僕が僕であること(仮)

ウルトラマンが大好きな9歳の息子とのウルトラ備忘録です。

僕の「特撮のDNA」が芽吹いたあの頃を思いつつ / 大阪・梅田のガメラ展に行ってきました

 

 大阪・梅田で開催中の「特撮のDNA 平成ガメラ3部作展」に行ってきました。

 

www.tokusatsu-dna.com

「特撮」と聞けば、子どもたちばかりでなく、つい興奮を覚えてしまうオトナも多いはず。それは、映画やテレビに繰り返し登場し、私たちの心をとらえて離さなかった怪獣やヒーローたちの記憶と密接にリンクしているからにほかなりません。彼らに憧憬して育った現代日本人の体内には、いつしか特撮のDNAが芽生えていたのです……!

「特撮」——この夢の技術を日本映画に初めて取り入れたのが、特撮の神様・円谷英二です。円谷の薫陶を受けた面々は、ミニチュアや着ぐるみを駆使した独自の撮影手法を編み出し、実写と見まごうばかりの空中戦から巨大怪獣のバトルまで数多の名シーン、名キャラクターを世に送り出しました。彼らが築いた技術と尽きることのない情熱は、デジタル全盛となった今も、若い世代へと確実に受け継がれています。

 

 特撮のDNA公式サイトより引用したこちらの文章。長年の特撮オタクにとってはうんうんと思わず頷きながら読んでしまうこと請け合いなのですが、実際の展示もただただ「これは……!」と実物を前に言葉を失ってしまうほどの素晴らしいものでした。

 今や平成以降の怪獣映画におけるマスターピースとして、その地位を確固たるものにしている平成ガメラ3部作。「樋口真嗣」という超凄腕の特技監督の存在を世に知らしめ、映像面において、特撮の神様・円谷英二の精神を最も正統な形で継承することに成功した作品群だと言ってもいいでしょう。

 僕は未だに、『ガメラ3』の渋谷壊滅シークエンスが日本特撮における現時点で最高峰の映像だと思っています。あれを小学校5年生のときに映画館で浴びたときの衝撃と言ったらもう……。大げさでもなんでもなく、自分の目が信じられなかった感覚を今でも覚えていますから。「これが本当に、ミニチュアや着ぐるみを用いた僕の知っている『特撮』なのか?」と。もしかしたら、あれが僕の特撮オタクとしての最初の「芽吹き」だったのかもしれません。

 今も脈々と受け継がれている特撮のDNA。圧巻の展示の数々をあなたにも少しだけ、おすそわけします。

 

 

 

 

ルジャーレギオン襲来!

 会場入口。東京タワーを巣にしたギャオスがお出迎え。まだ無料エリアなのに迫力十分。ここからお金払わせてほしいくらいだった。

 巨大レギオンの頭部。信号機を家に持ち込むとめちゃくちゃデカく感じるそうですが、これも多分そう。

 ソルジャーレギオン。頭部のアップ用や引きの映像で使用するための人形など、同じキャラクターにいくつものプロップが用意されている。何気ないカット一つにも、僕らの想像を超えた手間暇がかかっていることが分かります。こういうのを目の当たりにすると、「怪獣映画を見ながらお気楽に変な文句言っちゃいけないなあ」と、普段の自分について反省させられます。

 よ〜く見るとつぶらな瞳。

 写真じゃ伝わらないかもですが、永島敏行がこれを拳銃でやっつけたの相当凄いですよ。実物は「こんなのが動いてたら絶対近づけないよ!」っていうくらいの絶妙に怖さを感じる大きさでした。

「特技監督・樋口真嗣」の仕事

 炭化ガメラのプロップ。あのワンシーンを思い出さずにはいられない。凄みがある。これをそのままフィギュアにしてほしい。

 樋口真嗣監督のサイン入り、巨大レギオン頭部・完全形モデル。鹿の剥製、的な。お金持ちの家にドドンと飾ってあっても良さそうな趣きです。

 樋口真嗣・特技監督による画コンテ集。もう本当に、作品のカットがそのままペンでササッと描かれていて、「映画を撮ってから描いたのか?」と勘違いしてしまいそうな緻密さでした。僕らの知っている名場面の数々は、樋口監督の計算の上に成り立っていたんだなあと改めて。特技監督って凄い仕事です。

 

 

 

 

リスよ永遠に

 メイン展示。ガメラとイリスの対決を再現した巨大ジオラマ。ミニチュアの作り込み、着ぐるみの迫力。どれをとっても文句なし。

 イリスをまじまじと見る機会って意外と無くて、着ぐるみは触手がご覧の通りボロボロになっていましたね。

 イリスの幼体。よくぞ今まで残っていてくれましたという感じなんですが、まさかあの缶詰まで撮影当時のものが残っているとは思わない。

 ガメラの造形自体は、2の頃が一番クセが無くて好きです。目つきがいい。ヒロイックなんですよね。

 

 さて、今回ご紹介した展示内容は本当にほんの一部でして……。実際に撮影で使用したガメラやギャオスのマペットや、ギャオスが襲撃したJR中央線の車両のミニチュア、その他撮影用プロップがもっとたくさん展示してあったんですが、ガラス越しにあまりにも間抜けな自分の頭や脚が映り込み過ぎていたので(笑)ブログに貼り付けられる写真を必死に選んだ、という感じです。

 

 自分が生きているうちに、このガメラのような、何十年にも渡って大切にし続けるであろう特撮作品にあといくつ出会えるでしょうね。一特撮ファンとしてその成り行きを見守りつつ、どこかでまた新たな「特撮のDNA」が芽吹いていることを願ってやみません。

 特撮のDNA展。大阪・梅田での開催は10月10日(月/祝)までとのことなので、お近くの方はぜひ。ちなみに僕は家に帰ってから3作全部見返しました。いやー、やっぱりすげぇぞガメラは……!