放送開始から早1ヵ月が経過したアニメ『SSSS.GRIDMAN』。
4~5歳の頃に原作グリッドマンをリアルタイムで見ていた僕にとって、これほど放送開始を楽しみに待っていたアニメ作品というのも久々でした。実際に放送が始まると、第1話から戦闘シーンや怪獣の演出で特撮ファンを唸らせ、アニメファンの心をがっちりと掴むキャラクター造形の妙で一気にTwitterのトレンドを独占する勢いを見せてくれました。「おはよう」がトレンド入りしないのと同じ理屈で、つぶやかれ過ぎた「グリッドマン」がトレンド入りしなかった現象も起きたとか。凄すぎる(笑)。
作品そのものの評価については他所で語り尽くされていると思うので、今回は原作リアルタイム世代が見た『SSSS.GRIDMAN』ブームへの喜びと今後への期待などを語ってみようかと。さあ、君もアクセスフラッシュだ!
誰も知らなかった夢のヒーロー
同世代の友達と一度は盛り上がる鉄板の話題として、「子供の頃に見ていたアニメ、特撮は何?」というものがあると思います。
僕は1988年生まれなので、この手の話題で候補に挙がる作品は戦隊シリーズなら93年~94年の『ダイレンジャー』『カクレンジャー』など。メタルヒーローシリーズの『ビーファイター』を挙げる友達も結構多かった記憶があります。もちろんこれらの作品、僕も子供の頃に見ていましたし今でも大好きです。しかし一番ハマった作品となると、それは『電光超人グリッドマン』で間違いありません。自分がそうだったんだから、当然周りにもそういう人がいるはずだと思いますよね。しかし、「おれ、『グリッドマン』めちゃくちゃハマったわー」と僕の発した言葉に、一瞬その場の空気が固まったのを今でも覚えています。
「グリッドマン…って、何?」
なんと、誰もグリッドマンの存在そのものを知らなかったのです。少なくとも僕の周りでは。こういう話題で誰も共感してくれないのって、本当に寂しいものです。確かあれは中学生のときだったと思うのですが、当時の僕は空気を読んでグリッドマンを語りたい気持ちをそっと胸の奥にしまったのでした。
グリッドマンを取り巻く環境
『グリッドマン』の放送終了から約3年後。ファン待望の新しいウルトラシリーズ『ウルトラマンティガ』がスタートしました。
当時から今も続く『ティガ』の人気と評価の高さはここで言うまでもありませんが、『グリッドマン』と『ティガ』両方に携わったあるスタッフの方が、平成ウルトラ関連の書籍で「『グリッドマン』は子供騙しだった」という趣旨のコメントをされていたのを見たときは正直落胆しました。平成ウルトラ3部作が成功を収めた直後はこういう論調が結構あったように思います。
『ティガ』が素晴らしい作品であることは否定しませんけど、それを言うためにわざわざ『グリッドマン』のこと貶めなくてもいいじゃん。これがマイナーヒーローの哀しさかと。平成ウルトラの隆盛の裏で『グリッドマン』は作品を映像で確認できるチャンスも減り、このまま隠れた名作というありふれたワードと共に記憶の彼方へ追いやられてしまうのか…。
アニメ化され、原作もAmazonプライムで全話見られる今ではそんな話ももはや良い思い出ですが、本当に3~4年前までの『グリッドマン』を取り巻く環境ってそんな感じでした。
君を退屈から救いに来たんだ
今のアカウントでTwiiterを始め、特撮好きの方々をフォローしていくと原作グリッドマンのファンの方が意外と多かったのは嬉しい出来事でした。
グリッドマンのアニメ化が発表されたときのあの盛り上がり、放送が始まってからの興奮と感動を毎週のようにフォロワーの方々と共有出来ているのはとても幸せです。こんなにも「グリッドマン」という単語がタイムラインを賑わす日がやって来るなんて、原作ファンの誰もが思っていなかったことでしょう。
『SSSS.GRIDMAN』は、原作ファンがニヤリとするような遊びを随所に入れつつも、ちゃんと現代の価値観とセンスでグリッドマンという作品を再構築することに成功しているのが素晴らしいです。
例えば、原作の藤堂武史に該当する新条アカネのキャラクター。怪獣を生み出す両者に共通しているのはその動機です。武史もアカネも、ラブレターを渡すのを邪魔されたとか、廊下でぶつかった先生が謝罪してくれなかったとか、本当に些細な理由ばかりなんですよね。でも、だからこそ見ている側が敵の方にもちょっと感情移入出来たりする。人間の心の闇ってそんなものなのかもと思わせるリアリティがあって。まあ、武史は後半になってどんどんネタキャラ化していくのですが(笑)。これから、グリッドマンとの戦いを通してアカネがどう変化していくのか。きっと僕らの想像を超えるような展開を見せてくれるだろうと思います。
特撮パート(アニメだけどこう言いたくなる)の演出も毎回凄いですね。放送が終わったら絵コンテ集とか出して欲しい。
オーイシマサヨシさんの主題歌『UNION』、これも好き過ぎて語彙力失います。最高!
目を醒ませ!
僕らの世界が何者かに侵略されてるぞ
これは訓練でも リハーサルでもない
覆われた日常というベールを 勢いよく剥がしたら
戦いの鐘が鳴る
それじゃとりあえず 同盟を結ぼうか
君を退屈から 救いに来たんだ
この辺の歌詞がドラマとリンクしてて良いですね。「君を退屈から救いに来たんだ」という力強い一節は、もちろんこれからドラマの中で描かれてる内容を指しているのでしょうが、僕には原作グリッドマンファンへのメッセージのようにも感じられて勝手に感動的に受け止めています。そう、グリッドマンが僕らを退屈から救ってくれた。かつての夢のヒーローに、もう一度思いを託す機会をくれたこの作品に僕は心から感謝したいと思います。怖いのは、放送が終わったら確実にやって来るであろうグリッドマンロスだけだ!(笑)
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