僕が僕であること(仮)

ウルトラマンが大好きな9歳の息子とのウルトラ備忘録です。

「特撮オタクだとバレないように言葉を選ぶ内海」はいつかの自分自身だったという話

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 今日は『SSSS.GRIDMAN』第6話「接・触」から、僕の脳裏にずっと残っているあるシーンについて。

接・触

接・触

 

 「接・触」というサブタイトルの通り、この回ではこれまで交わることのなかった登場人物の組み合わせでグリッドマン同盟3人のそれぞれの交流が描かれています。

 主人公の裕太は人間の姿をした怪獣アノシラスと。六花はグリッドマンを目の敵にしているこちらも人間の姿をしたアンチ。そして内海は新条アカネ。街を壊す巨大な怪獣もグリッドマンも登場しない、シリーズ全体の中でも異色作と言える内容で驚いた視聴者の方も多かったのではないでしょうか。

 『SSSS.GRIDMAN』は本筋のストーリーももちろん興味深いのですが、例えばアカネの部屋に飾られているウルトラ怪獣の数々やコンビニの名前、レギュラン星人のTwitterアイコンなど、特撮ファンへ向けたサービスやちょっとした遊びが毎回の楽しみになっています。

 アニメで特撮を再現する試みといい、何と言うか、もの凄く「分かってくれている」感じがして嬉しい。ただの特撮オタクである自分を、決して置いてけぼりにすることなく、独りにさせないでくれている気がします。

 

 

 

 

海へのシンパシー

 僕の脳裏から離れないのは、内海とアカネが本屋で偶然出会う一連のシーン。

 内海が特撮専門誌「宇宙船」を立ち読みしているところに突然現れるアカネ。内海にとって、才色兼備のアカネは自分の手の届かないところにいる憧れのクラスメイト。当然、自分が特撮オタクであることを知られたくない内海はしどろもどろになりながら言葉を選んで話すことになります。

アカネ「何読んでたの?」

海「え?いや、その…」

アカネ「宇宙船かぁ」

内海「あ、それは別にたまたま…」

アカネ「あ、レッドキング。やっぱレッドキングって3代目の造形いいよねー」

内海「え!新条さん、怪獣好きなの?」

アカネ「え、好きだよー」

内海「うっそ!」

アカネ「えぇ?だってカッコいいじゃん」

内海「め、珍しいね。女子なのに」

アカネ「男子でも怪獣が好きなの珍しいほうじゃない?」

  2人のこの会話。最初はガチガチに防御に入っていた内海が、アカネの「分かっている」反応にどんどん心を開いていく感じがとても自然に描写されていて、思わず何回も見直してしまいました。

 相手がアカネのような3代目のレッドキングをいいと言えちゃう特殊な女子かどうかはさておき、特撮オタクをやっていたらそれこそ本屋で立ち読みしているときなんかにこういう場面に出くわすことって割とありますよね?僕は何度かありました。だから、このシーンの内海は他人とは思えない…というか、まるで自分自身の出来事を見ているようで共感しきりだったのです。

「わかりみがヤバい」

 僕も、自分が特撮オタクだということを友達以外の周りの人たちには積極的に話していません。昔からそうですね。

 今はまだ「3歳の息子と一緒に見ている」というある種のバリアがあるので(笑)、例えばウルトラマンのショーに行ったことを職場で話したりは出来ますけど。わざと「息子に付き合わされている体(てい)」で話したりとか…。

 単純に「いい歳してウルトラマンとか見てる奴」って思われるのが嫌なんでしょうね。わざわざ話しても、普通の人からどんな反応が返ってくるのかは大体予想がつくし、経験上、自分にとって得にならなかったことのほうが多いですから。皆さんはどうですか?

 先ほど引用したシーンの後、意気投合した内海とアカネは喫茶店へ。怪獣が出ない回なんか作っちゃ駄目だよねと語るアカネ。「くぅー!わかりみがヤバい」と特撮談義に花を咲かせる喜びが溢れ出る内海。実際、何人に一人だろうっていうくらいの確率なんですよ、こうして自分と同じレベルで特撮好きな人に生活圏内で出会うって。この内海の前のめりになる感じ、本当にわかりみがヤバい。

ャラクターへの思い入れ

 このエントリーを書いている時点で残り放送があと3回。いよいよエンディングが迫ってきている『SSSS.GRIDMAN』。

 散りばめられた謎や伏線の回収、物語がどのような決着を迎えるのか興味はつきませんが、内海を筆頭にこれだけ魅力的なキャラクターたちの活躍があと少ししか見られないのは惜しいですね。それだけ、『SSSS.GRIDMAN』は人間のエモーショナルな部分をとても魅力的に描いていると思います。毎週楽しみです。

 そう言えば先月末、なんばマルイにて期間限定でオープンしているSSSS.GRIDMANスペシャルショップへ行ってきました。

 グリッドマンの実像展示がお目当てで特に欲しいグッズは無かったのですが、見つけた瞬間「これは!」と思わず手に取ってしまったのは内海のアクリルフィギュア。グリッドマン同盟の3人とグリッドマン本人というラインナップの中から自然と内海に手が伸びていたのは、やはりキャラクターへの思い入れ、劇中の活躍に対する共感の度合いが最も強かったからに他なりません。

 僕がブログを書くノートパソコンの横に飾ってある内海のフィギュアは、まるで今までずっとそこにあったかのような親近感。いつかの自分自身を重ね合わせたキャラクターは、僕の頭の中にあるフォルダに保存されてこれからもずっと残っていくことでしょう。そのうち僕がTwitterやブログで「わかりみ」とか言い出したら、「ほんと単純だなこいつ」と思っていただいて…(笑)。