僕が僕であること(仮)

ウルトラマンが大好きな9歳の息子とのウルトラ備忘録です。

僕の「凧揚げアレルギー」を払拭してくれた息子の後ろ姿を思う

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 「ねー、パパぁ凧揚げしに行こー」

 

 Nintendo Switchとタブレットを巧みに操りながら毎日のようにマインクラフトに興ずる「ニュージェネレーション」の息子の口から飛び出した、「凧揚げ」といういかにもアナログな単語。

 何やら小学校で凧揚げ用の凧を自作する授業があったらしく、息子はそこで作ったお手製の凧を自信満々に持って帰ってきて「一刻も早く飛ばしてみたい」と。生徒1人に1台のノートパソコンが支給され、時勢柄授業もリモートで行えてしまうような令和の時代になっても、小学校でわざわざ凧揚げを教えたりするんですねえ。昭和生まれのおじさんにはそのことがちょっと嬉しかったですよ。

 僕、凧揚げには少々苦い思い出がありましてね…(なんか最近、苦い思い出の話ばかりしている気がしますが 笑)。

 

が「凧揚げアレルギー」になるまで

 僕も小学生の頃に、学校でオリジナルの凧を作ってみようという授業がありました。材料から何からを全て家で用意してきて、それこそ「世界に一つしかない自分だけの凧を作ろう」みたいな勢いのやつ。

 母親が凧に使えそうな割り箸やビニールをそれなりに準備してくれて、授業の当日は僕も人生で初めての凧揚げにワクワクしながらそれを持って学校に行きました。

 するとですね、周りの友達が持って来ている凧作りの材料がどうも僕のとは違うんです。何が違うって、大きさから何から「親の気合いの入り方」が全然違っていて。

 僕が持ってきた材料では、せいぜい勉強で使うノートくらいの大きさの凧しか作れない。周りはもっと本格的な、ビニールとかじゃないちゃんとした素材の大きな大きな専用の紙や資材を持って来ていて。もちろん、小学生が1人で用意出来るようなものじゃありません。確実に親が気合を入れて子供に持たせている。

 1年生の僕には、その「格差」がもの凄く惨めに感じられてしまって…。

 子供って、そういうちょっとした差にめちゃくちゃ敏感だったりするじゃないですか。僕にとっては、指折り数えて待っていたくらいに楽しみだった凧揚げの授業が、「1秒でも早く終わって欲しい暗黒の1時間」に変貌した瞬間だったわけです。今思うと、そこまで気にすることかって感じなんですけどね。

 その1時間をどうやり過ごしたのかはあまり記憶にないのですが、僕がその後の人生において凧揚げを楽しんだ記憶も一切無いので、運動場の隅っこでコソコソやって終わりだったんだろうなあきっと。

子の凧

 これは後で聞いた話ですが、母親は子供の頃に自分で凧を作ったことがなく、あの材料も想像で適当に用意したとかなんとか…「うぉ~いっ!」って感じですけどね本当に(笑)。

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 こちらが息子の作った凧。ちょっとやそっとじゃ壊れない、しっかりとした作りに1人で感動する僕。そうそう、これだよ、これ!今彼がどハマりしているマインクラフトのイラストが眩しい。こういうのは親としてちゃんと残しておかねばな。

 息子の凧は学校で先生が配ってくれたとのこと。作り方もきちんと教えてもらって、授業ではクラスみんなでワイワイ楽しく作ったと言ってました。はあ、なんと羨ましい…

 過去の苦い記憶から、凧揚げという遊びに勝手にアレルギーを感じてしまっていた僕。公園へ向かう道中も息子に「ちゃんと揚げられるか~?」などと偉そうにつついてしまいました。

 しかし近所の公園に着いた途端、颯爽と駆け出す彼の後ろ姿はまるで僕の「凧揚げアレルギー」をあざ笑うかのような力強さと爽やかさ。なんだ、凧揚げってこんなに楽しいものなのか!

 

 息子があまりにも凧揚げを楽しんでいるので、僕も年甲斐もなく「次、パパにも貸してや!」と息子の凧を手に散々走り回っちゃいましたよ。

 普段はちょっと走るだけでゼーゼー言ってしまう僕も、凧と一緒に風を受けていたら不思議と体力の衰えもそこまで感じない。大人になると、こんなに無心で夢中になって走ることなんてまあありませんからね。凧が高いところに上がれば上がるほど、息子もキャッキャと喜ぶもんだから僕もつい頑張ってしまう。帰り道、時間差で体の節々が悲鳴をあげていたのはここだけの話(笑)。

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 凧揚げ中の息子の後ろ姿。

 こんなに楽しそうに遊ばれては、父親の僕がいつまでもアレルギーなどとは言ってられません。

 ちなみに息子、「次はもーっと高く揚げたい!」とのことで…これはアレルギーどころか、凧揚げについて僕もちょっとお勉強が必要かもしれないですね。