僕が僕であること(仮)

ウルトラマンが大好きな9歳の息子とのウルトラ備忘録です。

息子の愛読書、ウルトラ怪獣入門。

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 ウルトラマンにハマった子供が必ず欲しがるもののひとつ。それは怪獣図鑑です。

ウルトラ怪獣入門 (小学館入門百科シリーズ 15)

ウルトラ怪獣入門 (小学館入門百科シリーズ 15)

 

 今年の12月で4歳になるうちの息子の愛読書は、僕が子供の頃に肌身離さず持っていた小学館のウルトラ怪獣入門。現在発売されている最新版の怪獣図鑑も何冊か買い与えたのですが、何故か僕の持っていた古い図鑑に夢中です。

 しかしこのウルトラ怪獣入門、よくよく読んでみると普通の怪獣図鑑じゃない。なかなかに味わい深い怪獣たちの紹介文、「こんなの誰が考えたの?」とツッコミを入れたくなる意味不明なコーナー等々。息子を膝の上に乗せて読み聞かせながら思わず吹いてしまいます。今回は、息子の愛読書を少しばかりお借りして、ウルトラ怪獣の不思議な世界へ皆さまをお連れいたします。

 

 

 

 

よ、この胡散臭さ

 この図鑑で紹介されているのは、『ウルトラQ』~『帰ってきたウルトラマン』までのウルトラシリーズに登場する怪獣たち。こういった図鑑に多いのはシリーズ毎に話数順で怪獣が掲載されているパターンですが、このウルトラ怪獣入門では主に「地底怪獣」や「宇宙生物」といった属性でページが分けられています。この辺りはもの凄く「図鑑」っぽい。

 「ウルトラ怪獣名勝負」というコーナーでは、夢の対決と銘打って映像では実現していないウルトラ怪獣たちの対決風にそれぞれの特徴を紹介。チブル星人対クール星人、ギャンゴ対ガラモンというように、怪獣同士の特徴を掴んだなるほどと思わされる組み合わせです。でもナメゴン対ゴーガの対決なんて誰が見たいんだろう。クッソ退屈そう(笑)。

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 怪獣の部位に矢印で細かく説明がなされています。この文章がめちゃくちゃ味わい深い。

・一度に牛を30頭も食べてケロリとしている大きなゴメス胃(ゴメス)

・100万度の熱にもへいきなイボ(アーストロン)

・京王プラザをひとなぐりでバラバラにするイカルス・アーム(イカルス星人)

・生物を腐らせる液を出すバルタン足。バルタン星人が歩いた跡は草もはえない(バルタン星人)

・ミサイル弾をはねかえし、脳を守るザザーン髪(ザザーン)

 イカルス星人の紹介で唐突に出てくる京王プラザが笑えます。「ゴメス胃」とか「ザザーン髪」とか、そんな設定本当にあるの?っていうw かと思えば、アーストロンのイボは100万度の熱にも平気という代物なのに名前を付けてもらえない(笑)。この何とも言えない胡散臭さ、現代の怪獣図鑑には出せなかろう。

獣大ランド!ハイウェイ建設隊!

 ウルトラ怪獣入門の初版は1971年。当時は怪獣の写真や資料が少なかったためか、ページを埋めるためにオリジナルのイラストで独自に作られたコーナーが多いです。その中でも特に意味不明なコーナーがこの怪獣大ランド。

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「みんながビックリするような、大遊園地を作ろう。」

怪獣たちの相談がまとまった。

「まず、ジェット・コースターは、ほしいな。宇宙竜ナース君、コースターになってくれたまえ。」

  もはや誰かも分からない登場人物に君付けされる宇宙竜w この「どうしたら子供が喜ぶか」という書き手の試行錯誤とテキトーさ加減のハイブリッドがたまらんです。大人しくコースターになってるナース君かわいい。

 怪獣大ランド、最後の一文がまた面白い。

「でも、一年に一日しか開けないんだ。みんな、いそがしいからね。」

  いやいや、怪獣に忙しいとか暇とかいう概念あるの?(笑)。

 怪獣大ランド以外にも、地底怪獣と手がハサミ状の宇宙人たちが協力して建設業をこなすハイウェイ建設隊や、冷凍怪獣が真夏のスモッグを追っ払ってくれる怪獣気象庁など、こうして書いていても何のことか分からない謎のコーナーがいくつも。

 

 

 

 

外な資料的価値

 僕も子供の頃に読んでいたこの図鑑。他の怪獣図鑑には無かったある資料に、子供ながらに「おっ」と食いついた記憶があります。それは怪獣・宇宙人の足跡。

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 公式な設定として今も通用するのかは分かりませんが、こうして怪獣たちの足跡が一つひとつ見えるようになっているのは資料としてとても貴重だと思います。足跡を見ただけでどの怪獣のものか分かる、いわゆる怪獣博士も怪獣ブームだった70年代当時は沢山いたのでしょうね。

 

 ニュージェネシリーズからウルトラマンにハマった息子。このウルトラ怪獣入門を見ながら

「これはギンガとルーブに出てきたやつー?」

と、いかにもウルトラ新世代らしい質問を僕にしてきます。チブル星人って、僕からしたらウルトラセブンの宇宙人というイメージなんですけどね。息子にとっては『ギンガS』に出てきた中ボス的存在であり、メフィラス星人の上司だったりするわけです。過去の人気怪獣の再登場は、こういった世代間の認識にいい意味でズレを生じさせてくれている気がしますね。おかげで怪獣図鑑を見ながらの親子の会話が楽しい。

 実家へ帰ったら、また僕の部屋から昔の怪獣図鑑を探す発掘作業が始まりそうです。母親によると、まだ何冊もあるとのことなので。というか、子供の頃の僕、どんだけ怪獣好きだったんだ。息子のこと何も言えません(笑)。