いよいよ公開まで一ヶ月を切った『ゴジラ−1.0(マイナスワン)』。
『シン・ゴジラ』以来7年ぶりとなる実写ゴジラ映画の復活とあって、今からワクワクが止まらないのは間違いなく。
何よりこの予告編がゴジラファンの期待を更に大きくさせます。特撮、というかCG?VFX?とにかく映像のクオリティがハンパじゃないでしょう。ひょっとしたら日本映画の歴史に名を残す傑作になるのでは、という予感すらしてくる。僕、恥ずかしながら山崎貴監督ってあまり存じ上げないのですが、『ALWAYS 三丁目の夕日』は見ました。あれは面白かった。
やっぱりゴジラには映画館が似合うぜ。 pic.twitter.com/zKNYuUISVs
— Ryo (@ryo_nf3000) 2023年9月13日
うちの近所の映画館では早速この『ゴジラ−1.0』のポスターなりパネルなりがでかでかと登場しておりまして、「やっぱりゴジラには映画館が似合うよなあ」と長年のゴジラファンとして感慨深いものを感じていたところです。
そうそう、僕にとってゴジラってただの怪獣じゃなくて「映画スター」なんですよ。ちょっと例えが古いかもしれませんが、石原裕次郎とか、寅さんをずっと演じていた渥美清とか、そういう類の「スター」。そして映画スターというからには、やっぱり銀幕で輝き続けてこそだと思うんです。
庵野総監督による『シン・ゴジラ』が傑作だったのは言うまでもありませんが、僕はあれの何が嬉しかったかって、特撮ファン以外の人たちを巻き込んで大ヒットしたでしょ。それによって確実に「ゴジラ」というキャラクターの格が上がった。つまり、「映画スター」としてのゴジラが復権したわけです。
だから次の『−1.0』まで7年も間が空いてしまったのは率直に言って残念でした。
7年って言ったら、保育園の年長さんが中学1年生になっちゃうくらいの期間です。せっかく復権した「映画スター」としてのゴジラが、これではなかなか一般層にまで定着しない。
まあ、だからと言ってシン・ゴジラと別の怪獣を戦わせる映画を作れなどとは思いませんが、改めて僕が子供の頃に「VSシリーズ」を毎年楽しみに待っていたあの体験は尊かったのだなと痛感させられます。あの頃のゴジラも確実に「映画スター」だった。
『−1.0』が一体どういった方向性のゴジラ映画になるのか――。
『シン・ゴジラ』のように、初代ゴジラの精神性を引き継ぐリブート作品なのか。はたまたもっと違う方向のエンターテイメントに振り切るのか。舞台設定が「戦後間もない日本」というところに、その辺りのヒントが隠されているような気がします。
これは本当に極めて個人的な願望なのですが、それこそ「VSシリーズ」の頃のゴジラがそうであったように、日本の誰もがゴジラと言えばあのゴジラを思い浮かべる……マイナスワンのゴジラ(略称はマイゴジでいいのかしら?)がそういうゴジラになってほしいなあ、と。
2014年のギャレス版ゴジラがその何年後かにキングギドラやコングとバトルを繰り広げていたように、別にずっと山崎貴監督じゃなくてもいいので、「このマイゴジを倒すヤツは誰だ!」みたいなね。『−1.0』自体はそういう映画にはならなさそうですけど、でも何かしらのそういう「次」につながる作品であってほしい。だって、また7年も待たされちゃったらうちの息子(小3)は高校生になってます。もう一緒に映画館なんて行ってくれないかもしれない。
マイゴジのデザインは嫌いじゃないですよ。どちらかと言うと不気味さに寄せていたシン・ゴジラに対して、屈強なイメージのベーシックなゴジラ。これと同じラインのキングギドラとか全く新しい敵怪獣とか、見てみたくないですか?僕は見たいです。
『−1.0』の舞台が戦後間もない日本なら、じゃあ次は今よりもちょっと先の未来にゴジラが現れるとかね。ちょっとバカっぽ過ぎますか。僕の貧弱な想像力ではなかなか気の利いたアイデアが浮かびませんが、とにかく今回のゴジラが、特撮ファンのみならず日本国民に「映画スター」としてのゴジラの印象を決定付けるキャラクターになることを一ゴジラファンとして期待しています。
ただ本音を言うと、『シン・ゴジラ』や『シン・ウルトラマン』のときのような、公開前のピンと張り詰めた緊張感みたいなのは今回の『−1.0』に関してはかなり薄いです。「ダメならまた『シン・ゴジラ』見とけばいいや』」くらいの気楽さ。
だからこそ、ゴジラの今後の展開に色々と想像をめぐらすことができるんですね。まあ、それもあんまり行き過ぎると「ハム太郎と併映!」とかになっちゃうのでほどほどにせねばという感じですが……。