僕が僕であること(仮)

ウルトラマンが大好きな9歳の息子とのウルトラ備忘録です。

~ウルトラマンに光を!~ウルフェスinひらパーレポート

 

  毎年夏の恒例イベントとなっている「ウルトラマンフェスティバル」が、昨年末から今年にかけて大阪のひらかたパークでも開催されたことはご存知でしょうか。大阪での開催決定がアナウンスされたのは確か昨年の秋ごろだったと思うのですが、夏には本気で息子を連れて池袋まで行こうかと考えていた僕にとって、これはビッグニュースでした。調べてみると、関西にウルフェスがやって来るのは2003年に奈良県のあやめ池遊園地(2004年閉園)で開催されて以来14年ぶりだったそうで、関西在住のファンにとってはまさしく「ウルトラマンが帰ってきた…(by.加藤隊長)」状態だったのです(笑)。今回は、実際に参加したウルフェスinひらパーのレポートをここに残しておこうと思います。

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 記事を書くにあたり、ウルフェスのこれまでの歴史を少し調べてみたのですが、90年代中盤から00年代にかけては関西でも毎年行われていたようです。僕も子供の頃に一度だけ両親に連れていってもらった記憶があり、それがいつのウルフェスだったのかずっと気になっていたのですが、実家に残っている自分の写真を確認したところ阪神パーク(2003年閉園)で開催された94年でした。23年ぶりのウルフェスは、ウルトラマンに熱中した子供の頃の記憶を呼び起こしてくれました。

ウルトラマンと怪獣が「そこにいる」ということ

 ウルフェスの大きな魅力の一つとして、展示物の充実が挙げられると思います。今回のウルフェスでは、生誕50周年を迎えた『ウルトラセブン』関連の展示が多く見られました。

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※左上からチブル星人、ペガッサ星人、シャプレー星人、テペト星人、アイロス星人

 『セブン』に登場した個性的な宇宙人たち。『ジード』でペガを見ていたからか、本家本元のペガッサ星人のほうに違和感を感じてしまう謎現象が…(笑)。チブル星人なんかは、今の子供たちにとっては『ギンガS』に出てきた宇宙人という認識なのかもしれませんね。シャプレー星人も『ウルトラ銀河伝説』に登場し印象に残る場面を作っていますし、現代でも通用する『セブン』のデザインワークは普遍的で素晴らしいなと改めて実感した次第です。

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 今も語り継がれる名作、セブン第8話『狙われた街』のワンシーンを再現できるフォトスポットも。一体何人の人たちがメトロン星人とちゃぶ台を囲んだことでしょう(笑)。奇才・実相寺昭雄監督の演出が、半世紀の時を越えて現代のSNSブームと見事にマッチした瞬間です。

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※左上からウルトラマンダイナ、アグル、ダークロプスゼロ、カオスウルトラマン、ゼロ、コスモス、ダークザギ、ノア、レオ

 池袋で好評だった、精巧なミニチュアセットが間近で見られるバトルジオラマが今回は無かったのが凄く残念だったのですが、その分ウルトラヒーローの展示が充実。それぞれのライバルキャラを揃えて、バトルの臨場感が演出されていました。そして何より、普段はテレビ画面でしか見られない実際のスーツやマスクを間近で見られるのがファンには嬉しいポイントですね。

 こういった展示を見て改めて感じたのは、ウルトラマンや怪獣を着ぐるみで表現することの意味です。近年ではCG技術が目覚ましい進歩を見せ、アニメと実写の垣根を超えた映像表現が可能な時代になりました。日本でも映画『シン・ゴジラ』でついに全編フルCGのゴジラが実現。従来の着ぐるみでは不可能だったアングルや革新的なキャラクターを登場させ、大成功を収めています。そんな特撮映像表現の転換期とも言える時代の中で、『ギンガ』以降のいわゆるニュージェネレーションと呼ばれるウルトラシリーズでは、着ぐるみやミニチュアといった特撮の伝統的な撮影手法にこだわっているように感じられます。ウルトラマンや怪獣が実際にそこに「いる」存在感と、それらをより一層際立たせるミニチュアセットの街並み。単なるノスタルジーではなく、画面の中の空間全体を楽しむ昔ながらの特撮の魅力を復活させようという近年のウルトラシリーズの姿勢にはとても好感が持てます。ウルフェスに行った息子の反応を見ていると、ウルトラマンや怪獣を間近で体感できる展示や、後述するライブステージなどにその姿勢が結実しているのだと思います。

ウルトラマンたちと思い出を

 ウルフェスの目玉の一つが、ウルトラヒーローたちと一緒に写真が撮れるウルトラショットコーナー。

  うちの息子もばっちり撮ってもらいました。当日の僕のツイートからも興奮が伝わってくるでしょうか。オーブは元々好きだった息子も、ビクトリーと2ショットを撮ってもらってから『ギンガS』にハマりだし、改めてウルトラショットのパワーを感じた次第です。ウルトラマンたちとふれあう息子を見ながら「僕が子供の頃はこんなイベント無かったよ、羨ましいなぁ」と父親は胸の中でぼそぼそとつぶやいていたことも書き加えておきます(笑)。

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※ステージに近い席だとiPhoneでもそれなりに写真が撮れました。

 ウルフェス最大の目玉とも言えるのが、オリジナルストーリーで展開される迫力のライブステージ。Twitterなどでは実際に会場でご覧になった方々が口々に絶賛されていて、「そうは言ってもヒーローショーでしょ?大人がそこまでのめり込めるのかな」と正直信じられないところがあったのですが、これがなかなか魅せてくれます。驚いたのは、巨大LEDスクリーンによる光の演出。最近のウルトラヒーローショーではあの感じが当たり前なのでしょうか。僕が子供の頃に見ていたショーとは全く別次元の迫力で、思わず前のめりになって見てしまいました。ウルトラマンたちのアクションも素晴らしく、頭部から取り外した2本のスラッガーで敵をなぎ倒すゼロの痺れるほどのかっこ良さ(スラッガーを取り外せる仕様のマスクであのアクションが成立することにもびっくり)、夕日をバックに繰り広げられるセブンとメトロン星人の決闘(ちゃんと劇中のカットが再現されています。凄い!)など、見所の次ぐ見所は本当に圧巻の一言です。

 物語の核は、ベリアルの息子であるジードの葛藤。そこにセブンゼロ親子の共演とX&オーブのニュージェネ勢が見せる絆の力が程よくミックスされ、ジード本編と同様に若きウルトラマンが仲間たちに支えられて成長していく様子が小さな子供にも解るよう描かれています。

 また、会場の座席にはウルトラフラッシュなる発光体が取り付けられており、それを手に取りながら観客もライブに参加できる構成になっています。僕の息子も、このウルトラフラッシュを左右に振ってショーを楽しんでいました。長年オタクをしているとこういう子供向けのショーもつい変な角度から見てしまうのですが(笑)、やはり純粋にウルトラマンを応援する子供たちの「がんばれー!」という声援を聞くと、大人になるにつれて忘れていった気持ちに気付かされるような不思議な感覚がありますね。月並みな表現ですが、子供たちの声援こそがこのライブステージに最も必要な演出なのだと思います。

ウルトラマンに光を!

 14年ぶりに関西でのウルフェス開催が実現したのは、やはりテレビシリーズの継続によりウルトラマンの人気が以前に比べると上昇していることが要因でしょうか。最近は、おもちゃ売り場でもウルトラ関連のスペースが広くなってきたと感じることが多いですし、『ジード』の後番組も『ウルトラマンオーブ THE CHRONICLE』ということでウルトラの火はまだ灯り続けています。もうウルトラマンの新作なんて見られないかもしれない…そんな時期がつい数年前にあったことが信じられない状況で、この勢いが止まらずにもっともっと広がっていって欲しい。円谷プロとウルトラマンのファンとして、本当にそう思います。今年もぜひ、関西でウルフェスを。もう23年も我慢しませんから…(笑)。