僕が僕であること(仮)

ジードとルーブが大好きな4歳の息子とのウルトラ備忘録です。

『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』の話

 

 僕の30年近い人生において、繰り返し見た回数の最も多い映画が今年、これになりました。『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』。

 最新作『ウルトラマンジード』にも準主人公として登場する人気者、ウルトラマンゼロのデビュー作であり、「ニュージェネレーション」と呼ばれる『ギンガ』以降のウルトラマンを語る上では欠かせない、坂本浩一監督のウルトラ初参加作品でもあります。

 何度も繰り返し見ている理由はズバリ、息子(3歳)です。とにかく隙があればこの映画のBlu-rayを僕に渡してきて見せろとねだる(笑)。酷いときは一日に2回も3回も見せていた(というか、流しっぱなし)こともあり…。子供に家の中でテレビばかり見せるのも親としてどうなんだという感じですが、それはそれとして、今回は何故この作品がそこまでうちの息子のハートをがっちりと掴んだのか、親の目線で考えてみようと思います。

 

メインディッシュをこれでもかと…

 まずインパクトが大きいのは、登場するウルトラマンと怪獣の多さ。ウルトラ映画全体の中でも圧倒的な数です。ベリアルが光の国を襲撃する前半は、タロウやメビウスといったメジャーどころはもちろん、パワードやグレート、ネオスといった(あのウルトラマンボーイも!)レアなウルトラマンまでとにかく出るわ出るわの大賑わい。中半から後半にかけては、ゴモラ対ザラガスの迫力のバトルを皮切りに大怪獣軍団の出現、そしてペリュドラの登場…といったように、頭のてっぺんから足の先までこれでもかと見せ場が続きます。

 僕もこの『ウルトラ銀河伝説』は好きな作品で、公開当時映画館にも行きました。見終わった後、

 「子供の頃に、この映画と出会いたかった」

 と強く感じたのを今でも覚えています。料理で例えるなら、ハンバーグとオムライスとカレーが一度に出てくるような。この映画は、ウルトラマンや怪獣が好きな子供にとってはメインディッシュばかりを堪能出来る贅沢の極みだと思うのです。大人が真面目に楽しむには、ちょっとドラマの部分が弱い気がしますが、親の立場からすると、「とんでもないもん出してくれたな円谷プロ!」と言いたくなる(笑)、そんな映画だなと。

ウルトラマンの角度

 また革新的だと感じたのが、「ウルトラマンがかっこ良く見える角度」を追求している点です。冒頭のメビウス対ベムラーや、ベリアルを追うタロウのシーンを見ていると、必殺技を放つ際のタメの演出を捨てて、スピーディな動きの中に「ハッ」と印象に残るようなカットを織り交ぜています。こういう漫画っぽいカット割りは、ウルトラではあまり見たことがありません。対象物の少ない宇宙空間が舞台なので、巨大感という点では物足りなさも残りますが、その分自由度の増したカット割りと坂本監督お得意のワイヤーアクションで大きな動きをつけ、ウルトラマンそのもののかっこ良さをよくアピール出来ているのではないでしょうか。

ゼロとベリアルのキャラクター性

 そして外せないのがゼロとベリアル、二人の新しいウルトラマンです。ひと目で悪役だと分かる毒々しいデザインのベリアルと、「セブンの息子」というキャッチーなフレーズを引っさげて登場したゼロ。かつてのガイアとアグル、メビウスとヒカリなど、ウルトラマン同士の明確な善悪の区別は敢えて避けられていた印象のあるウルトラシリーズにおいて、誰の目にも分かるライバル関係の出現は驚きでした。まさかこの二人が8年後のテレビシリーズにおいてもここまで重要な役割を担うとは、想像出来た方は少ないのでは?二人の分かりやすい関係性は、親子で一緒に見るときにも子供への説明がしやすくて助かります。これ結構重要。

 最新作『ウルトラマンジード』の物語にも密接に関連している当作品。M78世界のウルトラマン・サーガの再構築という点でも非常に大きな役割を果たしており、『大怪獣バトル』からパラレルワールド設定が導入されたこともあって、その後のニュージェネレーション・ウルトラマンを語る上では外せない作品になっていますね。当然、円谷プロが最初から意図していたことではないとは思いますが、この作品がメビウス以降中断していたウルトラシリーズの新しい出発点になったことは偶然ではなかったのかもしれません。

 恐らく、まだしばらくはこの映画のBlu-rayを息子と見る日々が続くと思われます(笑)。ただ、子供の「飽き」はいつやって来るか分かりません。いよいよその飽きが来て、別のもの(…が、また別のウルトラだったら個人的には嬉しい)に移るとき、それが何になるのかも密かに楽しみだったりするのですが。そのときが来るまでは、ウルトラマンと光の国の物語を、僕も童心に帰りながら贅沢に楽しみたいと思っています。