僕が僕であること(仮)

ウルトラマンが大好きな9歳の息子とのウルトラ備忘録です。

「ヘビクラ騒動」への複雑な感情と『ウルトラマンZ』のこれから

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 『ウルトラマンZ』第5話「ファースト・ジャグリング」。いやあ、凄い展開でした。

 

 番組開始当初からの怪しい言動と、何よりキャストがあの青柳尊哉さんということで、「もしかしてこの人ジャグラーでは?」と各方面からめちゃくちゃ疑われていたストレイジのヘビクラ隊長。

 

 いや、ほんとにあんたジャグラーなのね、そうなのね。

 

 思えば、前々作の『ルーブ』では湊家の妹・アサヒが実は宇宙から降ってきたクリスタルだったり、『タイガ』ではE.G.I.Sのオペレーター・ピリカがアンドロイドであることが最終回直前で判明したり……。近年のウルトラ作品では、視聴者が想像もつかないようなメインキャラの意外な正体が明かされるサプライズが恒例になっていました。

 そんな流れもあって、今回第1話から囁かれていた「ヘビクラ隊長ジャグラー説」に関しては匂わせ方があまりにも露骨だったので、もう一捻りしてくるかと思っていたんですけどね。序盤であっさり正体を明かしてきたことは逆に驚きでした。と同時に、僕の中には単なる驚きだけではない複雑な感情も芽生えてきていて……

 

 

 

 

「青柳尊哉」が演じるからこそ

 ジャグラス・ジャグラーと言えば、ウルトラマンオーブのライバルとしてまさに不動の人気を確立した名キャラクター。

 特に人間体を演じた青柳尊哉さんの怪演は一度見たら忘れられない強烈なインパクトを残し、50年以上の長きに渡って続くウルトラ史に「ジャグラー」の名を確かに刻み込みました。

 『Z』のメインキャストが発表されたときから僕が楽しみにしていたことの一つに、「あのジャグラーを見事に演じきった青柳さんが、違うウルトラシリーズで久々に復活した防衛隊の隊長をどう演じるのか」というのがありました。

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 1年前の記事にも書いた通り、僕は特撮番組で活躍した俳優さんの「その後」が結構気になるタチでして。

 そういう意味でも、悪役として大成功した青柳尊哉さんが演じるヘビクラ隊長、今までの隊長とはまた違う感じになるんだろうなあと、色々と想像を巡らしていたところだったんです。実際、第2話でのハルキとの特訓シーンなんかはストレイジならではのピリッとした空気感が出ていて、この2人の関係性をもっと追いかけたいと思わせてくれました。

 だからこう、何と言いますか…「ジャグラーにそっくりだけど実は別人」なヘビクラ隊長であって欲しかった気持ちが結構強くて。ストレイジ、いいチームだなと感じ始めていたところでしたし。もちろんジャグラーはジャグラーで大好きなんですけどね。だからこそ複雑というか。

頼感とワクワク感

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 こちらのインタビュー記事によると、青柳さんが田口清隆監督から出演オファーを受けた段階から「隊長でジャグラー」の設定は既に決まっていたそうです。なんかそれも凄い話。

 しかも青柳さん曰く「僕も田口監督もそもそもあんなに別人だと思われるとは予想していなかったんです」とのことで。

 

(…いやいや、普通別人だと思うでしょ!ヘビクラって名前もお遊びかと思うやん?だいたいあのジャグラーが隊長だなんて今でもあんまりピンと来てないんだけど…)

 

 今後は自身の正体を隠しつつ、時にはストレイジのヘビクラ隊長として、時にはジャグラス・ジャグラーとしてハルキとゼットをおちょくっていくのでしょうか。ジャグラーにはジャグラーなりの理由があって隊長をやっているそうなので、その理由とやらがどんな展開に繋がっていくのか楽しみなところです。

 いや、僕もこの「ヘビクラ騒動」、自分の期待していたものと明確に違ったので複雑な気持ちなのは確かなんですけどね。リアルタイムでこうして驚いたりワクワクしたりするのはやっぱり刺激的で楽しいですし、『ウルトラマンZ』に関しては前の記事にも書いた信頼感、これが根っこにあるお陰で、どんな突飛な展開も受け入れられそうな気がしています。

 第5話もジャグラーの暗躍を描きつつ「人間対怪獣」の構図を決して崩すことなく、冷凍怪獣ぺギラを迎えて正統派怪獣映画的な演出がビシバシ決まっていましたよね。冒頭のアラスカの地割れのシーンなんかも特撮が凄すぎて一気に引き込まれました。「これ見せてくれるならいくらでも遊んでいいよ」という感じ。

子からのご報告

 ちなみに第5話が放送された日、僕はたまたま仕事が入っていてリアルタイムでは見られなかったんですね。

 普段はネタバレとか全然気にしていないんですけど、この回は何かしらのサプライズがあるだろうなと思って朝からTwitterを含めて情報を全てシャットダウンしていたんです。そしたら僕が家に帰ってくるなり、先にリアタイ鑑賞を済ませていた息子から

 

「ヘビクラ隊長、ジャグラーやってんで~!」

 

と、ありがたくないご報告が(笑)。でも分かる。本気で楽しんでるテレビの内容とか人にすぐ言いたくなるの分かるよ。

 5歳児の中で「ヘビクラ隊長イコールジャグラー」の構図がすんなり受け入れられているのが意外なのですが、僕も例えば子供の頃に見ていた特撮番組でそういう展開があったら、やっぱり息子みたいにテレビにかじりついていたのでしょうか。『グリッドマン』の一平くんが実はカーンデジファーとかね(笑)。いやでも、隊長がジャグラーってサプライズとしてはそのレベルだわ。