『マジック・ザ・ギャザリング』をご存知でしょうか。
世界中で2千万人がプレイしていると言われる人気のカードゲームで、現在では「もっともよく遊ばれているTCG(トレーディングカードゲーム)」としてギネスに認定もされているとか。僕も小学校高学年辺りの頃に、それはもう時間を忘れて熱中したものです。
その『マジック』が、4月に発売する新エキスパンション『イコリア:巨獣の棲処』で日本のゴジラシリーズとコラボするという大ニュースが飛び込んできました。しばらく離れていた『マジック』の世界。ネット上に公開されている新カードのイラストを見て、僕は特撮ファンとして、また元プレーヤーとして居ても立ってもいられなくなってしまいました。
【お知らせ】『イコリア:巨獣の棲処』特設ウェブページをオープンしました!
— マジック:ザ・ギャザリング (@mtgjp) 2020年4月2日
こちらでは本セット関連のキャンペーン情報を確認できるほか、「ゴジラシリーズ」として収録される怪獣たちのプロフィールも読めちゃいます!
ぜひアクセスしてみてくださいね!https://t.co/Liqfiqg0D6#mtgjp #MTGIkoria pic.twitter.com/7s0PDi55gZ
『マジック』はカードゲームとしての面白さもさることながら、イラストのかっこ良さが昔から変わらない魅力の一つで。ゴジラ、スペースゴジラ、デストロイア、ビオランテ…東宝の人気怪獣たちの『マジック』世界への溶け込み具合が本当に素晴らしい。部屋に額縁で飾りたいです。
思い出のデッキ
で、居ても立ってもいられなくなって具体的に何をしたかというと、ゴジラのカードイラストを眺めてうっとりした後に、部屋の倉庫から僕が20年前に使っていた『マジック』のデッキを発掘してきたのです。
まさか本当に当時のデッキがそのまま出てくるとは思いませんでした。奇跡!
僕、今の『マジック』のことは全然知らないので、例えばこのデッキが今もちゃんとゲームで使用できるのかは分からないのですが、少なくとも当時は友達の間でもそこそこ強いデッキだったと記憶しています。
20のライフポイントが先に0になったほうが負けというルールの中で、コストの低いクリーチャーと、コストの代わりに自らのライフポイントを削って発動できる呪文カードを多用。守りには一切入らず、相手の準備が整う前に勝ち逃げしてしまおう…そんなコンセプトで作ったデッキでした。
当時、僕は『マジック』の他に『ポケモンカード』や『遊戯王』もプレイしていました。『マジック』が他のカードゲームに比べて特に優れていたのが、「レアリティの低いカードで作ったデッキも、レアカード揃いのデッキに勝てる可能性が十分にあった」という点です。
『マジック』では、それぞれコモン(普通)・アンコモン(ちょっと珍しい)・レア(珍しい)の3段階にレアリティレベルが分かれていました。今回見つかった僕のデッキの中に、レアカードは1枚もありません。小学生なりに、お金をかけずに戦う方法を探っていたんですね。安くて強い、勝つのも負けるのも早い。まるで牛丼ですね、あはは(笑)。
父親になって分かったこと
正直、僕も細かいルールは忘れてしまったので、デッキがあってももうゲームはプレイ出来ないんですけどね。せっかく見つかったデッキなので、このまま大切にとっておこうと思います。
『マジック』は友達の他にも、父親とよくプレイしていました。ミニ四駆ブームが終わった後、どこへ行くにも、それこそ外食するときも帰省するときもそれぞれデッキを持ち歩いて、暇があれば対戦していたことを思い出します。父親は僕の黒に対抗して青いデッキを使っていましたね。相手の呪文を打ち消すカウンター系のカードが多く、子供の頃の僕はそのいやらしさにテーブルをひっくり返しかけたこともしばしば…。
今思えば、『マジック』は親子の貴重なコミュニケーションの機会になっていました。今でもたまに「やってたなあ」としみじみ2人で思い返すことがあります。ゴジラとのコラボも、僕はTwitterで知る前に父親からのメールで知ったくらいで。興奮気味に「『マジック』にゴジラが…!」って、最初は何の話か分からなかったんですけど。
子供の頃の僕は、大の大人がどうしてここまでカードゲームに本気になっているのか少し不思議だったんですよ。でも、自分が父親になってやっとその理由が分かってきた気がします。
息子に対して、父親の威厳…じゃないですけど、「俺はお前より強いんだぞ!」っていいところを見せたいんですよね、やっぱり。
男の子って成長に合わせてどんどん生意気になっていきます。それと同時に、好きなものを突き詰める能力も勝手に育っていく。僕も、ウルトラマンではまだ負ける気しないけど、ポケモンの知識では息子に完敗なんです。で、「ヒバニー」とか「ザマゼンタ」とか新しいポケモンを必死に覚えようとして。血筋は争えないな、と(笑)。
いや、でもまさかゴジラと『マジック』がコラボするなんてね。20年前の自分が知ったらどう思うだろう。きっと信用しないだろうなあ。