僕が僕であること(仮)

ウルトラマンが大好きな9歳の息子とのウルトラ備忘録です。

空手の居残り練習をしない息子にモヤっています

 

 「パパぁ、はよ帰ろ~」

 

 最近、空手の練習を終えた息子(小2)が僕に必ずこう言うんです。

 どうして彼が早く帰りたいのか。それは「ゲームをする時間、YouTubeを見る時間を確保したいから」に他ならない。いや、全然いいんですけどね。ゲームやYouTubeが悪いとはもちろん言いません。楽しめるだけたっぷり楽しめばいいんです。

 ただ、僕がどうしても気になってしまうのが、同じ空手を習っている他の子の動向です。

 息子と同じようにパッと帰る子もいますが、いわゆる「居残り練習」に精を出している子が結構いて。で、残って練習する子は誰と誰と誰って面子が大体決まっている。そして、やっぱり残って練習している子たちは上達のスピードが全然違うんです。そりゃあもう、素人の僕にもひと目見ただけで分かるくらいに。

 

 息子は空手そのものは飽きずに真剣にやっているし、別にサボっているわけでもありません。新しい型も順調に習得してはいるようです。でも、このままだと後から入ってきて毎週居残りしている子たちにそのうち抜かれます、多分。

 だから、頑なに「居残り練習」をしようとしない息子に対して「それでいいの?」とお節介を言いたくなってしまう。これって、親として過干渉なんでしょうか。

 

 

 

 

 ぶっちゃけ、本人にも何回か言ったことはあるんですよ。「お前はあの子らみたいに残って練習しなくてもいいんか?」って。そしたらその日は渋々残ってましたね。

 居残り練習と言っても、そんな1時間や2時間も残って汗を流すわけじゃない。練習が終わった後の15分とか、本当にそれくらいの少しの時間、その日にやった内容をちょこっと復習するだけなんですよ。

 でも、息子はとにかく練習が終わったら早く帰ることしか考えていない(ように見える)。もうそれこそ定時退社をキメまくる新入社員みたいに、とにかくスパッと切り上げるんです。まあ、今やどの企業でも「働き方改革」が謳われている時代ですから、ある意味では今風な考え方なのかもしれませんが。にしても、8歳にしてそのサバサバ感は一体どうなんだと思わなくもない。

 子供にとってはうっとうしい説教でしかないと思いますけど、僕も自分の実体験から、「日々の小さな積み重ねがいかに大事か」ってことをやっぱり息子には知っておいてもらいたい。何ならそのための習い事だろうって、そういう気持ちは正直あります。

 

 一方で、息子の日々の生活を見ていると、週に2回の空手に加えて水泳教室にも通っている。学校の宿題にプラスして進研ゼミのチャレンジも毎月送られてくる。学童のせいで家に帰るのも毎日夕方を過ぎた頃です。単純に、小学生にしては忙しくて大変そうだなと同情する部分もあります。一日の中で自由に遊べる時間が意外と短い。少なくとも僕の小学生時代に比べると圧倒的に。

 僕も今の自分のことを客観的に振り返ってみると、10分や20分でも、少しでも趣味の時間を捻出するために仕事を必死にこなしたり、こなさなかったりしている。だから終わったらスパッと帰りたい息子の気持ちもめちゃくちゃ分かるんです。

 むしろ時間が有限であることを意識しているっぽいのは、彼の将来を考えると良いことなのかもしれない。これで帰ってからゲームなり何なりを好き放題やっていたらガツンと叱るしかないわけですけど、彼、一応言いつけられた時間は守っていますしね。

 

 

 

 まあ、それでも……ですよ。

 これは本当に親のエゴであり、我がままであり、空手というスポーツを息子が習い事として選んだことへのちょっとした誇らしさからくるものでもあるんですが……。

 僕の中には、父親として「自分の息子にがっかりしたくない」という変なプライドが内在しているのは否定のしようがない事実のようです。

 空手の練習が終わって息子が僕のほうにやってくるあの何秒かの間に、「『今日は残って練習するわ』って言ってくれないかなあ」みたいなことをどうしても考えてしまいますもん。

 なんかこう、実際に息子の空手が上達するかどうかよりも、「居残りをしてまで上手くなりたい」という彼の気持ちのほうばかりに期待しちゃっている、というか。それに気付いたとき、この「息子の空手の練習を見ている時間」は僕にとって一体何なんだろうって、もの凄くモヤるんです。息子を使って自分が気持ち良くなりたいだけじゃないか、みたいな。

 

 この何とも言えないモヤモヤを吐き出す場所として、ブログを持っていて本当に良かったです。

 僕、多分これからまだまだ息子のことでモヤり続けると思うのでね。もちろん、そういう生活も決して嫌いではありません。こうして文字に起こすこと自体はそれなりにスッキリする作業ですから。

 

 その日のやること全部やって、大好きなアイスを頬張りながらゲームに興ずる息子の姿がまた眩しいのなんの。これ以上ないくらいの幸せそうな顔。あんなの見せられると、僕もモヤってる場合じゃないなと思わされます。

 でも、次の空手も息子は居残りせずにすぐ帰ろうとするでしょうね。やっぱり親としては、子供には「もう一息、頑張るぞ!」ってところを、もうちょっと見せてほしいんですけれども。空手を頑張っている息子、キリリとした表情で、贔屓目無しに見てもなかなかかっこいいのでね。