いものが撮れたと思います。僕の目にはちゃんと上空に浮かぶゼットンも見えてましたからね。早速パソコンの壁紙にするとしよう。

 この充実度を考えたら、周りにちょっと不審者と思われちゃうくらい、正直どうってことないんです。

 ただ、翌日のウルサマでウルトラマンのバトルジオラマを思いっきりしゃがんで撮る息子のオタクな後ろ姿を見て、脈々と受け継がれるDNAを感じずにはいられなかったことも最後に記しておきます。

 自分はいいんですけど、息子が知らない誰かに不審者呼ばわりされる未来ってどうなんでしょうね。「特撮オタク」は全然いいけど、「不審者」はちょっと嫌かもしれないなあ(笑)。