僕が僕であること(仮)

ウルトラマンが大好きな9歳の息子とのウルトラ備忘録です。

~日本のゴジラはこれからどうなる?~平成ゴジラ世代の独り言

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 全世界のゴジラファン待望の新作映画『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』の公開日があと1週間まで迫ってきました。

 

godzilla-movie.jp

 2014年のギャレス版『GODZILLA』の正統な続編であり、ゴジラに加えモスラ・ラドン・キングギドラのいわゆる「三大怪獣・地球最大の決戦」組のハリウッド流リメイクが最大のトピックス。オリジナルの魅力を残しつつ大胆なアレンジを加えた怪獣デザインや、VSシリーズを彷彿とさせるポスタービジュアルを見ると否が応でも期待が高まります。

 個人的には、2014年のギャレス版が日本の特撮を意識したスリリングな演出をいくつも見せてくれた一方で、「怪獣対決もの」としては凄く惜しい出来だったと感じていて。今回の『KOM』がその辺りのモヤモヤを吹き飛ばしてくれたらいいな、と。だって、モスラにラドンにキングギドラですよ。ゴジラファンにとっては盆と正月とクリスマスがいっぺんにやってきたようなものですから。

 ゴジラブームの再燃に合わせて、現在Amazonプライム・ビデオでは歴代のゴジラ映画が見放題となっています。これは熱い。僕も早速何作かぶっ続けで見てしまいました。

 今回のテーマはズバリ「日本のゴジラ」。大傑作『シン・ゴジラ』の次は果たしてあるのか。ゴジラをアメリカだけのもんにはさせねぇ!平成ゴジラシリーズをリアルタイムで追いかけてきた一ファンの独り言です。

 

 

 

 

しいゴジラの模索

 アマプラで最初に見たのは『ゴジラ2000ミレニアム』。大人になった今も定期的に見返す作品です。

ゴジラ2000ミレニアム

ゴジラ2000ミレニアム

 

 『VSデストロイア』で一旦終了したゴジラシリーズが久々の復活を果たしたその第一作。怪獣映画そのもののリブートを成功させた傑作・平成ガメラシリーズの直後の公開だったこともあり、当時は僕もかなり期待して映画館へ足を運んだことを覚えています。

 しかし、その出来は正直いまひとつ。期待していたものを見られたとは言えませんでした。それでも定期的に見返してしまうのは、この『ゴジラ2000』がゴジラ映画の仕切り直しという命題に立ち向かった記念碑的作品であるという事実に他なりません。

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 最も意欲を感じたのはゴジラのデザインです。これがかっこいい。

 筋肉質で重量感が強調されていたVSシリーズのゴジラから、巨大な背びれとトカゲのような顔でシルエットごと大胆な変更を加えてきました。やや大げさにも見えた前傾姿勢にはゴジラを人間的なフォルムからなるべく遠ざけようという意識が感じられ、全く新しいゴジラをつくろうという制作スタッフの意気込みが伝わってきました。

 この通称「ミレゴジ」はファンの間でも高い人気を誇ります。何より当時小学校の高学年だった僕にとっては、「こうしたらゴジラはもっとカッコ良くなるんじゃ…」と想像を膨らませつつノートの端っこに落書きした「Myゴジラ」がそのまま目の前に現れたような高揚感がありました。小学生の男子はとりあえず背びれを尖らせたいのです(笑)。

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 『ゴジラ2000』から始まったミレニアムシリーズは、度々リセットされた世界観や観客動員の減少で迷走したイメージも強いのですが、人類の宿敵としてのゴジラの復活や、機龍という新しいスター怪獣を生み出すなどその功績は確かなものがあったと思います。何より、国産のゴジラを毎年見ることが出来た。映画評論家にどれだけ酷評されていようが、新しいゴジラ映画を毎年見られる状況は今思えば貴重でしたね。

『シン・ゴジラ』の次は果たして

 『FINAL WARS』から12年の充電期間を置き、再び僕たちの前に現れたのは『シン・ゴジラ』でした。

 ミレニアムシリーズで果たせなかった一般層にも届くゴジラのリブートという点において、『シン・ゴジラ』はこれまでの子供向け作品のイメージを完全に覆し、映画スターとしてのゴジラを完全復活させることに成功しました。公開当時、何人かのテレビタレントが「『シン・ゴジラ』がいかに凄かったか」を興奮気味に語っていたり、一種の社会現象にもなっていましたね。

 『シン・ゴジラ』のヒットは特撮というジャンルそのものにも活気を与えてくれました。僕にとっても特撮に再びハマるきっかけとなった作品でしたから思い入れは深いです。ただ、その完成度の高さを目の当たりにしたとき、「果たして次の国産ゴジラは作られるのか」という漠然とした不安を感じたのも事実で。

 『シン・ゴジラ』の特徴として挙げられる、「現実世界にゴジラが現れたら?」というイフに説得力を与える圧倒的なリアリティと、ゴジラが段階的に形態を変化させるサプライズ。いずれも、結果的には新しいゴジラのシリーズ化というベクトルとは真反対の方向を向いていたように思えました。日本で次のゴジラを作るとして、あれ以上の驚きやワクワクのつまった作品を生み出せるのか。例えば次に出てくるのが「シン・モスラ」や「シン・ラドン」なんかだったりしたら、それこそ単なるギャグになってしまいます。

 そんな中で、ハリウッドが日本の名怪獣であるモスラやキングギドラをリメイクする。予告編の映像を見ただけでも、それはもう凄まじい映像なのだろうと想像がつきます。映画の公開が楽しみな一方で、このあと日本でゴジラ映画が再び作られる日は来るのかとつい考えてしまう。

 じゃあミレニアムシリーズのような作品群を今の時代にもう一度見たいのかと言われると、それも首を縦には振りづらいのですが…。

 その出来に毎度がっかりさせられつつも未だに『ゴジラ2000』を定期的に見返してしまうのは、シリーズとしてのゴジラ映画が生まれ変わる期待感、何かとミレニアムを連呼して盛り上がっていたあの時代へのノスタルジーなのかも。次のゴジラについて、東宝の意見を是非聞いてみたいところです。