僕が僕であること(仮)

ウルトラマンが大好きな9歳の息子とのウルトラ備忘録です。

小学2年生の息子にこのまま『チェンソーマン』を読ませていいものか

 

 息子(小2)がどうしても読みたいって言うんで買ってあげたんです、『チェンソーマン』の1巻と2巻を。

 

 『チェンソーマン』。

 米津玄師がアニメ版の主題歌をやっていたりして、今かなり旬な作品であることは僕も一応知ってはいたんですが、どういう内容かまでは全然把握できていなくてですね。

 最初のインパクトはとにかくこの頭と両腕に長めのチェンソーがぶっ刺さった主人公のデザイン。「なんかよく分からんが凄いなあ」という印象。「チェンソーで敵を倒すんだから、当然グロいシーンも少しはあったりするんだろうな」と。

 息子の場合、グロへの耐性は『鬼滅の刃』である程度ついています。あのときも「子供にこんな直接的に人が死ぬシーンを見せていいものか」と大人としては戸惑ったものですが、こういうの、案外本人はケロッとしている。当時はまだ保育園児でしたが、周りの子たちも鬼滅鬼滅ってずっと言ってましたしね。

 だからこの『チェンソーマン』も、まあ、小学校低学年向けの漫画では確実にないんだろうけど「グロいのが大丈夫ならいいんじゃない?」くらいの軽い気持ちで。漫画2冊でそこまで感激するかっていうくらい、息子は大喜びしていました。

 

 

 

 

※以下、重大なネタバレを含む箇所があります。

 

 で、そんなに面白いのかと思って、僕も読んでみたんです『チェンソーマン』。

 

 そしたらね、確かに面白かったんですけど「あ、これは小学2年生に読ませちゃいけないやつかも」と感じるシーンが思いのほか、多かった。

 というか、全体的に「お前、よくこれにハマれたな……?」と息子にちょっと問いただしたくなるような感じ。グロいし、結構ストレートにエロの要素もあったりして。

 

 悪魔と呼ばれる存在が日常に蔓延る世界で、死んだ父の借金を返すべく「チェンソーの悪魔」であるポチタと共に「デビルハンター」としてなんとか生計を立てていた主人公・デンジ。ごく普通の日常を願いながらもそれが到底叶わない状況が続く中、公安のデビルハンターであるマキマに導かれデンジはその身を管理されることになる……というのが『チェンソーマン』の大まかなあらすじ。

 100円玉のために他人の吸ったタバコを口に入れられるほどその日暮らしが続くデンジはとにかく乾ききった主人公で、食べること、寝ること、女とイチャイチャすること……といった「普通」への欲望に満ちている。だからそのためならマキマさんの元で「はい」か「ワン」しか言えない犬になれるし、マキマさんの何気ない一言から「そういう行為してぇー!!」と突飛な妄想を膨らませることもできる。悪魔との戦いの中で「普通」を知る度にデンジの行動がどんどんエスカレートしていくんです。その様に彼の人間臭さが凝縮されていて面白い。

 

 そんな内容なので、割と早い段階でエロい要素って出てきてまして、1巻の真ん中過ぎた辺りでデンジは自分の欲望と葛藤しながらマキマさんの胸を揉もうと画策する。「いきなり女抱くのは俺には難しい……でも胸なら……」という具合に。

 一読者としては、極度の乾きを経験しているが故のデンジのちょっとした謙虚さが笑いの種になっていたりするんですが、ここで大人の僕はハッとするわけですよ。「これ、小2の息子は一体どういう気持ちで読んでるんだろう?」って。意味分かってんのか、みたいな。

 

 

 

 結局デンジは2巻でマキマさんではなくパワーという血の魔人の胸を3回揉むことになるものの、いざ揉んでみるとこれが思っていたほど大したことなくて落胆してしまう。そこにまたマキマさんが登場して、デンジの耳元でこう囁くんです。

「エッチな事はね、相手のことを理解すればするほど気持ち良くなると私は思うんだ」

 

 

 ……こんなの小学生に読ませるセリフじゃねぇよ!!!

 

 

 いや、もう読ませちゃってるんですけど。

 もうイマドキの子はこういうの、別に普通なんでしょうか。これを息子が僕より先に読んでいたのかと思うとまあまあソワソワしましたけどね本当に。何も考えず、チェックもせずに買い与えてしまったことをちょっとだけ後悔しました。『チェンソーマン』が悪い漫画だと言っているわけではなくて、単純に「小学2年生にはまだ早いだろ」と思って。

 息子はこの『チェンソーマン』、3巻以降も読む気満々みたいなんですけど、親としてこのまま読ませていいものか正直悩みます。「今、彼が読むべきものなのか」ってどうしても考えちゃいますね。

 でもだからと言って息子に直接「このセリフの意味、分かってるか?」なんて訊くのが、現時点での僕らの真っ当なコミュニケーションだとも思えない。万が一にも「何言ってんねん、分かってるよ」なんて返されちゃったら僕どうしたらいいんでしょう。その場で頭抱えて倒れそうですマジで。

 それにアニメはもうネトフリで全話配信されているんでしたっけ?僕がどうのこうのと考えるよりもずっと前に、息子は『チェンソーマン』をある程度履修し終えている可能性が高い。そうなるとますますどうしたらいいんでしょう。

 デンジが最初にチェンソーマンになったときみたいに「ギャアーハッハハア!!」って大暴れでもしてみましょうか……どなたかいい案をお持ちでしたら教えてください。